シーバスの世界記録について、種類別の最大サイズや記録が更新された経緯を知りたい方も多いのではないでしょうか。日本の釣りメディアやJGFAの記録を調べると、マルスズキ、ヒラスズキ、タイリクスズキの3種で異なる記録が存在していることが分かりました。

特にヒラスズキにおいては、2011年に井上友樹氏によって100.5cm、10.91kgという世界記録が達成されています。本記事では、各種シーバスの世界記録や日本記録について、また記録級のシーバスを狙うためのポイントまで詳しく解説していきます。
この記事のポイント!
- シーバス3種(マル・ヒラ・タイリク)の世界記録と日本記録の違い
- 記録保持者と記録が出た場所や状況の詳細
- ランカーシーバスの定義とサイズによる呼び名の変化
- 記録級シーバスを狙うための時期・場所・タックル選び
シーバス世界記録の歴史と現在の記録保持者を徹底解説
- マルスズキの世界記録は126cm、13.14kgが最大サイズ
- ヒラスズキは100.5cm、10.91kgが世界記録を更新
- タイリクスズキの日本最大は134cm、20.8kg
- シーバスの種類と日本記録の違いを解説
- ランカーシーバスの定義は80cm以上から
- シーバスのサイズによる呼び名の変化
マルスズキの世界記録は126cm、13.14kgが最大サイズ
シーバスの公式な世界記録として、マルスズキで全長126cm、体重13.14kgという記録が登録されています。この記録は、日本の魚のサイズ認定機関であるJGFAに正式に登録されている数値です。
記録魚は大分県佐伯市を流れる番匠川の支流、堅田川で2006年10月9日に釣り上げられました。当時の状況について詳しい記録が残されており、JGFAの公式記録として認定されています。
この記録は現在も破られておらず、マルスズキの世界最大記録として認定され続けています。マルスズキは港湾部や湾沖などで釣られることが多く、シュッとした長細い体型が特徴です。
記録魚の体長と重量の比率を見ると、126cmで13.14kgという数値は、マルスズキの一般的な体型の特徴をよく表していると言えます。マルスズキはシーバスの中でも最も一般的に釣られる種類で、多くのアングラーに人気のターゲットとなっています。
河川での記録魚であることから、秋の産卵期に河川を遡上してきた個体であった可能性が高いと推測されます。一般的にマルスズキは秋に最もサイズの良い個体が釣れやすいとされています。
ヒラスズキは100.5cm、10.91kgが世界記録を更新
ヒラスズキの世界記録は2011年に更新され、100.5cm、10.91kgという記録が打ち立てられました。この記録を達成したのは、プロアングラーの井上友樹氏です。
それまでの記録である94cm、9.66kgを大きく上回る記録となり、待望のメーターオーバー、10キロオーバーを同時に達成した歴史的な記録となりました。ヒラスズキはマルスズキと比べて体高が高く、ドッシリとした体型が特徴です。
井上氏はジャンプライズのルアー設計も手がけるプロフェッショナルで、磯からのヒラスズキ釣りに精通しています。この記録魚は磯の激荒れたサラシの中で釣り上げられ、その時の感動で涙を流したという記録も残されています。
ヒラスズキは磯の荒れた場所を好んで生息することから、マルスズキと比べて釣り場へのアプローチも難しく、多くの釣り人から特別視される存在となっています。体高が高く重量感のある体型により、同じ体長でもマルスズキより重量が出る傾向があります。
この記録更新により、ヒラスズキの持つポテンシャルの高さが証明され、多くのアングラーに大きな影響を与えることとなりました。
タイリクスズキの日本最大は134cm、20.8kg
2008年に大分県で134cmのシーバスが釣り上げられ、当初はマルスズキの記録更新かと注目されました。しかし、この個体は海外から移入されたタイリクスズキと同定され、タイリクスズキの日本記録として認定されることとなりました。
タイリクスズキの記録は134cm、20.8kgと、マルスズキやヒラスズキと比較しても圧倒的な数値を示しています。この魚は大分県の番匠川で釣り上げられ、当時は高校2年生の下川くんによって捕獲されました。
釣れた状況は、秋雨前線通過後の夜8時半、濁った水の中でのフッキングだったとされています。近くにいた釣り人の手を借りてようやくランディングに成功したという記録が残されています。
タイリクスズキは移入種であることから、JGFAの公式記録としてはマルスズキやヒラスズキとは別枠で扱われています。しかし、そのサイズの大きさは驚異的で、シーバスの持つポテンシャルの高さを示す好例となっています。
魚体の特徴や遺伝的な分析により、タイリクスズキと同定されたことで、日本に生息するシーバスの種類についての理解も深まることとなりました。
シーバスの種類と日本記録の違いを解説
シーバスは大きく分けて、マルスズキ、ヒラスズキ、タイリクスズキの3種が日本で確認されています。それぞれ生息環境や体型特徴が異なり、記録も別々に管理されています。
マルスズキは港湾部や湾沖で多く見られ、シュッとした長細い体型が特徴です。対してヒラスズキは磯の激荒れた場所に生息し、体高が高くドッシリとした印象を与えます。タイリクスズキは移入種で、特に大きな個体が確認されています。
JGFAによる公式記録では、マルスズキが126cm、13.14kg、ヒラスズキが100.5cm、10.91kg、タイリクスズキが134cm、20.8kgとなっています。それぞれの記録は、魚種の特徴をよく反映した数値となっています。
生態的な特徴の違いから、釣り方や狙うポイントも種類によって大きく異なります。マルスズキは仕事帰りにも狙えるような身近な存在である一方、ヒラスズキは厳しい自然条件と対峙しなければならないことも多いです。
これらの違いを理解することは、シーバス釣りを楽しむ上で重要な要素となっています。記録を狙う際も、対象となる魚種によって適切なアプローチを選択する必要があります。
ランカーシーバスの定義は80cm以上から
シーバス釣りにおいて、80センチ以上の個体は「ランカー」と呼ばれています。この定義は、シーバスの成長過程や一般的なサイズ分布を考慮して設定されています。
ランカーサイズのシーバスは、セイゴやフッコと呼ばれる若い個体と比べて、より慎重な性格を持っています。経験豊富で警戒心が強く、ルアーを見抜く知恵を持っているとされています。
ランカーを狙う際は、流れを読み取ることが重要です。大きなシーバスほど餌を追い回すことが減り、流されるベイトフィッシュを待ち伏せする傾向があります。流れが目に見える川はもちろん、磯や堤防でも海流の向きと強さを把握することが必要です。
また、レンジ(水深)の選択も重要なポイントです。セイゴやフッコが釣れているレンジとは異なることも多く、時にはあえて小型魚が釣れているレンジを避けてアプローチすることも有効です。
このように、ランカーを狙うためには通常のシーバス釣りとは異なるアプローチが必要となり、より高度な技術と経験が求められます。
シーバスのサイズによる呼び名の変化
シーバスは出世魚として知られ、成長段階によって呼び名が変化します。関東での一般的な呼び方では、30センチ以下がセイゴ、30〜60センチをフッコ、それ以上のサイズをスズキと呼びます。

シーバス世界記録を狙うためのタックルとテクニック解説
- ランカーシーバスを狙うベストシーズンと場所
- ランカーが釣れやすい潮回りと時間帯
- シーバスの世界記録を狙うためのタックル選び
- ランカーシーバスの引きの特徴と対処法
- 記録級シーバスを狙うためのルアー選び
- まとめ:シーバス世界記録と攻略法のポイント
ランカーシーバスを狙うベストシーズンと場所
ランカーシーバスを狙うなら、秋が年間で最も釣りやすいシーズンとされています。産卵前の栄養補給のため、岸近くに大型個体が接近してくる時期です。
コノシロや落ち鮎などの大きなベイトフィッシュを積極的に追いかけるため、大型のルアーでも効果的にアプローチできます。河川では増水パターンと呼ばれる、大雨後の濁り水の時期も狙い目です。
冬は産卵のために川や湾から沖へと移動する時期となります。川や湾奥は厳しい状況になりますが、ボートで沖を狙ったり、産卵場に近い堤防や磯で狙うことで、普段は出会えないような大型個体とも遭遇できます。
場所選びでは、河川、サーフ、磯、港湾部、ボートと様々な選択肢があります。特に河川は流れや橋脚などの目で判断できる要素が多く、ポイントを絞りやすい特徴があります。
大型のシーバスは頭が良く、人間がルアーを届けにくいストラクチャーや流れの一等地に潜んでいることが多いため、そういった場所を重点的に攻める必要があります。
ランカーが釣れやすい潮回りと時間帯
満潮や干潮から潮が動き始めた前後がチャンスタイムとなります。干潮からの上げ潮では、水位の上昇と共に浅場にフィーディングしに来るシーバスを狙えます。
満潮からの下げ潮では、シャローにいたシーバスが深い場所に落ちてくるタイミングを狙います。また、潮止まりのタイミングでベイトの動きが止まった瞬間を狙うシーバスもいます。
ランカーシーバスは条件が合えばデイゲームでも釣ることができますが、夜間のほうが釣れるチャンスが増えます。朝夕のマズメ時をまたぐような釣行がおすすめです。
天候面では、曇天もしくは雨の日が釣りやすい傾向にあります。デイゲームではローライトコンディションが重要で、大雨後の濁りもシーバスには好条件となります。
台風後もランカーが釣りやすいチャンスですが、アングラーの安全を考慮し、台風が過ぎてから数日後に様子を見てからの釣行が賢明です。
シーバスの世界記録を狙うためのタックル選び
スモーキー・カミーユ77(オフト)やアルデバラン(シマノ)など、シーバス専用に設計されたタックルを使用することで、大物とのやり取りに対応できます。
ラインは0.6号のPEラインに12lbのリーダーを組み合わせる例が記録されています。ジグは8.3gクラスの軽量なものから、状況に応じて重めのものまで使い分けます。
ルアーではジャンプライズのラムタラバデル105やモアザンクロスウェイク111F-SSRなど、ドリフトとの相性が良く、レンジのとりやすいものが効果的です。大型個体を狙う場合は、コスケ110fやモンスターヒッター156Fなどのビッグベイトも有効です。
シリコン製のソリッドボディを持つシリテンバイブやビットブイ26など、スレたシーバスにも効果的なルアーも、状況によって使い分けることで結果を出しやすくなります。
タックル選びでは、ベイトの種類やサイズ、釣り場の状況に応じて適切なものを選択することが重要です。春から夏はマイクロベイトやバチに、秋はより大きなベイトに合わせた選択が必要となります。
ランカーシーバスの引きの特徴と対処法
ランカーシーバスはセイゴやフッコクラスと比較して警戒心が高く、経験豊富で、ルアーを見抜く知恵を持っています。大きな魚体に成長するまで生き残ってきた個体だけに、その引きも強力です。
ドリフトは流れのある川・海でランカーを騙しやすいテクニックとされています。ルアーを自然の流れに乗せて流すことで、体力を使わずに餌を捕食する習性のあるランカーに効果的です。
近くの釣具店や海釣り公園などで、コノシロ・イワシなどのベイトフィッシュの情報を入手することも重要です。大型のベイトフィッシュの接岸が見られる場合は特に大きなチャンスとなります。
引きの特徴として、重量感のあるトルクのある引きが特徴的です。根がかりを警戒する必要があり、堤防を横に移動してやり取りするなどの対応が必要になることもあります。
ランディング時は、タモ網を使用して確実に取り込むことが重要です。コロダイなど似た魚種と見間違えやすいため、最後まで慎重な対応が求められます。
記録級シーバスを狙うためのルアー選び
ランカーシーバスを狙う際のルアー選択は、ターゲットとなるシーバスが捕食しているベイトサイズに合わせることが基本となります。季節によって使用するルアーも変化させる必要があります。
春から夏にかけては、マイクロベイトやバチに大型のシーバスがつくため、細身のルアーやマイクロプラグが効果的です。一方、秋になるとベイトが大型化してくるため、ボリュームのあるルアーを選択する機会が増えてきます。
冬はトウゴロウイワシやヒイラギパターンなどが存在し、それらに似せたルアーを選択すると良い結果が期待できます。また、セイゴやフッコを避けてランカーシーバスだけを狙う場合は、ビッグベイトも有効な選択肢となります。
特に秋のシーズンは、コノシロや落ち鮎パターンの必須アイテムとしてモアザンモンスターヒッター156Fなどの大型ルアーが効果を発揮します。水面直下をドリフトで攻略する場合は、カゲロウ124などのシャローランナーも有効です。
ハードルアーでは反応が悪い状況では、シリテンバイブやスリートラップなどのソフトルアーも検討する価値があります。状況に応じて複数のルアーを使い分けることで、より多くのチャンスを手にすることができます。

まとめ:シーバス世界記録と攻略法のポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- マルスズキの世界記録は126cm、13.14kgで大分県の堅田川で記録
- ヒラスズキは井上友樹氏により100.5cm、10.91kgの世界記録を達成
- タイリクスズキは134cm、20.8kgの日本記録が存在
- ランカーシーバスは80cm以上と定義される
- 秋季は産卵前の大型個体が接近し、最も釣りやすい時期
- 満潮・干潮の潮の変わり目が釣果のチャンスタイム
- 夜間の方がランカーは釣れやすい傾向にある
- 曇天や雨天はシーバスには好条件となる
- ドリフトはランカーを狙う有効なテクニック
- 季節によってベイトサイズが変化し、ルアー選択も変える必要がある
- 大型個体は警戒心が強く、経験豊富である
- タモ網での確実なランディングが重要