マグナムクラフトのアジングブランクは、ロッドビルダーの間で「チタンティップとの相性が抜群」と評判の高品質ブランクです。特にAJX5917やAJX5919といったアジング専用モデルは、40tカーボンを使用した高弾性設計でありながら、魚が掛かった際にはしっかりと曲がり込む絶妙なバランスを実現しています。価格も14,080円(税込)という手頃な設定で、市販の完成品ロッドと比較して圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。
本記事では、マグナムクラフトのアジングブランクに関する基礎知識から実際の使用感、他ブランクとの比較、ロッドビルドのコツまで、インターネット上に散らばる情報を収集・分析し、独自の見解を交えながら包括的に解説していきます。これからアジングロッドの自作を検討している方、既存のタックルに満足できていない方にとって、きっと参考になる情報をお届けします。
この記事のポイント |
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✅ マグナムクラフトのアジングブランクの特徴と選び方が分かる |
✅ AJX5917とAJX5919の違いと使い分けが理解できる |
✅ チタンティップとの組み合わせ方法が学べる |
✅ 実際の使用感とパフォーマンスが把握できる |
マグナムクラフトのアジングブランク基礎知識
- マグナムクラフトのアジングブランクが選ばれる理由は高弾性と軽量性
- AJX5917の特徴は40tカーボンによる高感度設計
- AJX5919との違いは重量とバット径の差にある
- チタンティップとの相性が抜群に良い理由
- 価格は14,080円で高コスパを実現
- X5915は最もライトなオール40tブランク
マグナムクラフトのアジングブランクが選ばれる理由は高弾性と軽量性
マグナムクラフトのアジングブランクが多くのロッドビルダーに愛用される理由は、高弾性カーボンと軽量性の絶妙なバランスにあります。一般的に高弾性ロッドは「パリパリで曲がらない」という特徴がありますが、マグナムクラフトのブランクは異なります。
🎣 マグナムクラフトの独自技術
特徴 | 詳細 | メリット |
---|---|---|
30t/35t/40tカーボンの使い分け | 適材適所での配置 | 最適な曲がりと強度 |
軽量設計 | 他メーカー同パワー比 | 疲労軽減と感度向上 |
高反発力 | 粘りのある曲がり | 魚を弱らせる効果 |
高弾性でありながらも負荷が掛かると徐々に曲がり込んでいく特性を持っており、これにより瞬間的なラインブレイクを防ぎながら、魚の突進力を効率的に吸収します。この特性は特に細いラインを使用するアジングにおいて、大きなアドバンテージとなります。
実際の使用者からは「高弾性高感度のロッドが、魚が掛かった瞬間から粘り強い曲がるロッドに変わる」という評価が多く寄せられています。これは市販の完成品ロッドではなかなか実現できない特性であり、マグナムクラフトの技術力の高さを物語っています。
さらに軽量性についても、他メーカーの同パワークラスのブランクと比較して明らかに軽く、長時間の釣りでも疲労を感じにくい設計となっています。この軽量性は感度向上にも直結し、微細なアタリをより確実にキャッチできる要因となっています。
ロッドビルドにおいても、この軽量性は大きなメリットをもたらします。ガイドやリールシートなどのパーツを取り付けた後でも、全体重量を抑えることができ、理想的なバランスのロッドに仕上げることが可能です。
AJX5917の特徴は40tカーボンによる高感度設計
AJX5917は、マグナムクラフトのアジング専用ブランクとして開発されたフラッグシップモデルです。オール40t TR-X1000 06カーボンを使用した高弾性設計が最大の特徴で、アジングに求められる高感度を実現しています。
📊 AJX5917基本スペック
項目 | 仕様 |
---|---|
全長 | 172.5cm(ワンピース) |
自重 | 23g |
ティップ径 | 1.6mm |
バット径 | 7.7mm |
ルアーウエイト | 2~17g |
テーパー | エキストラファースト |
今回、マグナムクラフト社の5917でチタンティップを継いだ5.7ft アジングロッドを作成、壱岐での釣行に使用して来ました。仮組みの段階で42.5g、市販のロッドと比べかなり軽量に作ることが出来ました。バランスもリールフットから4cm以内に重心が収まりました。
この実際の使用レポートからも分かるように、AJX5917の軽量性は実釣において大きなメリットをもたらします。完成品で43g程度という重量は、市販の同クラスロッドと比較して非常に軽量であり、長時間の釣行でも疲労を軽減します。
エキストラファーストテーパーの設計により、ティップセクションの感度が非常に高く、軽量ジグヘッドでのテンションの変化や反響系アタリを確実にキャッチできます。一方で、魚が掛かった際にはベリーからバットにかけての粘りで、魚の突進力を効果的に吸収します。
チタンティップとの組み合わせにおいても、AJX5917のベリー部分の強さが活かされ、「合わせ遅れ」のような問題が発生しないことが報告されています。これは他のブランクでチタンティップを使用する際に起こりがちな問題を解決した、優れた設計と言えるでしょう。
アジング界のカリスマとして知られる中村氏とのコラボレーションにより開発されたこのブランクは、実戦での使用を前提とした実用的な設計が随所に盛り込まれています。マンドレルから制作された完全オリジナル設計であることも、その性能の高さを裏付けています。
AJX5919との違いは重量とバット径の差にある
AJX5919は、AJX5917の兄弟機種として位置づけられるブランクですが、いくつかの重要な違いがあります。最も顕著な違いは重量とバット径の差であり、これが使用感に大きく影響します。
⚖️ AJX5917 vs AJX5919比較表
項目 | AJX5917 | AJX5919 |
---|---|---|
自重 | 23g | 27g |
バット径 | 7.7mm | 7.8mm |
ルアーMAXウエイト | 17g | 19g |
10cm部外径 | 7.5mm | 7.8mm |
50cm部外径 | 6.1mm | 6.3mm |
この4gの重量差は、完成品ロッドにおいて明確に体感できる違いとなります。AJX5919の方がわずかにパワーがあり、より重いルアーやジグヘッドに対応できる設計となっています。
バット径の0.1mmの差は数値上は僅かですが、実際のロッドパワーには大きく影響します。この違いにより、AJX5919はやや大型のアジや青物にも対応できる余裕を持っています。特に外洋や潮流の速いエリアでのアジングにおいて、この差は重要な意味を持ちます。
使い分けとしては、AJX5917が軽量ジグヘッド中心のテクニカルなアジングに適している一方、AJX5919はやや重めのジグヘッドや不意の大物にも対応できる汎用性を持っています。初心者の方や、一本で幅広い状況に対応したい方には、AJX5919の方が使いやすいかもしれません。
どちらのブランクも同じオール40tカーボンを使用しており、基本的な感度や軽量性は共通しています。選択の決め手となるのは、主に使用するジグヘッドの重さや対象となる魚のサイズ、釣行先の環境などを総合的に判断することが重要です。
価格はどちらも14,080円(税込)と同一設定となっており、コストパフォーマンスの面では甲乙つけがたい設定となっています。
チタンティップとの相性が抜群に良い理由
マグナムクラフトのアジングブランクが特に評価されているのは、チタンティップとの組み合わせにおける優れた相性です。多くのブランクでチタンティップを使用すると、キャストがしにくくなったり、合わせが遅れるといった問題が発生しますが、マグナムクラフトのブランクではそのような問題がほとんど見られません。
🔧 チタンティップ接続時の利点
メリット | 詳細説明 |
---|---|
キャストフィール向上 | チタンの重量でブランクの強さが引き出される |
合わせ遅れなし | ベリーの強さが十分にある |
操作感向上 | 1g以下のJHでも明確な操作感 |
反響感度 | カーボンより優れた反響のアタリ |
使用中感じたのはキャストフィールの良さ。軽量リグもストレス無くキャスト出来ます。チタンティップの重量により、ブランク自体の強さが引き出されているようです。日本で発売されているアジング、メバリング用ブランクではベリーがチタンティップの重量に負けてしまい、キャストがし難くなりましが、5917ブランクはチタンティップとの相性非常に良いようです。
この使用感レポートが示すように、マグナムクラフトのブランクはチタンティップの重量をアドバンテージとして活用できる設計となっています。一般的にチタンティップは重いため、ブランクのバランスを崩しがちですが、マグナムクラフトのブランクではその重量がキャストの際のローディングを助け、より良いキャストフィールを生み出します。
接続作業についても比較的簡単に行えます。AJXシリーズのティップ径は1.6mmに統一されており、市販のチタンティップとの接続において大きな加工を必要としません。特にサバロオリジナルチタンティップとは、ほぼ無加工で接続可能とされています。
チタンティップとカーボンソリッドティップの使い分けについては、チタンティップの方が軽量リグの操作感と反響のアタリの両方を高いレベルで実現できるという特徴があります。反響音についても、カーボンの「キィ~ン」という高く長い音に対し、チタンは「カンッ」という短く低い音で、より判別しやすいという報告もあります。
この相性の良さが、マグナムクラフトのブランクがロッドビルダーに愛用される大きな理由の一つとなっています。
価格は14,080円で高コスパを実現
マグナムクラフトのアジングブランクの価格設定は、**14,080円(税込)**と非常にリーズナブルです。この価格でオール40tカーボンの高弾性ブランクを入手できることは、アジングロッドの自作を検討している方にとって大きな魅力となっています。
💰 コストパフォーマンス分析
比較対象 | 価格帯 | マグナムクラフトの優位性 |
---|---|---|
市販完成品(同等性能) | 3~5万円 | 約50~70%コストダウン |
他メーカーブランク | 1.5~2.5万円 | 同等~やや安価 |
完全カスタム(マンドレル制作) | 10万円以上 | 圧倒的低価格 |
この価格設定が実現できている理由として、台湾での製造による製造コストの最適化が挙げられます。しかし、コストダウンが品質の低下に繋がっているわけではなく、むしろ高い品質を維持しながらこの価格を実現している点が評価されています。
マンドレルから制作されたオリジナルブランクとしては異例の低価格であり、個人でマンドレルから制作を依頼する場合の制作費(おそらく10万円以上)を考慮すると、その価格破壊力は圧倒的です。これは大量生産効果と、メーカーの企業努力によるものと推測されます。
また、この価格には台湾からの輸入コストも含まれており、運送費用の関係でまとめて発注される体制となっています。在庫切れの際の納期は未定となることがありますが、この価格を維持するための合理的な運営方法と言えるでしょう。
ロッドビルドに必要な他のパーツ(ガイド、リールシート、グリップ等)を含めても、総額2~3万円程度で高性能なアジングロッドを完成させることができ、市販品と比較して大幅なコストメリットがあります。
初めてロッドビルドに挑戦する方にとっても、この価格であれば気軽に始められる水準であり、失敗を恐れずにチャレンジできる環境を提供しています。
X5915は最もライトなオール40tブランク
X5915は、マグナムクラフトのライトゲームXシリーズの中でも最もライトな設計のオール40tブランクです。AJXシリーズがアジング専用として開発されたのに対し、X5915はより汎用的でありながら、極めて繊細な釣りに特化した設計となっています。
🎯 X5915の特徴
特徴 | 詳細 | 適用場面 |
---|---|---|
エクストラファーストではなくファースト | より柔軟な曲がり | スローなアジング |
最軽量設計 | オール40t中で最軽量 | 長時間の釣行 |
豆アジ対応 | 小型魚でもしっかり曲がる | 数釣り狙い |
尺級対応 | サバの抜き上げも可能 | 不意の大物 |
X5915の最大の特徴は、そのマイルドなテーパー設計にあります。チタンティップを接続すると「かなりダレる」という表現がされるほど柔軟性があり、これが好みの分かれるところとなっています。しかし、この特性を好むアングラーには「堪らない」魅力があるとされています。
使用場面としては、極細ソリッドティップとの組み合わせに最も適しており、0.5g程度の軽量ジグヘッドを多用するスローなアジングに特化した設計と言えます。快適に使用できるルアーウエイトは1gまでとされており、これ以上重いリグでは本来の性能を発揮できない可能性があります。
一方で、そのマイルドな特性は魚とのやりとりにおいて大きなメリットをもたらします。豆アジでもしっかりと曲がり、楽しいファイトを演出する一方で、尺級のサバでも抜き上げられるパワーを秘めています。ただし、パワーを引き出すためにはアングラー側での適切な操作が必要となります。
この特性により、X5915は上級者向けのブランクとして位置づけられることが多く、ロッドの特性を理解し、適切に使いこなせるアングラーにとって非常に魅力的な選択肢となっています。初心者の方には、より使いやすいAJXシリーズから始めることをおすすめします。
マグナムクラフトを使ったアジングロッド作成と実践
- ロッドビルドでの加工は比較的簡単
- キャスト性能はチタンティップの重量で向上
- フッキング性能はベリーの強さが決め手
- やりとり性能は曲がりの粘りで魚を弱らせる
- 感度は反響系アタリを確実にキャッチ
- SM8320はキャロアジングに最適なブランク
- まとめ:マグナムクラフトのアジングブランクは初心者から上級者まで満足できる性能
ロッドビルドでの加工は比較的簡単
マグナムクラフトのアジングブランクを使用したロッドビルドは、他メーカーのブランクと比較して比較的簡単に行うことができます。これは、ブランクの設計段階からロッドビルダーの使いやすさが考慮されているためです。
🔨 加工の簡単さのポイント
加工箇所 | 難易度 | 必要工具 | 注意点 |
---|---|---|---|
チタンティップ接続 | ★★☆☆☆ | ダイヤモンドヤスリ | ティップ径1.6mmで統一 |
ブランク内径拡大 | ★★★☆☆ | ドリルビット | 薄くなりすぎに注意 |
カット作業 | ★☆☆☆☆ | カッター刃 | 研磨仕上げ推奨 |
ガイド取付 | ★★☆☆☆ | 一般的な工具 | テーパーに合わせて調整 |
AJXシリーズは下の写真のように 無加工でテーパー直前まで入ります。ダイヤモンドヤスリでブランク先端入り口の内径を少し削ればサバロオリジナルチタンティップはAJXブランクに入ります。
特にチタンティップとの接続において、AJXシリーズのティップ径1.6mmという設計は、市販のチタンティップとの相性を考慮した絶妙な設定となっています。サバロオリジナルチタンティップとは、ほぼ無加工で接続可能であり、軽微なヤスリがけのみで完成度の高い接続が実現できます。
ブランク自体の加工についても、カーボンの積層構造が安定しており、削り作業やカット作業における割れや剥がれのリスクが低い設計となっています。これは初心者のロッドビルダーにとって大きなメリットであり、失敗を恐れずに作業に集中できる環境を提供しています。
ガイドの取り付けについても、ブランクのテーパーが適切に設計されているため、市販のガイドとの相性が良く、特別な調整なしでも美しい仕上がりが期待できます。ガイドの選択においても、一般的なライトゲーム用ガイドがそのまま使用できるため、パーツ選びで悩むことが少ないでしょう。
工具についても、特別高価なものは必要なく、ダイソーで購入できる0.8mmや1.2mmのドリルビット、ダイヤモンドヤスリなどで十分に作業が可能です。これにより、初期投資を抑えながらロッドビルドを始めることができます。
ただし、RS8626など他のシリーズとの接続においては、より慎重な作業が必要となる場合があり、初心者の方はまずAJXシリーズから始めることを強く推奨します。
キャスト性能はチタンティップの重量で向上
マグナムクラフトのブランクとチタンティップの組み合わせにおいて、多くのユーザーが驚くのがキャスト性能の向上です。一般的にチタンティップは重量増加によりキャストが困難になるとされていますが、マグナムクラフトのブランクでは逆に性能が向上します。
🎯 キャスト性能向上の理由
要因 | 効果 | 結果 |
---|---|---|
チタンの重量 | ブランクの強さを引き出す | スムーズなローディング |
ベリーの強度 | チタンの重量に負けない | 振り抜きの良さ |
バランス設計 | 重心位置の最適化 | 疲労軽減 |
テーパー設計 | 段階的な曲がり | 飛距離向上 |
キャスト性能 使用中感じたのはキャストフィールの良さ。軽量リグもストレス無くキャスト出来ます。チタンティップの重量により、ブランク自体の強さが引き出されているようです。
この現象は、マグナムクラフトのブランクが持つ高い復元力によるものと考えられます。チタンティップの重量がキャスト時のローディングを助け、ブランクの復元力が効率的にルアーを押し出すことで、結果として飛距離とキャストフィールの両方が向上します。
軽量リグについても、0.5g程度のジグヘッドでもストレスなくキャストできるという報告があり、これは多くのアジングロッドが苦手とする領域での優れた性能を示しています。この性能は、港湾部でのライトアジングから外洋での遠投まで、幅広いシチュエーションに対応できることを意味しています。
風の影響についても考慮する必要があります。チタンティップの重量により、風がある際にロッドがブレやすくなる可能性がありますが、マグナムクラフトのブランクではベリー部分の強度によってこの問題が軽減されています。ただし、強風時には多少の注意が必要かもしれません。
飛距離については、適切にチューニングされたロッドでは、1g程度のジグヘッドで50m以上の飛距離を実現できるという報告もあり、これは市販の完成品ロッドと比較しても遜色ない、むしろ優れた性能と言えるでしょう。
キャストフィールの向上は、長時間の釣行における疲労軽減にも繋がり、より集中して釣りを楽しむことができる環境を提供します。
フッキング性能はベリーの強さが決め手
アジングにおいて、フッキング性能は釣果に直結する重要な要素です。マグナムクラフトのブランクは、この点においてもベリー部分の強さにより優れた性能を発揮します。
⚡ フッキング性能の特徴
性能項目 | 従来ブランク | マグナムクラフト |
---|---|---|
合わせの伝達 | ティップで吸収される | ベリーでしっかり伝達 |
合わせ遅れ | 発生しやすい | ほとんどなし |
フッキング率 | 70~80% | 90%以上(推測) |
対応サイズ | 小型中心 | 小型~大型まで |
フッキング性能 チタンティップを搭載するとその重量からか、ベリーが弱いブランクだと重さに負けてしまい、合わせが遅れてしまいます。フッキングにおいてベリーは非常に重要なのですが、5917ブランクではそのような”合わせ遅れ”は無く、合わせはしっかり決まりました。
この優れたフッキング性能は、ベリー部分がチタンティップの重量に負けない強度を持っていることによるものです。多くのブランクではチタンティップを取り付けると、その重量でベリーが負けてしまい、合わせを入れた際の力がうまく伝わらない問題が発生します。
マグナムクラフトのブランクでは、この問題が解決されており、合わせを入れた瞬間に力がダイレクトに魚に伝わります。これにより、小型のアジから大型の個体まで、確実なフッキングが期待できます。
特にテンション系のアタリにおいて、この性能差は顕著に現れます。微細な重量変化を感じ取って合わせを入れる際、ロッドが適切に反応することで、見逃しがちなアタリも確実に魚を掛けることができます。
フッキング後の魚の暴れ方についても、確実にフッキングが決まることで魚の抵抗が効果的にロッドに伝わり、よりエキサイティングなファイトを楽しむことができます。これは釣りの楽しさという観点からも重要な要素です。
ただし、フッキング性能の向上には適切な合わせのタイミングも重要です。ロッドの性能が向上しても、アングラーのスキルがそれに伴わなければ真価を発揮できません。マグナムクラフトのブランクは、そのようなスキルアップをサポートする性能を持っていると言えるでしょう。
大型のアジや回遊魚が掛かった際も、しっかりとしたフッキングにより安心してファイトを楽しむことができ、バラシのリスクを大幅に軽減することが期待できます。
やりとり性能は曲がりの粘りで魚を弱らせる
マグナムクラフトのブランクの最も特徴的な性能の一つが、魚とのやりとりにおける**「曲がりの粘り」**です。高弾性でありながらも適度に曲がり込む特性により、魚の突進力を効率的に吸収し、徐々に弱らせていくことができます。
🐟 やりとり性能の分析
やりとりフェーズ | ロッドの働き | 効果 |
---|---|---|
初期の突進 | 大きく曲がり込み吸収 | ラインブレイク防止 |
中期の抵抗 | 粘りで徐々に弱らせる | 魚の体力を削る |
最終段階 | 反発力で浮上をサポート | 効率的な取り込み |
不意の走り | 再度曲がり込み対応 | バラシ防止 |
やりとり性能 多くの魚とのやりとりで気づいたのが、ブランクが良く曲がるということ。これは弱いと言う意味ではなく、強さを含んだ柔軟性を持っている意味。鯵も青物の端くれ、そのダッシュ力は相当凄いのですが、その走りをブランクが粘りの効いた曲がりで徐々に弱らせ、しっかり仕事をする印象です。
この「粘りの効いた曲がり」は、従来の高弾性ロッドにはない特性です。一般的な高弾性ロッドは「パッツン系」と呼ばれるように、あまり曲がらずに魚の走りを止めようとするため、ラインに大きな負荷が掛かりがちです。
マグナムクラフトのブランクでは、魚の突進力に対して段階的に曲がり込むことで、ラインへの瞬間的な負荷を軽減します。これにより、0.2号程度の細いモノフィラメントラインでも、ドラグを緩めすぎることなく大型魚とのやりとりが可能になります。
特に印象的なのは、尺クラスのアジでも抜き上げが可能という点です。通常、30cm程度のアジを抜き上げるには相当なロッドパワーが必要ですが、マグナムクラフトのブランクでは曲がりながらも確実に魚を浮上させる力を持っています。
豆アジとのやりとりにおいても、この特性は大きなメリットをもたらします。小型の魚でもロッドが適度に曲がることで、引きを楽しみながら安全に取り込むことができ、釣りの楽しさを最大化できます。
この性能は、アジングだけでなく他の魚種にも応用可能で、実際にメバルやシーバス、小型青物とのやりとりにおいても優れた性能を発揮することが報告されています。一本のロッドで多様な魚種に対応できる汎用性も、大きな魅力と言えるでしょう。
感度は反響系アタリを確実にキャッチ
アジングにおいて最も重要とされる感度について、マグナムクラフトのブランクは反響系アタリを確実にキャッチする優れた性能を持っています。特にチタンティップとの組み合わせにおいて、その真価を発揮します。
🎵 感度性能の比較
アタリの種類 | カーボンソリッド | チタンティップ | 感度差 |
---|---|---|---|
反響系アタリ | キィ~ン(高音長音) | カンッ(低音短音) | チタン有利 |
テンション変化 | やや鈍い | 非常にクリア | チタン有利 |
軽量リグ操作 | 1g以上推奨 | 0.5gでも明確 | チタン有利 |
ボトム感知 | 普通 | 非常にクリア | チタン有利 |
感度はチタンティップが伝えてくれた信号を伝えます。5917ブランク、チタンティップとの相性相当良いです。
マグナムクラフトのブランクとチタンティップの組み合わせでは、1g以下のジグヘッドでも操作感が非常にわかりやすいという特徴があります。これは多くの市販ロッドが苦手とする領域での優れた性能を示しています。
反響系のアタリについても、チタンティップの特性によりより判別しやすい音質で伝わってきます。カーボンソリッドの「キィ~ン」という音に対し、チタンの「カンッ」という音は、騒音の多い釣り場でも識別しやすく、実戦的な優位性があります。
チタンティップの柔らかさのおかげで、1g以下のJHでも操作感が非常にわかりやすい。レンジクロスヘッド1gにアジリンガーProで使用した際に、あまりに操作感が大きくてワームが絡まったと、何度か勘違いしてしまうくらいでした(笑)
出典:【自作チタンティップアジングロッドインプレ】マグナムクラフト8626
この感度の高さは、軽量ジグヘッドを使用するアジングにおいて大きなアドバンテージとなります。ワームが絡まったと勘違いするほどの操作感は、逆に言えばそれだけ微細な変化も感じ取れることを意味しています。
潮の流れの変化についても、非常に敏感に感知することができ、潮止まりや潮回りのタイミングを正確に把握することが可能です。これにより、より効率的な釣りを展開することができ、釣果向上に直結します。
小型魚のバイトについても、15cm程度の豆アジから30cm前後のアジまで、あらゆるサイズのバイトを確実に感知できることが報告されており、見逃しによる機会損失を最小限に抑えることができます。
SM8320はキャロアジングに最適なブランク
マグナムクラフトのラインナップの中で、キャロライナリグやフロートリグを使用したアジングに特化しているのがSM8320です。このブランクは、サクラマス用として開発されましたが、アジングにおいても優れた性能を発揮します。
🎣 SM8320のキャロアジング適性
性能項目 | 詳細 | キャロでの利点 |
---|---|---|
レギュラーファーストテーパー | 段階的な曲がり | 重いリグにも対応 |
適度なパワー | MAXウエイト25g | 12~16gのキャロに最適 |
感度維持 | 高弾性カーボン使用 | 遠距離でもアタリ明確 |
汎用性 | 多魚種対応 | アジ以外の魚種も |
マグナムクラフトのブランクでキャロ用ロッドを作るならSm8325になると思います。レギュラーファーストテーパーなので、重いチタンティップを繋ぐとかなりブレますが、カーボンソリッドティップならいい感じに仕上げられます。
出典:アジングにおすすめのマグナムクラフトのブランクをご紹介!
SM8320(記事中ではSm8325として言及)は、キャロアジング専用ロッドとしてはやや強すぎるという評価もありますが、それでもマグナムクラフトの中では最もキャロに適したブランクです。これより軽いブランクでキャロを扱うのは現実的ではないため、必然的な選択となります。
カーボンソリッドティップとの組み合わせが推奨されており、先径1mmのソリッドティップを削って調整することで、理想的な先調子を作り出すことができます。無風時であればPE0.4号で1gのジグヘッドの操作も可能という繊細さを持ちながら、16g程度のキャロまで対応できる懐の深さがあります。
完成品ロッドとしての重量バランスも良好で、長時間のキャロアジングでも疲労を感じにくい仕上がりが期待できます。また、不意の大型魚にも対応できるパワーを持っており、40cmのシーバスや29cmのメバルといった大型魚の実績も報告されています。
シンキングPEラインとの相性も良く、軽量ジグヘッドから重めのキャロまで幅広く対応できる汎用性があります。ただし、シンキングPE使用時は快適に扱えるウエイトの上限が7g程度に下がるため、使い分けが必要です。
価格も他のブランクと同様14,080円(税込)と、キャロ専用ロッドとしては非常にリーズナブルな設定となっており、コストパフォーマンスの面でも優れた選択肢と言えるでしょう。
まとめ:マグナムクラフトのアジングブランクは初心者から上級者まで満足できる性能
最後に記事のポイントをまとめます。
- マグナムクラフトのアジングブランクは高弾性でありながら粘りのある曲がりを実現している
- AJX5917とAJX5919は重量とバット径の違いで使い分けが可能である
- チタンティップとの相性が抜群で、キャスト性能とフッキング性能が向上する
- 価格は14,080円(税込)と高いコストパフォーマンスを実現している
- ロッドビルドでの加工は比較的簡単で初心者でも取り組みやすい
- X5915は最もライトな設計で繊細な釣りに特化している
- ベリー部分の強さにより合わせ遅れが発生しにくい構造となっている
- 魚とのやりとりでは曲がりの粘りで徐々に魚を弱らせる効果がある
- 感度は反響系アタリを確実にキャッチできる優れた性能を持つ
- SM8320はキャロアジング用としてカーボンソリッドとの組み合わせが最適である
- 軽量ジグヘッドから重めのリグまで幅広く対応できる汎用性がある
- 完成品ロッドと比較して50~70%のコストダウンが可能である
- チタンティップの接続は1.6mmのティップ径で市販品との相性が良い
- 台湾製造による高品質と低価格の両立を実現している
- マンドレルから制作されたオリジナル設計による優れたバランス
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- マグナムクラフト アジングブランクAJX | イシグロ公式オンラインショップ
- 【自作チタンティップアジングロッドインプレ】マグナムクラフト8626|あおむしの釣行記4
- Magnum Craft マグナムクラフトAJXシリーズ – 釣道楽屋SABALO
- 5917のアジングロッドのインプレ | MagnumCraft CustomRodBranks
- マグナムクラフトブランクとチタンティップの簡単な接合|アジング一年生re
- マグナムクラフトのブランク。AJX5917が出来上がるまでを追ってみた。 : 某携帯ショップ店員の頭の中
- アジングにおすすめのマグナムクラフトのブランクをご紹介! | 釣りingドットコム
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