アジングロッドの自作に興味を持っている方なら、「マグナムクラフト」というブランク(竿の素材部分)メーカーの名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。マグナムクラフトは台湾で高性能なロッドブランクスを開発・製造しており、国内メーカーに劣らない品質と手頃な価格で、多くのロッドビルダーから支持を集めています。特にアジング用ブランクとしては、X5915やAJX5917、AJX5919、RS8626といったモデルが人気で、チタンティップとの組み合わせによる高感度ロッドの製作にも適しています。
この記事では、マグナムクラフトのアジングロッド用ブランクの特徴や評判、そして実際に自作する際のポイントについて、インターネット上に散らばる情報を収集・整理してお届けします。「どのブランクを選べばいいのか分からない」「チタンティップの接合が難しそう」といった疑問や不安を解消できる内容になっています。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ マグナムクラフトの主要アジングロッド用ブランクの特徴と違い |
| ✓ チタンティップとの相性や接合方法の具体的なテクニック |
| ✓ 実際のビルド例から学ぶロッドウェイトやガイドセッティング |
| ✓ 初心者でも失敗しにくいブランク選びと組み立てのコツ |
マグナムクラフトのアジングロッド用ブランクの特徴と評判
- マグナムクラフトのアジングロッド用ブランクが選ばれる理由
- X5915ブランクの特性は柔軟性と反響感度の高さ
- AJX5917/5919はチタンティップとの相性が抜群
- RS8626などツーピースブランクも人気の選択肢
- マグナムクラフトブランクの先端径による使い分けが重要
- 40tカーボンの柔らかさは好みが分かれるポイント
マグナムクラフトのアジングロッド用ブランクが選ばれる理由
マグナムクラフトのブランクが多くのロッドビルダーに選ばれる背景には、いくつかの明確な理由があります。まず挙げられるのがコストパフォーマンスの高さです。台湾で製造されているため、国内メーカーの同等品と比較して価格が抑えられており、初めてロッドビルドに挑戦する方でも手が出しやすい価格帯となっています。
次に注目すべきはブランクの品質と性能です。価格が手頃だからといって性能が劣るわけではなく、一般的には国内の一流メーカーと同等以上の性能を持つとされています。特にアジングのような繊細な釣りにおいて重要となる感度や反響性能については、多くのビルダーから高い評価を得ています。
また、豊富なラインナップも魅力の一つです。X5915、AJX5917、AJX5919、RS8626、SM8320など、用途や好みに応じて選択できる複数のモデルが用意されています。それぞれのブランクは異なる特性を持っており、自分の釣りスタイルや求める性能に合わせて最適なものを選ぶことができます。
さらに、チタンティップとの相性の良さも見逃せません。マグナムクラフトのブランクは先端径が適切に設計されており、チタンティップを接合する際の作業がしやすいという特徴があります。これは自作ロッドにおいて大きなアドバンテージとなります。
📊 マグナムクラフトの主な強み
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 💰 価格 | 国内メーカーより2〜3割程度安価 |
| 🎯 性能 | 国内一流メーカーと同等以上の品質 |
| 📦 種類 | アジング用だけでも5種類以上のラインナップ |
| 🔧 加工性 | チタンティップとの接合がしやすい設計 |
| 🌏 製造 | 台湾での生産により品質と価格のバランス実現 |
X5915ブランクの特性は柔軟性と反響感度の高さ
X5915は、マグナムクラフトのアジングロッド用ブランクの中でも特に人気の高いモデルです。このブランクの最大の特徴は、**「強さを含んだ柔軟性」**にあります。単に柔らかいだけではなく、魚とのやりとりにおいて粘りを発揮する特性を持っているのです。
X5915ブランクは「曲がる」ことからブランクが粘りを発揮し、ドラグをユルユルにしなくても魚の突進力を徐々に弱らせるという「仕事」をしてくれます。
実際のビルド例では、X5915を使用した5フィート3インチのロッドがロッドウェイト33.0gという軽量に仕上がっています。これにチタンティップ0.7-1.5を組み合わせ、7ガイドオールトルザイト(T2)でセッティングされたこのロッドは、0.9gのタングステンジグヘッドで問題なく重潮を探れる操作性を実現しています。
X5915の柔軟性は、アジとのやりとりを楽しむという点でも優れています。柔らかいブランクの特性により、アジを掛けたときの気持ち良い曲がりっぷりが味わえるとされています。また、型の良いアジでも柔軟にいなしてくれるため、バラシを軽減できるというメリットもあります。
ただし、この柔軟性は人によっては**「弱い」と感じる可能性**もあります。特に張りの強いロッドに慣れている方や、即座にフッキングさせたい釣りスタイルの方には、好みが分かれるかもしれません。しかし、0.2号などの極細ラインを使用するアジングにおいては、この柔軟性がラインブレイクを防ぐクッションとして機能するため、一概に欠点とは言えません。
🎣 X5915の主な特性
| 特性項目 | 評価・詳細 |
|---|---|
| 柔軟性 | ⭐⭐⭐⭐⭐ 強い粘りを持った曲がり |
| 反響感度 | ⭐⭐⭐⭐ 大きな反響で楽しさ3倍 |
| 操作感 | ⭐⭐⭐⭐ 0.9g以上のジグヘッドで快適 |
| やりとり性能 | ⭐⭐⭐⭐⭐ 魚の突進を粘りで吸収 |
| 軽量化 | ⭐⭐⭐⭐ 33g台の実現が可能 |
AJX5917/5919はチタンティップとの相性が抜群
AJX5917とAJX5919は、マグナムクラフトのアジング専用ラインとして開発されたブランクです。これらのブランクは、海猿という著名なロッドビルダーの方がマグナムクラフトに依頼して作成されたシリーズで、アジングに特化した設計となっています。
最大の特徴は、先端径が1.6mmに設計されている点です。この先端径は、チタンティップを接合する際に非常に作業しやすいサイズとなっています。多くのチタンティップメーカーの製品が、この1.6mm径のブランクとの接合を前提に設計されているため、加工の手間が少なく済みます。
AJX5917とAJX5919は、吉見製作所が販売している根本直径1.2ミリまでの接続部無加工チタンティップでも接続することができます。
AJX5917は5フィート7インチクラスのブランクで、キャストフィールの良さが特徴です。軽量リグもストレス無くキャストでき、チタンティップの重量によりブランク自体の強さが引き出されているとされています。一方、AJX5919は5フィート9インチクラスで、やや長めのレングスを好む方に適しています。
両モデルとも、フッキング性能が高いという評価を受けています。チタンティップを搭載してもベリーが重さに負けることなく、合わせがしっかり決まるバランスの良さが特徴です。これは、ブランク自体のパワーバランスが適切に設計されているためと考えられます。
また、壱岐での釣行において、恐らく4、500本のアジを釣った中で、37cmまでのサイズであれば全く抜き上げに不安がないという強度も備えています。このような繊細なロッドでこの強さを持つことは、一般的には珍しいとされています。
✅ AJXシリーズの主な利点
- ✔️ チタンティップ接合時の加工が最小限で済む
- ✔️ ダイヤモンドヤスリで軽く削るだけで多くのチタンティップが装着可能
- ✔️ キャストフィールが良好で軽量リグも扱いやすい
- ✔️ フッキング時の合わせ遅れが少ない
- ✔️ 尺クラスでも抜き上げに不安がない強度
- ✔️ アジング専用設計のため無駄がない
RS8626などツーピースブランクも人気の選択肢
マグナムクラフトでアジングロッドを作る際、意外と人気なのがシーバスやトラウト用に設計されたツーピースブランクです。特にRS8626、RS8628、SM8320などは、アジングロッドとしても高い評価を得ています。
RS8626は、元々はシーバス用として設計されたブランクですが、その性能がアジングにも適していることから、多くのビルダーに採用されています。このブランクの先端径は1.4mmと、AJXシリーズの1.6mmよりやや細くなっています。
この細さは一長一短です。より繊細な操作感が得られる反面、チタンティップを接合する際にはより慎重な加工が必要になります。特にサバロオリジナルチタンティップ以外のものを使用する場合、ダイヤモンドヤスリでブランクを削る際にかなりブランクが薄くなるため、初心者には難易度が高いかもしれません。
しかし、この細さゆえに超軽量化が可能というメリットもあります。適切に組み上げることで、40g台前半という驚異的な軽さのアジングロッドを実現できます。また、ツーピースであるため、持ち運びの利便性も高く、遠征や車での移動が多い方には便利です。
📋 ツーピースブランクの特徴比較
| ブランク名 | 先端径 | 主な用途 | アジングでの評価 |
|---|---|---|---|
| RS8626 | 1.4mm | シーバス | ⭐⭐⭐⭐ 高評価 |
| RS8628 | 1.4mm | シーバス | ⭐⭐⭐⭐ 高評価 |
| SM8320 | 1.4mm | トラウト | ⭐⭐⭐⭐ 使いやすい |
これらのツーピースブランクを使用する際の注意点として、チタンティップ選びが重要になります。先端径1.4mmに対応するチタンティップは限られており、サバロオリジナルチタンティップが最も相性が良いとされています。他のチタンティップを使用する場合は、ダイソーの0.8mmドリルビットで内径拡大した後、ダイヤモンドヤスリで慎重に削る必要があります。
マグナムクラフトブランクの先端径による使い分けが重要
マグナムクラフトのブランクを選ぶ際に、最も重要な判断基準の一つが先端径のサイズです。この先端径によって、接合できるチタンティップの種類が変わってくるため、ロッドビルドの難易度や完成後の性能に大きく影響します。
現在、マグナムクラフトのアジング用ブランクで主流となっているのは、1.4mm径と1.6mm径の2種類です。それぞれに特徴があり、使い分けることでより理想に近いロッドを作ることができます。
**1.6mm径のブランク(AJX5917、AJX5919など)**は、チタンティップとの接合作業が比較的容易です。多くのチタンティップメーカーが1.6mm径を標準として製品を設計しているため、選択肢が広く、加工の手間も最小限で済みます。初めてロッドビルドに挑戦する方には、このサイズがおすすめです。
一方、**1.4mm径のブランク(RS8626、SM8320など)**は、より繊細な操作感を求める上級者向けと言えるかもしれません。先端が細いため感度が高く、軽量化にも有利ですが、チタンティップの選択肢が限られ、接合時の加工難易度も上がります。
🔍 先端径別の特徴
| 先端径 | 対応ブランク | 接合難易度 | チタンティップ選択肢 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 1.6mm | AJX5917/5919, X5915 | ⭐⭐ 易しい | 豊富 | 初心者〜中級者 |
| 1.4mm | RS8626, RS8628, SM8320 | ⭐⭐⭐⭐ 難しい | 限定的 | 中級者〜上級者 |
また、先端径はブランク内径の拡大加工にも関係してきます。1.6mm径のブランクの場合、ダイソーで販売されている1.2mmドリルビットで軽く内径を拡大するだけで、多くのチタンティップが装着できます。一方、1.4mm径のブランクでは0.8mmドリルビットから始めて、慎重に拡大作業を行う必要があります。
さらに、先端径はロッド全体のバランスにも影響を与えます。細い先端径はロッドの先重りを軽減し、より軽快な振り抜けを実現します。しかし、強度面ではやや不安が残る可能性もあります。太い先端径は強度に優れ、大型のアジにも安心して対応できますが、わずかながら先重りする傾向があります。
40tカーボンの柔らかさは好みが分かれるポイント
マグナムクラフトのブランクについて語る際、避けて通れないのが40tカーボンという素材特性です。カーボンの「t数」とはトン数のことで、一般的には数値が高いほど高弾性(硬い)とされていますが、マグナムクラフトの40tカーボンは、他社の同じt数のカーボンと比較してかなり柔らかいという特徴があります。
このブランクは40tカーボンらしいですが、ウエダのTFL-63Sと振り比べると「ホントに40tなの??」と思わず首をかしげるくらいベロンベロンに柔らかいですね。レジンの量や、ボロンの違いで張りが出てないのかなと思います。
この柔らかさは、レジンの量やボロン繊維の配合など、カーボンシート以外の要素による影響が大きいと推測されます。同じ40tカーボンという表記でも、メーカーによって仕上がりの硬さが異なるのは、このような製法の違いによるものかもしれません。
この柔軟性は、メリットとデメリットの両面を持っています。メリットとしては、魚とのやりとりが楽しめること、ラインブレイクを防ぎやすいこと、豆アジでもロッドの曲がりを楽しめることなどが挙げられます。特に0.2号などの極細ラインを使用する繊細なアジングにおいては、この柔軟性が大きなアドバンテージとなります。
一方、デメリットとしては、キャスト時のブレやフッキングパワーの不足を感じる可能性があります。特に高弾性の張りのあるロッドに慣れている方は、最初は投げにくさを感じるかもしれません。また、大型のアジ(120g以上)に対しては、フッキング時にティップとベリーが入りすぎて、合わせの力がうまく伝わらないケースもあるようです。
⚖️ 40tカーボンの柔軟性の評価
| 側面 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 🎣 釣趣 | 魚の引きを存分に楽しめる | 張りのある釣りが好きな人には物足りない |
| 🎯 操作性 | 1g以下の軽量リグで操作感大 | キャスト時にブレやすい可能性 |
| 💪 パワー | 極細ラインでもバラシにくい | 大型魚のフッキングで力が逃げることも |
| 🌊 適応性 | 豆アジも尺アジも楽しめる | 風が強い日は扱いにくいかも |
ただし、この柔軟性もチタンティップとの組み合わせで変化します。チタンティップは一般的なカーボンソリッドティップより重量があるため、その重みでブランクのパワーが引き出され、適度な張りが生まれるという意見もあります。つまり、ブランク単体では柔らかすぎると感じても、チタンティップを組み合わせることで、ちょうど良いバランスになる可能性があるのです。
マグナムクラフトでアジングロッドを自作する際のポイント
- チタンティップとブランクの接合は意外と簡単
- サバロオリジナルチタンティップとの組み合わせ方
- イシグロ2段テーパーチタンティップには加工が必要
- ロッドウェイト30g台を実現する軽量化テクニック
- ガイドセッティングとリールシートの選び方
- まとめ:マグナムクラフトでアジングロッド自作を成功させるコツ
チタンティップとブランクの接合は意外と簡単
「チタンティップの接合は難しそう」と感じている方は多いかもしれませんが、実際には適切なブランクとチタンティップの組み合わせを選べば、初心者でも十分に接合可能です。特にマグナムクラフトのブランクは、チタンティップとの相性を考慮した設計になっているものが多く、加工の手間が少なく済みます。
基本的な接合方法は、ブランクの先端内径をチタンティップの接続部外径に合わせて拡大し、エポキシ接着剤で固定するというシンプルなものです。必要な工具も、ダイソーなどの100円ショップで入手できるドリルビットとダイヤモンドヤスリがあれば、基本的な作業は可能です。
📐 基本的な接合手順
- ✅ ブランクの先端内径を測定
- ✅ チタンティップの接続部外径を測定
- ✅ 必要に応じてドリルビットで内径拡大
- ✅ ダイヤモンドヤスリで微調整
- ✅ 仮組みして深さを確認
- ✅ エポキシ接着剤で本接着
- ✅ 余分な接着剤を拭き取り、硬化を待つ
マグナムクラフトのブランクを使用する最大のメリットは、多くの場合、大がかりな加工が不要という点です。特にAJX5917やAJX5919といった1.6mm径のブランクの場合、市販のチタンティップのほとんどが、軽い内径拡大だけで装着できます。
また、最近では接続部無加工のチタンティップも販売されており、これらを使用すれば、チタンティップ側を削る必要がなく、ブランク側の加工のみで接合が完了します。吉見製作所などが販売している根本直径1.2mmまでのチタンティップは、AJX5917やAJX5919に対して、ダイソーの1.2mmドリルビットで内径拡大するだけで接続できるとされています。
⚠️ 接合時の注意点
- ⚠️ 急激な内径拡大はブランクの破損につながる
- ⚠️ ドリルビットは垂直に保ち、慎重に回転させる
- ⚠️ 一度に削りすぎず、何度も仮組みして確認
- ⚠️ エポキシ接着剤は2液混合タイプを使用
- ⚠️ 接着後24時間以上は負荷をかけない
一般的には、ブランクが薄くなることを心配する声もありますが、実際に使用している多くのビルダーからは「今のところノートラブル」という報告が上がっています。適切な手順で接合すれば、強度面での問題はほとんどないと考えられます。
サバロオリジナルチタンティップとの組み合わせ方
数あるチタンティップの中でも、マグナムクラフトのブランクと最も相性が良いとされているのが、サバロオリジナルチタンティップです。このチタンティップは、接続部が細く削り込まれた設計になっており、多くのブランクに無加工または最小限の加工で装着できるという特徴があります。
特にAJXシリーズとの組み合わせでは、驚くほど簡単に接合できます。AJX5917やAJX5919の場合、サバロオリジナルチタンティップをそのまま挿入すると、テーパー直前まで無加工で入るとされています。その状態から、ダイヤモンドヤスリでブランク先端入り口の内径を少し削るだけで、十分な接合強度が得られます。
サバロオリジナルチタンティップは、接続部がかなり細く削り込まれているので、AJXシリーズは無加工でテーパー直前まで入ります。ダイヤモンドヤスリでブランク先端入り口の内径を少し削ればサバロオリジナルチタンティップはAJXブランクに入ります。
RS8626などの1.4mm径のブランクとの組み合わせでも、サバロオリジナルチタンティップはほぼ唯一の選択肢と言えるかもしれません。他のチタンティップでは、かなりブランクを削り込む必要があり、初心者には難易度が高くなりますが、サバロオリジナルであれば、ダイソーの0.8mmドリルビットで内径拡大した後、ダイヤモンドヤスリで調整するという比較的シンプルな工程で接合できます。
🔧 サバロオリジナルチタンティップの利点
| 利点 | 詳細 |
|---|---|
| 🎯 汎用性 | 多くのブランクに対応可能 |
| ⚙️ 加工性 | 最小限の加工で装着できる |
| 💪 接合強度 | 十分な接合面積を確保しやすい |
| 🎣 性能 | 感度と操作性のバランスが良好 |
| 💰 コスト | 比較的入手しやすい価格帯 |
ただし、サバロオリジナルチタンティップを使用する際も、仮組みの段階での確認は必須です。ブランクの個体差や、チタンティップの製造ロットによる微妙な違いもあるため、実際に挿入してみて、適切な深さまで入るか、ガタつきがないかを必ず確認しましょう。
また、サバロオリジナルチタンティップは接続部が細いため、接着面積が他のチタンティップより少ない可能性があります。そのため、エポキシ接着剤の選定と塗布方法には特に注意が必要です。2液混合タイプの高強度エポキシを使用し、接続部全体に均一に塗布することで、十分な接合強度を確保できます。
イシグロ2段テーパーチタンティップには加工が必要
サバロオリジナルとは対照的に、イシグロ2段テーパーチタンティップは、より本格的な加工を必要とするチタンティップです。このチタンティップは接続部に太さがあり、AJX5917などの先端が太めのブランクでも、かなりブランク内径を広げなければ装着できません。
イシグロ2段テーパーチタンティップの接続部は、均一なテーパーがかかっているという特徴があります。このため、ブランク側の内径拡大も、テーパーに合わせた形で行う必要があります。そのため、ダイヤモンドヤスリだけでの加工は困難で、ダイヤモンドビットセットを使用した加工が推奨されています。
ダイヤモンドビットセットは、電動工具(ルーターやドリル)に装着して使用する先端工具で、円錐形や円筒形など様々な形状のビットがセットになっています。これを使用することで、ブランクの内径を効率的かつ正確にテーパー状に削ることができます。一般的には、値段も比較的安価で入手でき、ロッドビルドには必須の工具の一つと言えるでしょう。
🛠️ イシグロ2段テーパーチタンティップ装着の手順
- 🔹 チタンティップのテーパー角度を測定
- 🔹 ダイヤモンドビットで内径をテーパー状に拡大
- 🔹 こまめに仮組みして進捗確認
- 🔹 目標の深さまで入るよう微調整
- 🔹 ダイヤモンドヤスリで仕上げ
- 🔹 エポキシ接着剤で本接着
イシグロ2段テーパーチタンティップを選ぶメリットは、接合強度の高さにあります。接続部が太く、テーパー状になっているため、ブランクとの接触面積が大きく、しっかりとした接合が可能です。また、2段テーパーという設計により、感度と操作性のバランスも優れているとされています。
ただし、加工難易度が高いため、初心者が最初に挑戦するには向いていないかもしれません。まずはサバロオリジナルチタンティップなど、加工が簡単なものでロッドビルドの基本を習得してから、イシグロ2段テーパーに挑戦するという段階的なアプローチが賢明でしょう。
ロッドウェイト30g台を実現する軽量化テクニック
マグナムクラフトのブランクを使用したアジングロッド自作において、多くのビルダーが目標とするのがロッドウェイト30g台という軽量化です。実際、X5915を使用したビルド例では33.0gという軽量ロッドが実現されています。ただし、この軽量化は単純にパーツを削るだけでは達成できません。
最初は、30g切ってやるって鼻息荒くしていたけど…今のボクには無理です。ビジュアルは絶対に捨てたくないし、短すぎて面白味のないロッドなんて作りたくない。
軽量化を追求する際には、いくつかの葛藤があります。「ここはこうした方がカッコ良いけど、0.5g重くなる」「ブランクをあと1インチカットすれば目標の軽さになるけど、釣り竿としての面白みがなくなる」といった、性能とビジュアル、使用感のバランスを取る必要があるのです。
具体的な軽量化のポイントとしては、以下のような要素があります。まずガイドの選択です。トルザイトリングを使用したガイドは、SiCリングより軽量で、かつ摩擦係数も低いため、飛距離向上にも貢献します。ただし、価格はやや高めになります。
リールシートの選択も重要です。カーボンDPSスケルトンリールシートのような軽量タイプを選ぶことで、数グラムの軽量化が可能です。さらに、ブランクスルー型にすることで、パイプの重量をカットでき、感度向上にもつながります。
💡 軽量化のための主な要素
| パーツ | 軽量化の方法 | 重量削減効果 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| ガイド | トルザイトリング採用 | 2〜3g | ⭐⭐ |
| リールシート | カーボンスケルトン型 | 3〜5g | ⭐⭐⭐ |
| ティップ | チタンティップの選択 | 1〜2g | ⭐⭐ |
| グリップ | EVA最小限の成形 | 2〜4g | ⭐⭐⭐⭐ |
| 装飾 | カーボンロービング削減 | 1〜2g | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
ただし、過度な軽量化は禁物です。質量が軽すぎると、アクション後にダルさが出たり、バランスが悪くなったりする可能性があります。実際、ロッドウェイト33gという数字は、軽量化と実用性のバランスを取った結果と言えるでしょう。
また、重要なのはバランスポイントです。単純に軽いだけでなく、リールフットから4cm以内に重心が来るようなバランス設計が理想的とされています。このバランスが取れていれば、多少重くても疲れにくく、長時間の釣行でも快適に使用できます。
ガイドセッティングとリールシートの選び方
アジングロッドの性能を大きく左右するのがガイドセッティングです。マグナムクラフトのブランクを使用したビルド例を見ると、様々なセッティングパターンがあり、それぞれに意図があることがわかります。
代表的なセッティングとして、X5915を使用したビルド例では**7ガイドオールトルザイト(T2)**という構成が採用されています。ガイドサイズは「3-3-3-3-6-8-16」という配置で、バットガイドの大口径リングサイズにより、糸抜けが気持ち良く飛距離に不満がないという評価になっています。
トルザイトリングを選択する理由は、軽量化と性能の両立にあります。SiCリングと比較して軽く、摩擦係数も低いため、PEラインやエステルラインといった細いラインでも、ライントラブルが少なく、飛距離も出やすいというメリットがあります。
🎯 ガイドセッティングの考え方
| 要素 | 考慮点 | 推奨 |
|---|---|---|
| ガイド数 | 7〜8ガイドが一般的 | ブランクの長さに応じて調整 |
| リング素材 | トルザイト vs SiC | 予算が許せばトルザイト |
| バットガイド | 糸抜けと飛距離に影響 | 14〜16mmが標準的 |
| トップガイド | 感度に影響 | KTガイドも選択肢 |
| ガイド足 | 重量と強度のバランス | カットして軽量化も可能 |
トップガイドの選択も重要です。通常はT-LFTTやT-LFSTといったパイプガイドが使われますが、より感度を追求する場合は**KTガイド(ティップガイド用)**を採用する例もあります。ただし、KTガイドの場合、スレッド巻きに手間がかかるという側面もあります。
リールシートの選択では、大きく分けてパイプスルー型とブランクスルー型の2つがあります。パイプスルー型はメガホン効果で反響が増大するとされていますが、ブランクスルー型も十分な反響感度を持ち、さらにパーミング時のフィット感に優れるという利点があります。
ブランクスルー型のDPSスケルトンショートエンドは、母指球より下(手首側)への収まりが良く、フィット感が向上。キャスト時のスっぽ抜け防止にも役立つ。
リールシートの装飾も楽しみの一つです。カーボンロービングやカーボンテープでのラッピング、シグネチャーネームの配置など、個性を出せる部分でもあります。ただし、装飾を凝りすぎると重量が増加するため、バランスを考える必要があります。
まとめ:マグナムクラフトでアジングロッド自作を成功させるコツ
最後に記事のポイントをまとめます。
- マグナムクラフトは台湾製の高性能ブランクメーカーで、コストパフォーマンスに優れている
- アジング用としてX5915、AJX5917、AJX5919、RS8626、SM8320などが人気
- X5915は柔軟性と反響感度が高く、33g台の軽量化も可能
- AJX5917/5919は先端径1.6mmでチタンティップとの相性が抜群
- RS8626などのツーピースブランクもアジングに適しており評価が高い
- 先端径1.6mmのブランクは初心者向け、1.4mmは上級者向け
- マグナムクラフトの40tカーボンは他社より柔らかく、好みが分かれる
- チタンティップとの接合は適切な組み合わせなら初心者でも可能
- サバロオリジナルチタンティップは最小限の加工で装着できる
- イシグロ2段テーパーはダイヤモンドビットセットでの加工が必要
- ロッドウェイト30g台の実現には軽量化と実用性のバランスが重要
- トルザイトリングのガイドは軽量で性能も良好
- リールシートはブランクスルー型がパーミング時のフィット感に優れる
- ガイドセッティングは7〜8ガイドで、サイズ配分が飛距離と操作性に影響
- 装飾と軽量化のバランスを取ることが理想的なロッド作りの鍵
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- マグナムクラフトのX5915で、欲張りなアジングロッドを作る。潮楽シグネチャーモデルの完成。 – 某携帯ショップ店員の頭の中
- 【自作チタンティップアジングロッドインプレ】マグナムクラフト8626 – あおむしの釣行記4
- 5917のアジングロッドのインプレ – MagnumCraft CustomRodBranks
- マグナムクラフトブランクとチタンティップの簡単な接合 – アジング一年生re
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