アジングで使用するタングステンジグヘッドは、市販品だと1個100円を超えることも珍しくありません。消耗品として使うには少し高いと感じている方も多いのではないでしょうか。実は、タングステンビーズとフックを組み合わせることで、誰でも簡単に自作できます。しかも材料費は1個あたり35円~80円程度と、市販品の半額以下で作れてしまいます。
この記事では、アジング用タングステンジグヘッドの自作方法について、インターネット上の様々な情報を収集・分析し、UVレジンを使った方法からハンダ付けまで、複数の製作テクニックを網羅的に解説します。初心者でも失敗しないコツや、コストパフォーマンスを最大化する材料選び、さらにはフック交換による再利用方法まで、実践的な情報をお届けします。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ タングステンジグヘッドを1個35円~80円で自作する具体的な方法 |
| ✓ UVレジンとハンダ付けの2つの製作方法の違いと選び方 |
| ✓ タングステンビーズとフックの選び方・組み合わせ方 |
| ✓ フック交換による再利用でさらにコストを抑えるテクニック |
アジングで使うタングステンジグヘッドを自作するメリットと基礎知識
- 自作タングステンジグヘッドは市販品の半額以下で作れる
- タングステンビーズの選び方はサイズと重量で決まる
- フック選びはレンジクロスフックが人気の理由
- UVレジン接着とハンダ付けの違いを比較
- 自作ジグヘッドの耐久性は3年以上使える実績あり
- フック交換で再利用可能な点が最大のメリット
自作タングステンジグヘッドは市販品の半額以下で作れる
市販のタングステンジグヘッドは1個100円超えが当たり前の状況です。例えば、ダイワの月下美人アジングジグヘッドTGは3個入りで400円近くするため、1個あたり約133円という計算になります。アジングでは根掛かりや針先の劣化で頻繁にジグヘッドを交換する必要があるため、この価格帯は決して安いとは言えません。
一方、自作する場合のコストを詳しく見てみましょう。タングステンビーズは20個入りで700円~800円程度、レンジクロスフックは10本入りで300円~330円程度で購入できます。UVレジンは100円ショップのもので十分対応可能です。これらを組み合わせると、1個あたり約35円~80円で製作できる計算になります。
📊 コスト比較表
| 項目 | 市販品 | 自作品 |
|---|---|---|
| ダイワTGジグヘッド | 約133円/個 | – |
| レンジクロスヘッド | 約80円/個 | – |
| 自作(1.5g、レンジクロスフック使用) | – | 約72円/個 |
| 自作(0.9~1g、100個まとめ買い) | – | 約35円~60円/個 |
さらに注目すべきは、タングステンビーズはフックを交換することで何度も再利用できるという点です。市販の鉛製ジグヘッドは針先が鈍ったら丸ごと廃棄するしかありませんが、自作タングステンジグヘッドならフックだけ交換すればOK。長期的に見れば、市販品の1/3以下のコストで運用できる可能性もあります。
自作品1個単価は¥58.3でした。思ってたより安くはありませんでしたが市販の鉛製ジグヘッドの平均的な価格(アジスタなど)よりは約¥100程度安価でした。 出典: 【アジング】タングステンジグヘッドを自作してみた!【ジグ単】
タングステンビーズの選び方はサイズと重量で決まる
タングステンビーズ選びは自作ジグヘッドの仕上がりを左右する最も重要な要素です。主に注目すべきポイントは「サイズ」と「形状」、そして「カラー」の3点になります。
サイズと重量の関係を理解することが第一歩です。タングステンビーズは直径によって重量が決まっており、一般的に以下のような対応関係になっています:
🔷 タングステンビーズのサイズと重量対応表
| サイズ(mm) | 重量(g) | 主な用途 |
|---|---|---|
| 2.0 | 0.05 | 超軽量ジグ単 |
| 2.3 | 0.11 | 豆アジング |
| 2.8 | 0.20 | 軽量ジグ単 |
| 3.3 | 0.31 | 軽量ジグ単 |
| 3.8 | 0.47 | キャロ・フロート用 |
| 4.6 | 0.72 | 標準ジグ単 |
| 5.1 | 0.96 | 標準ジグ単 |
| 5.6 | 1.30 | ジグ単メイン |
| 6.4 | 1.93 | 重量級ジグ単 |
| 7.1 | 2.58 | 深場・潮流対策 |
| 8.0 | 3.81 | ディープエリア |
ただし、完成品の重量はフックとUVレジンの分だけ重くなります。一般的には+0.1g~0.2g程度の増加を見込んでおく必要があります。例えば、0.9gのジグヘッドを作りたい場合は0.72g(4.6mm)のビーズを選ぶ、といった具合です。
形状については**ラウンド型(丸型)とクリフカット型(多面体)**の2種類が主流です。ラウンド型は最も一般的でバランスが取りやすく、クリフカット型は多面体のカット面が光を反射してアピール力が高いとされています。ただし、カラーについては数釣行で塗装が剥げてしまうため、実釣での差はほとんどないという意見が多数を占めています。
購入時の重要なポイントとして、必ず「縦スリットタイプ」を選ぶことが挙げられます。横穴タイプではフックの固定が困難になるため、自作には向きません。Amazonやヤフーショッピング、楽天市場などで「タングステンビーズ スリット型」と検索すれば、20個~100個入りの製品が見つかります。
フック選びはレンジクロスフックが人気の理由
自作タングステンジグヘッドにおいて、フック選びは釣果を左右する最重要パーツと言っても過言ではありません。数あるフックの中でも、土肥富の「レンジクロスフック」が自作アングラーの間で圧倒的な支持を得ています。
レンジクロスフックが選ばれる理由は明確です。まず超シャープな針先が挙げられます。かすかなバイトでも高確率でフッキングできる針先の鋭さは、アジングにおいて絶対的なアドバンテージとなります。実際、多くのアングラーが「爪に当てるとメッチャ引っ掛かる」と表現するほどの刺さりの良さを誇ります。
次にオープンゲイプ設計です。魚の喉奥にフッキングしやすい角度に設計されており、バラシを極限まで減らすことができます。さらに「LARGE EYE」と呼ばれる大きなラインアイが、様々な場面で効率的な操作を可能にします。
📋 人気フックの特徴比較
| フック名 | 特徴 | 価格(10本入り) | 推奨サイズ |
|---|---|---|---|
| レンジクロスフック | 超シャープ、オープンゲイプ、フッ素加工 | 約300~330円 | S(20cm未満)、M(20cm以上) |
| ジャックアッパージグフック | バランス重視 | 約320円 | #6~#8 |
| 鯵刺フック(ミザール) | 防錆性能高、針先鋭い | やや高価 | M、L |
| Maruto Jig Hook 67 | コスパ良好 | 比較的安価 | アジゴサイズ向け |
レンジクロスフックMを一回り小さくした感じで線径は同じで刺さり具合は似た傾向があります。安いです。 出典: 自作タングステンジグヘッド いろいろ
フッ素加工が施されているレンジクロスフックは、刺さりの良さに加えて錆びにくさも兼ね備えています。海水での使用後も適切に手入れすれば長期間使用可能です。サイズ展開も豊富で、20cm未満のアジを狙うならSサイズ、20cm以上の良型狙いならMサイズ、さらに大型用にはGIGAサイズ(開発中との情報もあり)が用意されています。
コストパフォーマンスを重視するなら、Marutのジグヘッドフックや、ミザールの鯵刺フックも選択肢に入ります。特に鯵刺フックは防錆コーティングの品質が高く、「錆びることはほぼ無い」と評価されています。ターゲットサイズや釣り場の条件に応じて使い分けると良いでしょう。
UVレジン接着とハンダ付けの違いを比較
タングステンビーズとフックを固定する方法は、大きく分けてUVレジン接着とハンダ付けの2つがあります。それぞれにメリット・デメリットがあり、作業環境や求める仕上がりによって選択が変わってきます。
UVレジン接着の最大のメリットは安全性と手軽さです。火を使わないため火傷の心配がなく、UVライトを当てるまで固まらないので位置調整が容易です。作業時間も1個あたり2~3分程度と非常に短く、大量生産にも向いています。100円ショップのUVレジンでも十分機能するため、初期投資も抑えられます。
一方で、ハンダ付けは強度面で優位性があります。金属同士を溶融接合するため、物理的な衝撃に強く、長期使用でも剥がれにくいとされています。ただし、ハンダゴテの扱いに慣れが必要で、高温になるため火傷のリスクがあります。また、黒いタングステンビーズはコーティングの関係でハンダを弾いてしまうケースがあるようです。
⚖️ 接着方法の比較マトリックス
| 評価項目 | UVレジン | ハンダ付け |
|---|---|---|
| 作業難易度 | ★★★★★(簡単) | ★★☆☆☆(やや難) |
| 安全性 | ★★★★★(高) | ★★☆☆☆(低) |
| 強度 | ★★★☆☆(中) | ★★★★★(高) |
| 作業時間 | 2~3分/個 | 5分前後/個 |
| 初期コスト | 低(100円~) | 中(ハンダゴテ必要) |
| 位置調整 | 容易 | やや困難 |
| 再利用時 | ライターで炙る | ライターで炙る |
UVレジンを使用する場合、「ズルイんデスUV」や「直すんデスUV」といった専用製品を使うとより強度が高まります。これらはもともとライン結束用の製品ですが、5秒程度のUV照射で仮固定が可能で、本固定も30秒程度で完了します。ジャンプライズから発売されているこれらの製品は、一般的なUVレジンよりも粘度が最適化されており、スリットへの充填がスムーズです。
ズルイんデスUVではなく最近は”直すんデス UV!!”を使っています。こちらの方が強度が高くてシッカリとTGビーズとフックを固定できます。 出典: 【DIY】簡単タングステンジグヘッド自作法
初心者にはUVレジンから始めることを強くおすすめします。失敗のリスクが低く、万が一位置がずれても固まる前なら何度でもやり直せます。ハンダ付けは強度を求める上級者や、より長期的な耐久性を重視する方向けと言えるでしょう。
自作ジグヘッドの耐久性は3年以上使える実績あり
自作タングステンジグヘッドの耐久性について、「市販品より劣るのでは?」という不安を持つ方も多いでしょう。しかし、実際の使用レポートを見ると、適切に製作されたものは3年以上問題なく使用できているという報告が複数あります。
耐久性に関しては、ここ3年程使用してますが、ほぼUVレジンよりフックが先に逝ってしまうので硬化不良さえ注意すれば、特に問題ないですね。 出典: タングステンジグヘッド製作
この証言から分かるように、問題の大半はフックの劣化であり、接着部分の剥離ではないということです。つまり、UVレジンやハンダでの固定がしっかりできていれば、ビーズとフックの結合部が壊れることは稀だと言えます。
耐久性を左右する要因をいくつか挙げてみましょう:
✅ 耐久性を高めるポイント
- UVライトの照射時間を十分に取る(30秒以上推奨)
- レジンをスリット奥までしっかり充填する
- 多方向からUVライトを当てて硬化ムラをなくす
- フックとビーズの位置を正確に合わせる
- 使用後は真水で洗浄し塩分を除去する
タングステン自体の特性も耐久性に大きく貢献しています。タングステンはダイヤモンドに次ぐ硬度を持ち、融点は3422度と非常に高い金属です。対腐食性にも優れているため、海水での使用でも錆びることがほとんどありません。鉛のように水に溶け出すこともないため、環境面でも優れています。
一方、気をつけるべき点として、初期の硬化不良があります。UVレジンの場合、レジンが厚い部分まで十分にUVライトが届かないと、表面だけ固まって内部が柔らかいままというケースがあります。これを防ぐには、ビーズを回転させながら様々な角度からUVライトを当てることが重要です。回転台があると作業が楽になるでしょう。
実釣での使用感についても、市販品との差はほとんど感じられないという意見が大半です。ラウンド形状で癖がなく、タングステンジグヘッドとしての特徴である感度の良さやラインテンションの張りやすさもしっかりと再現できています。
フック交換で再利用可能な点が最大のメリット
自作タングステンジグヘッドの真のコストパフォーマンスは、フック交換による再利用で発揮されます。市販の鉛製ジグヘッドは針先が鈍ったら丸ごと廃棄するしかありませんが、タングステンビーズは何度でも使い回せるのです。
フック交換の具体的な手順は驚くほどシンプルです:
🔄 フック交換の基本ステップ
- ペンチでタングステンビーズを挟む
- ライターで炙る(UVレジンが燃えるので換気必須)
- しばらく放置して冷ます(非常に熱くなるため注意)
- 残ったレジン/ハンダをピンセットなどで除去
- 新しいフックで再度製作
UVレジンはライターで炙るとフックを外して交換出来るのでタングステンは再利用してコスト削減することが可能です。針先が駄目になっても交換可能な点が良いですね! 出典: 【アジング】タングステンジグヘッドを自作してみた!
この再利用システムにより、タングステンビーズの初期投資は実質的に半永久的な資産となります。仮に5.6mmのタングステンビーズを20個購入したとして、それぞれを3回再利用すれば、実質60個のジグヘッドを作ったことになります。フック代だけで運用できるため、長期的には1個あたり30円程度までコストを下げることも可能でしょう。
環境負荷の軽減という観点でも大きな意義があります。鉛は水に溶け出して海水を汚染し、それが生物濃縮を通じて最終的に人間の体内にも蓄積されます。一方、タングステンは対腐食性が高く、環境への影響が少ない金属です。さらに、失くさない限り何度も使えるということは、海に残されるゴミを削減することにもつながります。
針先のチェックは爪に当てて引っかかるかどうかで判断できます。新品のフックを爪の表面に当てると、かなりの抵抗を感じて引っ掛かります。この感覚がなくなったら、たとえまだ使えそうに見えてもフック交換のタイミングです。アジングでは繊細なアタリを確実にフッキングに持ち込むことが釣果を左右するため、針先の鋭さは妥協できないポイントなのです。
根掛かりからの回収を前提にライン強度を見直すことも重要です。極細のPE0.1号やエステル0.2号を使っている方もいますが、再利用を考えるならPE0.3号以上の強度がおすすめです。ジグヘッドを回収できれば、フック交換だけで再び使えるようになるからです。
アジング用タングステンジグヘッドの具体的な自作手順と応用テクニック
- UVレジンを使った自作方法は3分で完成する
- ハンダ付けによる自作は強度が高いが要注意
- タングステンビーズとフックの位置合わせがコツ
- 自作ジグヘッドの重量調整は±0.1gで可能
- グローパウダー混入などカスタマイズの幅が広い
- フック交換方法はライターで炙るだけ
- まとめ:アジング用タングステンジグヘッドの自作は低コストで高品質
UVレジンを使った自作方法は3分で完成する
UVレジンを使った自作方法は、初心者でも失敗が少なく、1個あたり2~3分で完成する最も手軽な製作方法です。ここでは具体的な手順を詳しく解説します。
必要な道具と材料をまず揃えましょう:
🛠️ 必要なもの一覧
| カテゴリ | アイテム | 備考 |
|---|---|---|
| 材料 | タングステンビーズ(縦スリット型) | サイズは用途に応じて |
| 材料 | フック(レンジクロスフックなど) | 10本入り300円程度 |
| 材料 | UVレジン | 100円ショップ製でOK |
| 道具 | UVライト | ネイル用が便利 |
| 道具 | つまようじ | レジン注入用 |
| 道具 | 割り箸または固定台 | フック固定用(あると便利) |
製作手順のステップバイステップは以下の通りです:
【ステップ1】フックをビーズに通す タングステンビーズには小さな丸穴とスリットがあります。丸穴側からフックの針先を通し、スリット側に抜きます。このとき、ラインアイが丸穴側に来るようにするのが一般的です。逆向きでも製作は可能ですが、ラインアイとビーズの角度調整が難しくなります。
【ステップ2】仮止めする つまようじの先端に少量のUVレジンを付け、ビーズとフックの接合部に塗布します。位置を調整したら、UVライトを5~10秒照射して仮固定します。この段階では完全に固める必要はありません。フックを持ち上げてもビーズがずれなければOKです。
割り箸の溝にフックとアイを挟み込み固定しておくとレジンの注入がやり易かったです。 出典: 【アジング】タングステンジグヘッドを自作してみた!
【ステップ3】本固定する スリット全体にUVレジンを充填します。縦スリットに適量流し込み、ビーズを左右にスライドさせて奥までレジンを馴染ませます。溢れない程度にツライチ(表面と平ら)になるように注入するのがコツです。その後、UVライトを30秒~2分程度照射します。
【ステップ4】硬化確認 多方向からUVライトを当てて、硬化ムラがないか確認します。レジンに厚みがある部分は光が届きにくいため、ビーズを回転させながら照射すると確実です。回転台があれば置きっぱなしで硬化できるため作業が効率化します。
位置調整のポイントとして、フックがビーズのスリット中心に来るようにすることが重要です。ラインを通して吊るしてみて、センターバランスが取れて並行を保っていれば成功です。多少のずれは釣果に影響しないという意見もありますが、見た目の美しさと飛行姿勢の安定性を考えると、できるだけ正確に位置合わせした方が良いでしょう。
大量生産のコツとしては、複数個を同時進行で作ることです。1個の仮止めが終わったら次の個体の準備をし、最初の個体が完全硬化する間に2個目、3個目と作業を進めます。慣れてくると1時間で15~20個程度は製作可能になります。
ハンダ付けによる自作は強度が高いが要注意
ハンダ付けによる製作方法は、UVレジンよりも高い強度が得られる反面、作業には一定の技術と注意が必要です。火を扱うため安全面での配慮も欠かせません。
ハンダ付けに必要な追加道具は以下の通りです:
⚙️ ハンダ付け用道具リスト
- ハンダゴテ(温度調節機能付きが望ましい)
- ハンダ(0.8mm径の細いタイプ)
- ペンチ(ヒートシンク代わりにも使用)
- ニッパー(ハンダのカット用)
- フラックス(必要に応じて)
- 耐熱性の作業台
ハンダ付けの具体的手順を見ていきましょう:
まず、タングステンビーズにフックを通します。この段階まではUVレジン方式と同じです。次に、適当な長さにカットしたハンダをスリット部から丸穴に通します。丸穴には既にフックが通っているため、少し強めに押し込む感じになります。シャンク部に少しハンダが見えるくらいまで通せればOKです。
ここからがハンダ付け特有の工程です。余っているハンダをスリット部に押し込んで仮固定していきます。ハンダを上に曲げてピンセットの先でスリット奥にギュッと押し込み、次は下に曲げて同様に押し込む、という作業を繰り返します。ジグザグ状にハンダをスリット内に収めていくイメージです。
ハンダを上に曲げて、ピンセットの先などでスリット奥にギュッと押し込む。今度はハンダを下に曲げて、スリット奥にギュッと押し込む。 出典: アジング用タングステンジグヘッドの作り方
仮止めができたら、ペンチでビーズを挟みながらハンダゴテで加熱します。タングステンビーズ自体をハンダゴテで熱し、ハンダを溶かして馴染ませるのがコツです。直接ハンダにコテを当てるよりも、ビーズ全体を温めることで均一に溶融します。
スリット側のハンダが溶けて固定できたら、シャンク部(丸穴側)に飛び出しているハンダも処理します。こちらもハンダゴテで溶かして丸穴に馴染ませ、スムーズな仕上がりにします。
⚠️ ハンダ付け時の注意点
- 作業中は必ずペンチで保持し、素手で触らない
- タングステンビーズは非常に高温になり、使用後もしばらく熱を持つ
- 換気を十分に行う(ハンダの煙は有害)
- 火傷に十分注意する
- 黒いタングステンビーズはハンダを弾く場合がある
- フラックスを使う場合はゴム手袋必須、完成後は水洗い必須
フラックスの使用については賛否両論あります。フラックスを塗ることでハンダの馴染みが格段に良くなりますが、取り扱いには注意が必要です。素肌に付かないようゴム手袋を着用し、完成後は必ず水洗いしましょう。ホームセンターで400円程度で購入できます。
ハンダ付けの最大のメリットは強度の高さです。金属同士が溶融接合されるため、物理的な衝撃に強く、長期使用でも接合部が緩むことがほとんどありません。テトラ帯でハードに使う方や、大型アジを狙う方には特におすすめです。
タングステンビーズとフックの位置合わせがコツ
自作タングステンジグヘッドの仕上がりを大きく左右するのが、ビーズとフックの位置合わせです。センターバランスが取れていないと、水中での姿勢が不安定になり、本来のアクションが出せなくなる可能性があります。
理想的な位置関係は、フックがタングステンビーズのスリット中心に来ている状態です。具体的には、ラインアイを上にして吊るした時に、ジグヘッドが水平を保つのがベストです。若干フック側が下がる程度であれば許容範囲ですが、大きく傾くようであれば調整が必要です。
📐 位置合わせの確認方法
| チェック項目 | 確認方法 | 合格基準 |
|---|---|---|
| 水平バランス | ラインを通して吊るす | 水平または微妙にフック側が下がる程度 |
| スリット中心 | 真横から目視 | フックがスリットの中心を通っている |
| ラインアイ角度 | 正面から目視 | ビーズに対して真っ直ぐ |
位置がずれてしまう主な原因は、仮止めの段階で位置が決まっていないことです。UVレジンの場合、仮止め前にしっかりと位置を確認し、固定してから照射することが重要です。指で支えながら微調整し、ベストな位置で静止させてからUVライトを当てましょう。
ハンダ付けの場合は、仮止め用のハンダを押し込む段階で位置が決まってしまうため、より慎重な作業が求められます。ハンダを入れる前に、フックの位置をしっかり確認し、ビーズを動かしてベストポジションを探りましょう。
慣れないうちは、この時点でラインを通してタレ下げた時に水平になるか確認し傾くようであればUVレジンをほじくって最初からやり直し。 出典: タングステンジグヘッド製作
割り箸の溝を利用した固定方法は非常に有効です。割り箸に切り込みを入れてフックのラインアイを挟み込めるようにすると、作業中にビーズが動かず安定します。両手がフリーになるため、レジンの注入やハンダの挿入がスムーズに行えます。
一方で、多少の位置ずれは実釣にはほとんど影響しないという意見もあります。特にアジングのような繊細な釣りでは、ワームのセット方法やアクションの付け方の方が重要で、ジグヘッドのバランスが少しずれていても釣果に差は出にくいようです。
タングステンの位置が少々悪かろうと、釣果に影響はありませんので、そこまで神経質になる必要はないです。 出典: 【DIY】簡単タングステンジグヘッド自作法
とはいえ、美しい仕上がりは作り手の満足度を高めますし、飛行姿勢の安定性にも寄与する可能性があります。最初は位置合わせに苦労するかもしれませんが、慣れてくると自然と正確な位置で固定できるようになるでしょう。10個、20個と作っていく中で、自分なりのコツが掴めてくるはずです。
自作ジグヘッドの重量調整は±0.1gで可能
自作タングステンジグヘッドの大きな利点の一つが、重量を細かく調整できる点です。市販品では0.5g刻みや1g刻みが一般的ですが、自作なら0.1g単位での重量設定も可能になります。
完成品の重量を決める要素は主に3つです:
🔢 重量を構成する要素
- タングステンビーズ本体の重量(最大の要素)
- フックの重量(サイズによって異なる)
- UVレジンまたはハンダの重量(±0.1g程度)
例えば、1.0gのジグヘッドを作りたい場合を考えてみましょう。5.1mmのタングステンビーズは約0.96gです。レンジクロスフックのSサイズは軽量なので、UVレジンを合わせて丁度1.0g前後に仕上がります。0.9gを狙うなら4.6mmのビーズ(0.72g)を使用し、フックとレジンで0.2g程度加わって約0.9gとなります。
実測値の例を見てみると、製作者によって若干のばらつきはありますが、おおむね狙った重量に仕上がっているようです:
📊 完成品の実測重量例
| ビーズサイズ | ビーズ重量 | フック | 完成重量 | 誤差 |
|---|---|---|---|---|
| 4.6mm | 0.72g | レンジクロスS | 0.8~0.9g | ±0.1g |
| 5.1mm | 0.96g | レンジクロスS | 1.0~1.1g | ±0.1g |
| 5.6mm | 1.30g | レンジクロスM | 1.4~1.5g | ±0.1g |
| 6.4mm | 1.93g | レンジクロスM | 2.0~2.1g | ±0.1g |
| 7.1mm | 2.58g | レンジクロスM | 2.6~2.7g | ±0.1g |
UVレジンやハンダの量によって微調整が可能ですが、過度に盛りすぎると見た目が悪くなったり、バランスが崩れたりするため注意が必要です。基本的にはビーズとフックの組み合わせで大まかな重量を決め、接着剤の量は最小限に抑えるのがベストでしょう。
フックサイズによる重量差も意外と大きいです。レンジクロスフックの場合、SSサイズ(豆アジ用)とLサイズ(大型アジ用)では明確な重量差があります。同じタングステンビーズでもフックサイズを変えることで、完成重量を調整できるわけです。
市販品にはない微妙な重量のジグヘッドが作れるのは、実釣面でも有利に働きます。例えば、「1.0gではちょっと軽い、でも1.5gでは重すぎる」というシチュエーションで、1.2gや1.3gのジグヘッドがあれば理想的なレンジキープが可能になるでしょう。
重量管理のために、0.1g単位で計測できるデジタルスケールを用意することをおすすめします。キッチン用の安価なものでも十分ですが、釣り用の精密スケールがあればより正確な管理ができます。製作前にビーズの重量を実測し、完成後も重量チェックを行うことで、徐々に狙った重量に仕上げる技術が向上していきます。
グローパウダー混入などカスタマイズの幅が広い
自作タングステンジグヘッドのもう一つの大きな魅力が、自由なカスタマイズ性です。UVレジンの特性を活かして、市販品にはないオリジナル機能を付加できます。
最も人気のカスタマイズがグローパウダーの混入です。100円ショップでも購入できるグローパウダーをUVレジンに混ぜ込むことで、蓄光機能を持つジグヘッドが作れます。夜釣りやマズメ時、濁りのある状況下で威力を発揮する可能性があります。
100均にグローパウダーも売っているので、これ混ぜても面白いかもですね。 出典: タングステンジグヘッド製作
🎨 カスタマイズのアイデア集
| カスタマイズ内容 | 効果・目的 | 必要なもの |
|---|---|---|
| グローパウダー混入 | 夜釣り・濁り対策 | 蓄光パウダー |
| カラーレジン使用 | ウェイト識別 | 着色UVレジン |
| ラメ・ホログラム混入 | アピール力向上 | ネイル用ラメ |
| ワームキーパー追加 | ワームずれ防止 | 余ったライン |
| フロートストッパー機能 | 飛距離向上 | ビーズ大きめ選択 |
カラーレジンによるウェイト識別は非常に実用的です。例えば、0.8gは透明、1.0gは青、1.5gは赤、2.0gは緑、といった具合にレジンの色を変えておけば、暗い中でも重量が一目で分かります。仲間内でも「UVレジンの色をウェイト毎に変えたりとか工夫をしている人もいます」という報告があります。
ワームキーパーの自作も人気のカスタマイズです。余ったラインで小さなコブを作り、フックのシャンク部に接着剤で固定するだけです。これによりワームのズレが大幅に軽減され、キャスト時やフッキング時のワームのずれを防げます。
余ったラインでワームキーパーを付けてあげるのもありですね。ワームのズレを大きく軽減してあげることができます。 出典: 「月曜日のアヒルちゃん」直伝!ジグヘッドを作ってみよう!
ラメやホログラムフレークを混入することで、フラッシング効果によるアピール力強化も狙えます。特にクリアウォーターでの日中の釣りでは、光の反射がアジの興味を引く可能性があります。ネイルアート用の微細なラメが使いやすいでしょう。
タングステンビーズ自体のカラーバリエーション(ゴールド、シルバー、ブラックなど)と組み合わせることで、無限に近いカスタマイズパターンが生まれます。ただし、タングステンビーズの塗装は2~3釣行で剥げてしまうため、過度な期待は禁物です。
自分だけのオリジナルジグヘッドを作る楽しみは、釣りに出かけられない悪天候の日の良い過ごし方にもなります。あれこれ試行錯誤しながら製作し、次の釣行で実際に使ってみる。この一連の流れ自体がアジングの楽しみの一部と言えるでしょう。
フック交換方法はライターで炙るだけ
針先が鈍ったり、フックが曲がったりした場合のフック交換は驚くほど簡単です。特別な工具は不要で、ライター1つあれば作業が完了します。
フック交換の詳細手順を見ていきましょう:
🔧 フック交換ステップ
【準備】
- ペンチまたは耐熱性のクリップ
- ライター(使い捨てタイプで十分)
- ピンセットまたは千枚通し
- 換気の良い場所
【ステップ1】ビーズを固定して炙る ペンチでタングステンビーズを挟み、ライターで2~3秒炙ります。UVレジンの場合は燃えて火がつくこともあるため、十分な換気が必要です。ハンダの場合は煙が出ます。いずれにしても屋外か、換気扇の下で作業しましょう。
タングステンビーズ再利用する場合は、タングステンビースをライターで2,3秒炙ればフックはずぐ抜けます。 出典: タングステンジグヘッド製作
【ステップ2】フックを抜き取る レジンやハンダが柔らかくなったら、フックをスライドさせて抜き取ります。非常に熱くなっているため、しばらく放置して冷まします。急いで触ると火傷の危険があるため注意が必要です。
【ステップ3】残存物を除去 スリットに残ったレジンやハンダをピンセットや千枚通しでホジって取り除きます。取れにくい場合は、もう一度軽く炙ると取りやすくなります。完全に綺麗にする必要はなく、ある程度除去できれば次の製作に支障はありません。
⚠️ フック交換時の注意事項
- タングステンビーズは非常に高温になる(素手で触らない)
- 火傷に十分注意する
- 換気を必ず行う(UVレジンが燃えると臭いが出る)
- ペンチで挟んで作業する(直接触らない)
- 冷めるまで十分な時間を置く
タングステンの耐熱性は驚異的です。融点が3422度もあるため、ライター程度の熱では変形も劣化もしません。何度でも再利用できる理由がここにあります。一方、鉛は比較的低温で柔らかくなってしまうため、このような再利用は困難です。
フック交換によるコスト削減効果は絶大です。仮に5.6mmのタングステンビーズ(1個約40円)を5回再利用したとすると、実質的な1回あたりのビーズコストは8円です。フック代30円を加えても、1個あたり38円という驚異的な低コストで運用できることになります。
また、市販のタングステンジグヘッドも同様にフック交換可能です。ダイワの月下美人アジングジグヘッドTGなど、ハンダで固定されているものはハンダを溶かして取り外し、レンジクロスフックなどに交換することができます。市販品のヘッド部分だけを流用して、好みのフックと組み合わせるという使い方も面白いでしょう。
ダイワ: 月下美人 アジングジグヘッドTG のヘッドを取り外しレンジクロスフックに交換してみました。 出典: 【アジング】簡単!タングステンジグヘッドの自作方法
まとめ:アジング用タングステンジグヘッドの自作は低コストで高品質
最後に記事のポイントをまとめます。
- タングステンジグヘッドは自作することで1個35円~80円程度と、市販品の半額以下で製作できる
- 必要な材料はタングステンビーズ(縦スリット型)、フック、UVレジンまたはハンダの3点のみ
- UVレジンを使った製作方法は初心者向けで、1個2~3分で完成し火傷の心配もない
- ハンダ付けは強度が高いが、火傷や換気に注意が必要で中級者以上向け
- タングステンビーズのサイズと重量の関係を理解し、完成重量は+0.1g~0.2gを見込む
- レンジクロスフックが自作アングラーに人気で、超シャープな針先とオープンゲイプが特徴
- 3年以上問題なく使用できる耐久性があり、硬化不良を起こさなければ長期使用可能
- フック交換による再利用が最大のメリットで、ライターで炙るだけで簡単に交換できる
- タングステンは融点3422度と高く、対腐食性に優れ環境負荷も少ない金属
- グローパウダー混入やカラーレジンでのウェイト識別など、カスタマイズの幅が広い
- ビーズとフックの位置合わせがコツだが、多少のずれは実釣に影響しない
- 0.1g単位での重量調整が可能で、市販品にない微妙な重さのジグヘッドが作れる
- 市販のタングステンジグヘッドもフック交換して再利用できる
- 100円ショップのUVレジンでも製作可能だが、「ズルイんデスUV」「直すんデスUV」がより強度が高い
- PE0.3号以上の強度のラインを使えば根掛かりから回収しやすく、再利用率が高まる
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 【アジング】タングステンジグヘッドを自作してみた!【ジグ単】 | 茨城フィッシングジャーニー
- タングステンジグヘッド製作 | ちょいとアジング行こ
- 「月曜日のアヒルちゃん」直伝!ジグヘッドを作ってみよう! | アジング専門/アジンガーのたまりば
- 【アジング】簡単!タングステンジグヘッドの自作方法:フック交換方法 – 山陰釣り天国
- 自作タングステンジグヘッド いろいろ | ちょいとアジング行こ
- 『タングステンジグヘッド』の自作方法 材料費はたったの「35円」? | TSURINEWS
- タングステンジグヘッド自作の方法|アジング用ジグヘッドの作り方 : 釣果で証明する釣りの理論
- アジング用タングステンジグヘッドの作り方。自作ジグヘッドのすすめ。 : 某携帯ショップ店員の頭の中
- 【DIY】簡単タングステンジグヘッド自作法|UVレジンで固定するコツと実釣レビュー
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