アブガルシアから2021年に登場したゼノン。業界最軽量を謳うこのスピニングリールは、アジングシーンに大きな話題を投げかけました。しかし、発売直後には「ライントラブルが多発する」という噂が広がり、SNS上で賛否両論が巻き起こったのも事実です。
一方で、3年以上使い込んだアングラーからは「軽さだけじゃない魅力がある」という声も。実売3万円台という価格設定も相まって、アジング愛好家の間で根強い人気を誇っています。この記事では、ゼノンの実力を多角的に検証し、アジングでの使用を検討している方が知りておくべき情報を網羅的にまとめました。
この記事のポイント |
---|
✓ ゼノンの軽量性がアジングにもたらす実際のメリット |
✓ 発売当初の炎上騒動の真相と現在の評価 |
✓ 番手選びと競合リールとの比較データ |
✓ 長期使用者が語る耐久性と調整のコツ |

ゼノンをアジングで使う際の実力を徹底検証
- ゼノンがアジングで注目される最大の理由は142gという驚異的な軽さ
- 発売当初の炎上騒動の真相と実際のトラブル発生率
- 1000Sと2000番クラスの使い分けが釣果を左右する
- 競合リールとの性能比較で見えてくる本当の実力
- 初動の軽さと高感度が生む圧倒的なアドバンテージ
- 実売3万円台というコストパフォーマンスの衝撃
ゼノンがアジングで注目される最大の理由は142gという驚異的な軽さ
アブガルシアのゼノンが2021年に登場した際、アジング界に衝撃が走りました。その最大の理由は、1000番で自重142gという業界最軽量クラスのスペックです。従来、この軽量域を独占していたシマノの19ヴァンキッシュを上回る数値を叩き出し、一躍注目の的となりました。
アジングにおいて、リールの軽さは単なる数値以上の意味を持ちます。長時間の釣行では、わずか数グラムの差が疲労度に直結します。特に繊細なアタリを取る必要があるアジングでは、タックル全体の軽量化が感度向上に繋がるという考え方が主流です。
ゼノンの設計思想は、単なる軽量化だけではなく、無駄なスペース(ボディ内の空洞部分)を徹底的に削ぎ落とすというアプローチにあります。左右非対称のボディデザインは、ギア部分を張り出させたというよりも、周辺の不要な部分を削った結果として生まれた形状なのです。
📊 ゼノン軽量化の秘密
技術要素 | 内容 | アジングへの影響 |
---|---|---|
マグネシウム合金ボディ | 一体成形で剛性を確保しつつ軽量化 | タックルバランスの向上 |
左右非対称設計 | デッドスペースを徹底排除 | 見た目以上のコンパクトさ |
CFRPローター | 炭素繊維強化プラスチック採用 | 巻き感度の向上 |
エアフィンスプール | 大胆な肉抜き構造 | レスポンスの向上 |
この軽さを実現するため、ローターにはC6と呼ばれるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)が使用され、剛性はマグネシウムに匹敵するとされています。単に軽いだけでなく、必要な強度は確保するという設計思想が貫かれているのです。
実際に6ft6inのアジングロッドに装着すると、2500番の割にコンパクトかつ超軽量なため、短めのライトゲームロッドでもすんなり収まります。一方で、エギングロッドに合わせても違和感がないという汎用性の高さも魅力の一つです。
ただし、軽量化を追求した結果として生まれた独特の構造は、メンテナンス性や個体差という課題も抱えています。この点については後述しますが、アジングにおける軽量リールの価値を理解した上で、ゼノンの特性を把握することが重要でしょう。
発売当初の炎上騒動の真相と実際のトラブル発生率
ゼノンの歴史を語る上で避けて通れないのが、発売直後に起きた「炎上騒動」です。とあるYoutuberが公開した「ラインがラインローター内に入りやすくトラブルが頻発する」という動画が拡散され、アブガルシアは重大な欠陥を隠したまま製品を発売したとされました。
この騒動により、SNSには「所詮アブはこの程度」「アブが高級機を出すには早かった」といった批判が溢れました。アブガルシアからサポートを受けているアングラーたちがフォローに回る事態となり、発売直後のゼノンは「いわくつき」のリールというレッテルを貼られてしまったのです。
しかし、実際の使用状況を見ると、話はそう単純ではありません。実釣で3〜4時間使用して一度もトラブルが起きなかったという報告や、「ライントラブルが特別起こるとは思いません」という意見も多数寄せられています。
📋 トラブル発生に関する実際の声
ライトゲームは元々細糸で皆さんラインメンディングに気を使われてると思うので、ライントラブルが特別起こるとは思いません。
出典:#アブガルシア #ZENON を #ライトゲーム で導入しようとしてる人に率直なインプレ
問題の本質は、おそらく「個体差」と「使用方法」の2点にあったと推測されます。かなり個体差があるのは確かみたいで、なるべく実店舗で探して触ってから買うことが推奨されています。リールを回す時にローターを手で止めてガタ感を確認したり、ハンドルを回して止める時に逆回転させてみたりして、自分が許せる範囲なのかを感じることが重要です。
また、ラインマネジメントをしっかり行えば問題ないという指摘もあります。フェザリングやヨレを取るように注意していれば、オートリターン機能を使ったとしてもラインが下に落ちるような気配はないという報告もあります。
✅ トラブルを避けるためのチェックポイント
- 購入時に実店舗で実機を触って確認する
- ローターのガタつきを手で確認する
- ハンドルを逆回転させて異音がないかチェック
- 巻きノイズの有無を確認する
- ラインマネジメントを徹底する
現在では、発売から数年が経過し、初期ロットの問題も改善されている可能性があります。また、使用者側の理解も深まり、適切なメンテナンスや調整方法も共有されるようになりました。「噂だけで悪評付けられたのが本当にかわいそうな、良いリールだ」という評価も少なくありません。
1000Sと2000番クラスの使い分けが釣果を左右する
ゼノンのラインナップの中で、アジングに適しているのは主に1000S、2000S、2000SHの3モデルです。番手選びは釣りのスタイルや使用するリグによって大きく変わるため、それぞれの特性を理解することが重要です。
🎣 アジング向けゼノンの番手別特性
| 番手 | 自重 | ギア比 | 巻取り長さ | 推奨用途 | |—|—|—|—| | 1000S | 142g | 5.2:1 | 65cm | ジグ単専用 | | 2000S | 145g | 5.2:1 | 69cm | 汎用型(推奨) | | 2000SH | 145g | 6.2:1 | 82cm | 重めリグ・メタルジグ |
1000Sはジグ単専用という位置づけで、極細のエステルやフロロを巻き、軽量ジグ単で近距離をサーチするのに最適とされています。最小番手ならではの繊細さが武器となり、0.2号のエステルラインでも快適に扱えます。
一方、2000番クラスの2モデルは、ラインキャパ的に汎用性が高い万能型です。基本はノーマルギアの2000Sが使いやすいが、重ためのリグを軸にしたい方、メタルジグでギガアジを狩りたい方は、ハイギアの2000SHもアリという使い分けが提案されています。
実際の使用感として、2500番は適度なコンパクトさと圧倒的な軽さ、剛性感を備えており、従来の2500番よりひとつライトな釣りまで対応できるという評価もあります。6ftのアジングロッド、8ft6inのエギングロッド、MLクラスのシーバスロッドまで、幅広いロッドと組み合わせられる柔軟性があるようです。
番手選びで迷った場合、一般的なアジングでは2000Sを基本とし、使用するラインの太さや狙うサイズに応じて1000Sや2000SHを検討するという流れが良いでしょう。ただし、番手が上がるほど自重も増えるため、タックルバランスを考慮することも忘れてはいけません。
競合リールとの性能比較で見えてくる本当の実力
ゼノンの実力を正確に把握するには、同価格帯や同スペックの競合リールと比較することが有効です。主な競合はシマノの19ヴァンキッシュとダイワの21ルビアスエアリティですが、価格帯を広げると20ルビアスや20ヴァンフォードも選択肢に入ってきます。
💰 1000番クラス競合リール比較
リール名 | 自重 | 実売価格 | コスパ評価 |
---|---|---|---|
ゼノン1000S | 142g | 36,000円前後 | ★★★★★ |
19ヴァンキッシュ1000SSSPG | 145g | 50,000円前後 | ★★★☆☆ |
21ルビアスエアリティFC LT1000S-P | 150g | 50,000円前後 | ★★★☆☆ |
18イグジストFC LT1000S-P | 150g | 70,000円前後 | ★★☆☆☆ |
1000番クラスでは、19ヴァンキッシュを3g差で振り切り、ゼノンが単独最軽量となっており、値段もぶっちぎりでリーズナブルです。軽量リールを求めるなら、1000番クラスではゼノンが圧倒的第一候補と言えるでしょう。
2000番クラスになると、状況はやや複雑になります。
💰 2000番クラス競合リール比較
リール名 | 自重 | 実売価格 | コスパ評価 |
---|---|---|---|
ゼノン2000S | 145g | 36,000円前後 | ★★★★☆ |
19ヴァンキッシュC2000S | 145g | 50,000円前後 | ★★★☆☆ |
21ルビアスエアリティFC LT2000S-P | 150g | 50,000円前後 | ★★★☆☆ |
20ルビアスFC LT2000S | 150g | 25,000円前後 | ★★★★☆ |
20ヴァンフォードC2000S | 150g | 23,000円前後 | ★★★★☆ |
145gでゼノンと19ヴァンキッシュが同率最軽量だが、コストを考慮すると1.5万円ほど安いゼノンが優位という評価が一般的です。ただし、2万円台の20ルビアスや20ヴァンフォードとの差はわずか5gで、手にとってもわからないレベルのため、出費を抑えつつ軽いリールが欲しい方には中堅クラスも魅力的な選択肢となります。
巻き心地に関しては、初動(巻き始め)が軽く、国産ハイエンドに迫るか、少なくとも準ハイエンドと同等レベルという評価があります。回転中のフィーリングは「めちゃくちゃシルキー」というほどではないものの、十分な滑らかさを備えており、シマノのクイックレスポンスシリーズに近い印象だそうです。
初動の軽さと高感度が生む圧倒的なアドバンテージ
ゼノンの魅力は単なる軽量性だけではありません。実際に使用したアングラーからは、「初動の軽さ」と「高感度」という2つの特性が高く評価されています。これらはアジングにおいて極めて重要な要素です。
巻き感に関して、まず初動(巻き始め)が軽いことが魅力で、ローターとカーボンハンドルが軽いせいか、初動が軽い割にハンドルが惰性で回らず、止めた時にビタッと静止するという特性があります。これはジグ単の微妙な操作において、非常に大きなアドバンテージとなります。
さらに注目すべきは、その感度の高さです。ゼノンはややロートルクで、巻き感度がかなり優れているとされています。引き抵抗が大きなフロートリグを使った際はもちろん、43mmのリップレスミノーの超低速巻きでもしっかりと潮の抵抗やその変化を感じ取れたという報告があります。
🎯 ゼノンの感度が活きるシーン
- ✓ ジグ単の微妙なアタリの検知
- ✓ フロートリグでの潮の変化の把握
- ✓ スローリトリーブ時の水中の状況把握
- ✓ ドリフトでのラインテンションの管理
この高感度は、ボディとローターの剛性感によってさらに引き立てられます。超軽量かつややロートルクだが、かなり高い剛性感があり、国産ハイエンドと比べてもまったく見劣りしないという評価です。
駆動系が生み出す必要十分なトルクを、硬いボディとローターによってロスすることなく巻き上げ力に変換しているような印象があり、これが全体的な気持ちよさに繋がっているのではないかと推測されます。
実際の釣行では、リアルフィネス510という繊細なロッドと組み合わせても、27cmクラスの大型メバルを難なくキャッチできたという報告もあります。軽量性と剛性感、そして感度の高さが三位一体となって、アジングに最適な特性を生み出しているのです。
実売3万円台というコストパフォーマンスの衝撃
ゼノンの最大の魅力の一つが、そのコストパフォーマンスの高さです。業界最軽量クラスのスペックを持ちながら、実売価格は3万円台後半と、国内メーカーのハイエンドモデルと比較して1.5万円以上安く設定されています。
ダイワの21ルビアスエアリティは実売5.2万円前後、シマノの19ヴァンキッシュは実売5万円前後と比べると、かなり割安感があるのが事実です。後出しジャンケンという側面はありますが、価格競争力は非常に高いと評価できます。
この価格設定の背景には、おそらく製造コストの違いや、ブランド力の差が影響していると推測されます。アブガルシアは海外ブランドであり、国内メーカーと比較すると、どうしても「信頼性」や「ブランドイメージ」の面でハンデを背負っています。
💡 価格差の理由(推測)
要因 | 影響度 | 内容 |
---|---|---|
ブランド力 | 大 | 国内メーカーのブランドプレミアム |
製造拠点 | 中 | 製造コストの違い |
アフターサービス | 中 | サポート体制の差 |
開発費 | 小 | 研究開発への投資額 |
しかし、この価格差は必ずしもマイナスではありません。むしろ、「性能は高いが手が届きにくい」という高級リールの壁を下げ、多くのアングラーに最先端の軽量リールを体験する機会を提供しているとも言えます。
正直、箱から開けた時にストレスが少ないのはやっぱりダイワやシマノのリールだが、ZENONの重量143gに肉薄するリールはシマノのバンキッシュで5万円するという指摘もあります。調整は必要かもしれませんが、3万5千円で買えるZENONのコスパの良さは魅力的です。
ただし、コストパフォーマンスを重視するあまり、自分のスキルレベルや使用目的を無視してはいけません。初心者や、リールのメンテナンスに自信がない方は、多少高くても国内メーカーの中堅モデルを選ぶという判断も賢明でしょう。
ゼノンでアジングを極めるための実践的知識
- 3年以上の長期使用で見えてきた耐久性の真実
- 購入直後に必須のメンテナンスと調整ポイント
- ドラグ性能とクイックドラグシステムの実力
- ライントラブルを防ぐための具体的な対策方法
- カスタムで化ける可能性を秘めたベース機としての魅力
- 実際のアジング釣行で証明された実釣性能
- まとめ:ゼノンでアジングを楽しむために知っておくべきこと
3年以上の長期使用で見えてきた耐久性の真実
ゼノンの真価は、長期間使用してこそ見えてきます。発売から3年以上が経過し、初期から使い続けているアングラーからのレポートが集まってきました。これらの情報は、購入を検討する上で非常に参考になります。
実際に3年アジングやメバリング、トラウトやバスなどに使用したZENON1000Sの巻き心地について、初期性能と変わっていないという結論が出ています。細かい傷はついているものの、使用感に関してはほぼ変わっていないとのことです。
📊 3年使用後の状態評価
評価項目 | 初期 | 3年後 | 変化度 |
---|---|---|---|
巻き心地 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 変化なし |
ドラグ性能 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 変化なし |
外観 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | 傷あり |
内部機構 | ★★★★★ | ★★★★★ | 無傷 |
開発者という立場なので、リールやロッドの扱い方をあえて意図的にラフに使うようにしており、過酷なフィールドテストを前提として、ラフに扱っても壊れない、折れない、快適に使い続けられるかという点を確認してきたそうです。
この過酷なテストに耐えたという事実は、ゼノンの耐久性を証明する重要な証拠と言えるでしょう。ただし、使用後の水洗い、オイルの注入などのライトメンテナンスは実施されており、完全なノーメンテナンスではない点には注意が必要です。
これまで正直、アブガルシアのスピニングの性能は他社に遅れをとっており、1年、2年と使用して、ハンドルの回転が悪くなったり、オーバーホールが必要だったり、開発陣の頭を悩ませていたという過去がありました。
しかし、その苦労から短所をゼロから見直したリール開発者が、心血注いで構造から部品、素材に至るまで驚異的なスピードで改善を繰り返してきた結果、ゼノンは軽いだけじゃない、「強度」「剛性感」「耐久性」も備えたリールとして完成したのです。
⚠️ 耐久性に関する注意点
- ライトゲーム用途での評価であり、ハードなジギングには未知数
- 毎日出船するような船長クラスの使用頻度では劣化の声もある
- 定期的なメンテナンスは必須
- 個体差による当たり外れは存在する
番手によっても耐久性の評価は変わります。2500番、3000番、4000番のゼノンも2年以上使用してきたが、軽いメンテナンスは必要だったものの、今なお致命的な不良はなしという報告がある一方で、サワラキャスティングなど超高速回転が必要とされる過酷な使い方では、やや不安が残るという意見もあります。
購入直後に必須のメンテナンスと調整ポイント
ゼノンを購入した際、多くのユーザーが直面するのが「箱出しの状態では必ずしもベストではない」という現実です。国内メーカーのリールと比較すると、初期状態での完成度にバラつきがあるのは否めません。
購入直後にハンドルをつけて回してみると、巻きがちょっと重く感じ、ハンドルが一部で引っかかり、リトリーブするとシュルシュル音が結構な音量で鳴るという報告があります。これは明らかにハズレ個体の特徴ですが、ある程度の調整は覚悟しておく必要があるでしょう。
🔧 購入直後の確認項目
チェック項目 | 確認方法 | 問題があった場合の対処 |
---|---|---|
巻きの重さ | ハンドルを回す | グリスの量調整 |
ガタつき | ローターを手で揺する | ワンウェイクラッチ調整 |
異音 | リトリーブ時の音を聞く | ベアリング交換・グリスアップ |
ベールの固さ | ベールを開閉する | バネ調整(難易度高) |
買ってきたまま(ノーマル)だと、正直同価格帯軽量コンセプトのシマノ・ヴァンフォやダイワ・ルビアスの方が良いという厳しい意見もあります。以下のような調整が必要になる可能性があります:
✅ 一般的な調整ポイント
- 国産ステンレスベアリングへの交換
- 純正グリスの除去とオイル添加
- メインギア間隙調整
- カーボンドラグワッシャーをフェルトワッシャーに交換
- ワンウェイクラッチの間隙調整
ボディ後方のカバーを外すと、メインギア等にたっぷりと盛られた大量のグリスが見え、巻きが重いのは明らかにこれが原因だったというケースもあります。パーツクリーナーで洗浄し、適切な量のグリスやオイルを塗布し直すことで、劇的に改善することがあります。
ただし、このリールは自分でカスタムしない(できない)人にはオススメしません。逆に、カスタムする人(変態)には手を入れればその分答えて化けてくれる楽しいリールという指摘もあります。
⚠️ 調整に関する重要な注意
ゼノンは分解が非常に簡単なリールで、2mm六角レンチと10mmメガネレンチ、プラスドライバーがあれば分解できます。しかし、リールの分解や改造は完全に自己責任です。保証が効かなくなるリスクも考慮し、自信がない場合は専門店に依頼することをお勧めします。
ドラグ性能とクイックドラグシステムの実力
アジングにおいてドラグ性能は極めて重要です。細いラインを使用するため、ドラグの滑り出しの良さや調整幅が釣果に直結します。ゼノンのドラグ性能については、予想以上に高評価が集まっています。
使う前に一番心配していたのがドラグ性能だったが、真逆な結果で驚かされ、ドラグ性能はかなり高いという報告があります。ドラグの滑り方はシマノに近く、溜め込む感じではなく、魚の動きに対してリニアに滑ってくれるテイストだそうです。
🎣 ゼノンのドラグ特性
特性 | 詳細 | アジングへの適性 |
---|---|---|
滑り出し | リニアで段付きが少ない | ★★★★★ |
調整幅 | クイックドラグで狭め | ★★★☆☆ |
安定性 | 滑り始めと滑走の差が小さい | ★★★★☆ |
微調整 | ノブの回転量が少なくて済む | ★★★★★ |
滑り始めと滑ってからのアンバランス感もなく、実釣では0.8号(3lb)のリーダーで20cm後半サイズの大型メバルも難なくキャッチできたという実績があります。
特に注目すべきは、クイックドラグシステムの実用性です。少ないドラグノブの回転で、ドラグ値を一気に変えられるシステムはとても便利だとされています。
フロートリグなど、仕掛けの特性上ラインの軌道が屈折しやすい釣りでは、フッキング時にドラグを締め込み、ヒット後は瞬時にドラグを緩めるという操作が必要になります。この時、少ない回転でドラグ値を大きく変えられるクイックドラグは、ファイト中のバタバタを減らし、無駄なバラシを防ぐ効果があります。
ただし、クイックドラグには注意点もあります。ドラグ調整が微妙で、ドッカン仕様で調整幅がないという指摘や、調整がかなりシビアで、黒鯛を浮かせた後に軽く締め込んだらラインを切られてしまったという体験談もあります。
⚠️ クイックドラグ使用時の注意点
- 調整幅が狭いため、繊細な調整が難しい
- 締め込みすぎに注意が必要
- 使い込むうちに変わる可能性がある
- ライトゲーム用途では締め込む必要は少ない
ドラグの出だしが良くて気持ちいいという評価がある一方で、ヴァンフォードと比べると音は低めだが、使っているとそんなに違和感はないという意見もあります。総合的には、アジングに十分対応できるドラグ性能を備えていると評価できるでしょう。
ライントラブルを防ぐための具体的な対策方法
ゼノンの「炎上騒動」の原因となったライントラブル問題。実際のところ、適切な使用方法とラインマネジメントを心がければ、トラブルは最小限に抑えられます。ここでは具体的な対策方法を紹介します。
ライントラブルの有無・頻度をチェックするために、あえて使い古した3年物のPE0.5号を巻いてみたが、3日間の実釣期間でトラブルはゼロだったという報告があります。これは正しい対策を講じれば問題を回避できることを示しています。
📋 ライントラブル予防の基本
対策項目 | 具体的な方法 | 効果 |
---|---|---|
フェザリング | キャスト時に指でラインを押さえる | ★★★★★ |
ヨレ取り | 定期的にラインのヨレを解消 | ★★★★☆ |
テンション管理 | 常に適度なテンションを保つ | ★★★★☆ |
ライン選択 | トラブルレスなラインを選ぶ | ★★★☆☆ |
使ってたアーマードProはヨレが出やすいラインなので少し気をつけていたが、ちゃんとフェザリングやらヨレを取るようにしていれば、オートリターン機能を使ったとしてもラインが下に落ちるような気配はなかったとのことです。
ベールの開き角度も、トラブル防止に一役買っているようです。ベールの開き角度がかなり小さく、これはスプールから放出したラインをベールアームに当てることで、ループの大きさを調整することを意図していると推測されます。
✅ 実践的なトラブル回避テクニック
- キャスト時
- フェザリングを必ず行う
- 着水前にラインをしっかり押さえる
- 風の強い日は特に注意
- リトリーブ時
- 常にラインにテンションをかける
- スラックを作らない
- 定期的にヨレをチェック
- メンテナンス
- ラインローラーの回転を確認
- ベールアームの歪みをチェック
- スプールエッジの傷を点検
- ライン選択
- PE0.2〜0.5号を基本とする
- エステルは0.2号程度
- フロロは1.5〜2lb程度
アジングでZENONを検討している方、バス界隈でフロロラインが落ちてスプールに引っかかる的な話題が賑やかだったが、エステル0.2号で使っててそのトラブルは今のところ発生してませんという報告もあり、ライトゲームの細糸では比較的トラブルが少ないようです。
夜間の釣行でも、暗く、揺れるプレジャーボートの上で3〜4時間釣りをして、一度もトラブルが起きず、ちゃんとフェザリングやらヨレを取るようにしていれば、オートリターン機能を使ったとしてもラインが下に落ちるような気配はなかったという実績があります。
カスタムで化ける可能性を秘めたベース機としての魅力
ゼノンの面白さは、カスタムのベース機として優れているという点にもあります。分解が容易で、パーツの入手もしやすく、チューニング次第で大きく性能が変わる可能性を秘めています。
実釣中にも何となく伸びしろがあるような気がして、もう少しグリスを減らしたら、とか、オイルに変えたら、なんてことを考えさせられた。根拠はないが、ちょっと触るだけで大化けするような可能性も感じるという評価があります。
🔧 人気のカスタムパーツ
パーツ名 | 効果 | 難易度 |
---|---|---|
IOSラインローラー | トラブル軽減 | ★☆☆☆☆ |
ダイワ製ハンドル | 操作性向上 | ★★☆☆☆ |
フェルトドラグワッシャー | ドラグ性能向上 | ★★★☆☆ |
高性能ベアリング | 巻き心地向上 | ★★★★☆ |
driveさんからダイワのハンドルがまるっと取り付け出来るアダプターが販売されており、ZENONにもバッチリ取り付けできたという情報もあります。ハンドル交換だけでも、操作感が大きく変わる可能性があります。
カスタムの基本は、まずグリスやオイルの調整から始めるのが良いでしょう。巻きが重い場合は国産ステンレスベアリングに交換し、場所によってはシールドオープン化、純正グリス除去してオイル添加、メインギア間隙調整を行うという手順が推奨されます。
🎨 カスタムの段階別アプローチ
レベル1:初級カスタム
- グリスの量調整
- オイルへの変更
- ラインローラー交換
レベル2:中級カスタム
- ベアリング交換
- ハンドル交換
- ドラグワッシャー交換
レベル3:上級カスタム
- メインギア調整
- ワンウェイクラッチ調整
- 全バラシメンテナンス
ベイトリールもそうだけど、海で使うリールは自分でメンテできるようになっとくとメーカーオーバーホール代が浮くので、ZENONを買ってチャレンジしてみるのも良い。かなり簡単に分解できたという意見もあります。
ゼノンは構造がシンプルで、国内メーカーのように特殊な工具を必要としません。リールの構造を学ぶ教材としても優れており、メンテナンススキルを磨きたい方にとっては絶好の機会となるでしょう。
ただし、ボディーのメッキ風塗装が、よく手の触れる部分とロッドのリールシートに接触している部分で剥がれてきた(ぶつけたりせず通常使用で)という報告もあり、ハイエンドとしては塗装の耐久性に課題があるようです。また、リールフットが他社に比べて肉厚なため、ネジ山の短いアジングロッドには取り付けできない場合もあるので注意が必要です。
実際のアジング釣行で証明された実釣性能
理論やスペックだけでなく、実際の釣行での性能こそが最も重要です。ゼノンを実際にアジングで使用したアングラーからは、多くのポジティブなレポートが寄せられています。
夕まずめから怒涛のラッシュがあり、なんと3本に1本が尺アジという高確率で、地元兵庫県ではあまりない爆釣劇だったという釣果報告があります。使用タックルは、エラディケーター リアルフィネス76LT、ゼノン1000S、ナノフィルカラード0.5号という組み合わせです。
🎣 実釣での評価ポイント
評価項目 | 詳細 | 満足度 |
---|---|---|
感度 | アタリの取りやすさ | ★★★★★ |
操作性 | ジグ単の操作感 | ★★★★★ |
パワー | 大型への対応力 | ★★★★☆ |
疲労軽減 | 長時間使用の快適性 | ★★★★★ |
トラブル | ライントラブルの少なさ | ★★★★☆ |
27cmまでのメバルを数多くキャッチでき、6ft6inのアジングロッドに装着している状態で、2500番の割にややコンパクトかつ超軽量なため、こういった短めのライトゲームロッドでもすんなり収まってくれるという報告もあります。
リアルフィネス510のような繊細なロッドと組み合わせても、このサイズの魚を問題なく取り込めるというのは、軽量性と剛性感のバランスが優れている証拠でしょう。
📊 各種リグでの使用感
ジグ単(1.5〜2.0g)
- 操作性:抜群の軽さで繊細な操作が可能
- 感度:ボトムの変化も明確に感じ取れる
- 飛距離:軽量ゆえに十分な飛距離を確保
フロートリグ
- 引き抵抗が大きなフロートリグでも潮の抵抗、その変化をしっかりと感じ取れた
- 高感度が活きるシチュエーション
- ドラグ性能の良さも光る
ミノー・プラグ
- 43mmのリップレスミノーの超低速巻きでもしっかりと潮の抵抗を感じ取れた
- ロートルクが生む高い巻き感度
- プラグの動きを手元で感じられる
掛けた魚はカサゴ、アジ、サバ、黒鯛(30cmくらい、いわゆるカイズ)で、ドラグは思ってた以上に出だしが良くて気持ちいいという多魚種への対応力も確認されています。
エギングロッドに合わせても違和感がなく、3.5号ディープタイプのエギをシャクッたり、沖でヒットした大型メバルに対してアワセを入れたりしても、かなりボディとローターが硬い印象を受けたとのことです。
夜間の釣行でも、夜でこれなら、昼の明るい時間なら尚更トラブルなんて起きるわけがないと評価されており、実用性の高さが証明されています。
まとめ:ゼノンでアジングを楽しむために知っておくべきこと
最後に記事のポイントをまとめます。
- ゼノンは1000番で142g、2000番で145gという業界最軽量クラスのスピニングリール
- 2021年の発売直後、ライントラブル動画の拡散により炎上騒動が発生したが、実際は使用方法と個体差の問題
- アジングには1000S(ジグ単専用)、2000S(汎用型)、2000SH(重めリグ用)が適している
- 実売3万円台で、5万円前後の国産ハイエンドより1.5万円以上安くコスパに優れる
- 初動の軽さと高感度が特徴で、ややロートルクだが剛性感は十分
- 3年以上の長期使用でも巻き心地はほぼ変わらず、耐久性は証明されている
- 購入直後は調整が必要な場合があり、グリス量やベアリング交換で性能が向上する
- ドラグ性能は予想以上に高く、クイックドラグシステムは実用的
- 適切なラインマネジメント(フェザリング・ヨレ取り)でライントラブルは回避可能
- 分解が容易でカスタムのベース機として優れ、チューニングで大化けする可能性がある
- 実釣での評価は高く、尺アジや大型メバルの実績も多数報告されている
- 個体差があるため、可能であれば実店舗で実機を確認してから購入すべき
- 初心者やメンテナンスに自信がない方は、国内メーカーの中堅モデルも検討の余地あり
- 塗装の耐久性やリールフットの厚みなど、細かい部分に課題も残る
- 「噂だけで悪評を付けられた」という意見も多く、実際の性能は高く評価されている
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- #アブガルシア #ZENON を #ライトゲーム で導入しようとしてる人に率直なインプレ
- 【リアルインプレッション】ZENON(ゼノン・スピニング)を3年以上みっちり使った結果
- 【業界最軽量】アブの新作リール「ゼノン」をアジング目線で考察!
- AbuGarcia 21ゼノン 1000Sの最安値・インプレ・釣果
- アブガルシアのゼノンを実釣インプレ。アンダー150gの軽さと唯一無二の個性が光る
- 道具のこと:アブガルシア ゼノン2000S
- 超軽量アジングロッドはこれ!最軽量リール ゼノン実釣インプレ
- ゼノンで怒涛の尺アジ連発!リアルフィネスとアジング満喫♪
- 【ゼノン】ZENON1000S購入 ライトゲームに最強リールはどれ?
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