シーバス釣りでビッグベイトを使う人が増えていますが、専用のリールについて悩んでいる人も多いのではないでしょうか。今回はダイワから登場したタトゥーラTW300をシーバスフィッシングでどう活用できるのか、注目の性能や実際の使用感について詳しく解説していきます。

このリールは43mmの大型スプール、325gの重量感、PE3号を285m巻けるラインキャパなど、ビッグベイトに特化した設計が特徴です。固定式マグフォースブレーキを搭載し、重いルアーでも安定したキャストを実現。一方で、クラッチの不具合や重量による疲労感など、気になる点もあります。
この記事のポイント!
- タトゥーラ300の基本性能とシーバスフィッシングでの適性
- 固定式マグフォースブレーキの特徴と使用感
- クラッチトラブルなど要注意ポイントと対処法
- スコーピオンMDなど他機種との違いと選び方
シーバスフィッシングでタトゥーラ300は使えるのか?実力を徹底解説
- ビッグベイト専用機として設計された特徴を解説
- スプールとラインキャパシティが豊富で安心感がある
- 固定式マグフォースブレーキで安定したキャストを実現
- 巻き取り性能とドラグ力で大物にも対応可能
- 気になるクラッチの不具合と対処法について
- スコーピオンMDとの性能比較で分かる違い
ビッグベイト専用機として設計された特徴を解説
タトゥーラTW300は、ビッグベイトやジャイアントベイトを使用することを想定して設計された専用機です。全長110mmの超ロングハンドルと大型I型ノブを採用し、重量のあるルアーでも楽に巻き取ることができます。
自重は325gとやや重めですが、これはアルミボディの採用による高剛性と、大型ルアー使用時の安定性を重視した結果です。ボディデザインはダイワ伝統のロープロファイル形状を踏襲しており、パームグリップ時の操作性も考慮されています。
スプール径は43mm、ギア比は6.3:1と8.1:1(XH)の2種類から選択可能です。XHモデルの場合、1回転あたりの巻き取り長は109cmにも達し、ビッグベイトの高速リトリーブにも対応できます。
ドラグ力は最大13kg(XHモデルは11kg)を誇り、大型シーバスとの対決にも十分な性能を備えています。ベアリングは7BB+1RBを搭載し、滑らかな回転性能を実現しています。
メーカー希望小売価格は37,000円(税抜)とビッグベイト専用機としては比較的リーズナブルな価格設定となっています。
スプールとラインキャパシティが豊富で安心感がある
43mmの大径スプールは、PE3号を285m、5号を160m収納可能です。これは従来の同クラスのリールと比較しても十分な容量で、ビッグベイトやジャイアントベイトによる遠投時でも安心感があります。
ナイロンラインの場合は20lbを185m、25lbを145m巻くことができ、シーバスフィッシングで一般的に使用されるラインサイズにも対応します。シーバス用のリーダーラインとして使用される20〜25lbクラスのラインも、十分な長さを巻くことが可能です。
スプールの素材には超々ジュラルミンを採用し、強度と軽さを両立。スプール幅は26.5mmで、ラインの放出がスムーズに行えるよう設計されています。
大容量スプールの採用により、高切れした際のバックアップラインとしても十分な余裕を持たせることができます。特に70m以上の飛距離が出せる状況では、この余裕は大きな安心感につながります。
実釣での使用時には、スプール残量が少なくなっても安定した飛距離を維持できる特徴があります。これは大径スプールの特性を活かした設計によるものです。
固定式マグフォースブレーキで安定したキャストを実現
タトゥーラTW300に搭載された固定式マグフォースブレーキは、インダクトローターが動かない設計を採用しています。これにより、常に一定のブレーキ力がかかり続け、空気抵抗の大きいビッグベイトでも安定したキャストを実現します。
ブレーキ調整は外部からダイヤル操作で行え、0〜20の範囲で細かな調整が可能です。実釣では12〜14の設定で使用することが多く、この範囲で十分な飛距離と安定性を両立できます。
マグフォースブレーキの特徴として、キャスト中のラインの浮きが少なく、バックラッシュのリスクを大幅に低減できます。これはビッグベイトのような重量級ルアーを使用する際に特に有効です。
オーバーヘッドキャストでの遠投時でも、ラインの浮きをほとんど感じることなくキャストできます。また、ショートキャストやピッチングなどの繊細なキャストでも、ブレーキの効きが安定しているため扱いやすい特徴があります。
ブレーキ力を下げることで弾道を調整することも可能で、8前後の設定にすることで低めの弾道でのキャストも可能です。ただし、風の影響を受けやすい条件下では、やや強めのブレーキ設定が推奨されます。
巻き取り性能とドラグ力で大物にも対応可能
HYPERDRIVEデザインを採用したタトゥーラTW300は、高い初期性能と持続力を備えています。ギアには高強度真鍮を使用し、パワフルな巻き上げを可能にしています。
XHモデルでは109cmという長い巻き取り長を活かし、ビッグベイトの高速リトリーブやジャークなどのアクションも軽いハンドル操作で実現できます。110mmの超ロングハンドルと相まって、重いルアーでも疲労を軽減できる設計となっています。
最大ドラグ力はノーマルギアモデルで13kg、XHモデルで11kgを発揮。UTD(アルティメットトーナメントドラグ)システムを搭載し、ドラグの立ち上がりがスムーズで、より繊細なドラグ調整が可能です。
巻き取り時のギア感は、やや機械的な印象があるものの、パワーのある巻き上げを実現。特にビッグベイトやジャイアントベイトの巻き取り時には、このパワフルさが活きます。
また、HYPER DOUBLE SUPPORTシステムにより、ピニオンギアの両端を2つのベアリングで支持。負荷のかかる状況でも安定した巻き取りを維持できます。
気になるクラッチの不具合と対処法について
タトゥーラTW300で報告されている主な問題点として、クラッチの不具合があります。具体的には、使用開始から1ヶ月程度経過した時点で、キャスト後にクラッチが空回りして戻らない現象が発生することがあります。
この現象は1日に2〜3回程度発生する可能性があり、その際はハンドルを適当に回すことで噛み合いが回復します。ただし、着水直後のバイトがある場合、このトラブルによってチャンスを逃す可能性があることは留意が必要です。
クラッチトラブルの改善策としては、シム調整による対処が考えられます。ただし、これはメンテナンス時に実施する必要があり、ある程度の技術が必要となります。
また、HYPER TOUGH CLUTCHシステムを搭載しているにもかかわらず、このような不具合が発生することは、タフネスリールとしては気になるポイントと言えます。
メンテナンスを定期的に行うことで予防できる可能性もありますが、使用頻度が高い場合は特に注意が必要です。
スコーピオンMDとの性能比較で分かる違い
スコーピオンMDと比較した際の主な違いは、ラインキャパシティにあります。タトゥーラTW300の方が大きなライン容量を確保できる特徴があり、より余裕を持った釣りが可能です。
また、タトゥーラTW300はマグフォースブレーキ、スコーピオンMDはSVSブレーキと、異なるブレーキシステムを採用しています。それぞれ特徴が異なるため、使用するルアーや釣りのスタイルに応じて選択する必要があります。
価格面では、タトゥーラTW300の方が比較的リーズナブルな設定となっています。ビッグベイト専用機として必要十分な性能を備えながら、コストパフォーマンスの高さも特徴です。
実売価格は25,000円前後で取引されており、ビッグベイト専用機としては入手しやすい価格帯と言えます。特に3oz以上のルアーを使用する場合は、十分な性能を発揮できます。
両モデルともに高い性能を備えていますが、用途や予算に応じて使い分けることをお勧めします。

シーバスフィッシングでタトゥーラ300を活用するポイント
- ミノーやライトルアーでは本来の性能を発揮できない
- オフショアジギングでの使用感と注意点
- ヒラメ釣りでの実力と適性を解説
- カスタマイズによる性能向上のポイント
- 故障しやすい箇所と対策方法
- まとめ:シーバス用タトゥーラ300の選び方と活用法
ミノーやライトルアーでは本来の性能を発揮できない
タトゥーラTW300は、その設計思想からしてビッグベイト専用機として開発されたモデルです。3オンス(約85g)以上のルアーで初めて、その真価を発揮することができます。
ミノーなどの軽量ルアーを使用した場合、マグフォースブレーキが強く効きすぎてしまい、十分な飛距離を得ることができません。このため、2オンス以下のルアーでの使用は推奨されません。
軽いルアーを使用する場合は、スティーズAやジリオンシリーズなど、より適したモデルを選択する必要があります。これらのリールは軽量ルアーの操作性も考慮して設計されています。
325gという本体重量も、長時間の軽量ルアー使用には適していません。疲労感が大きく、繊細なアクションを要求されるミノーイングなどには向いていないと言えます。
このリールの特性を最大限に活かすためには、ビッグベイトやジャイアントベイトなど、重量のあるルアーとの組み合わせが望ましいでしょう。
オフショアジギングでの使用感と注意点
タトゥーラTW300は、そのドラグ力と耐久性からオフショアジギングにも対応可能です。最大ドラグ力13kg(XHは11kg)は、青物など力強い魚種との対決にも十分な性能です。
ソルトウォーター対応の設計で、HYPER TOUGH CLUTCHシステムにより塩分の多い環境でも高い耐久性を発揮します。ただし、定期的なメンテナンスは必須となります。
大容量スプールを活かし、PE3号を285m巻くことができるため、深場でのジギングにも対応可能です。また、PE5号も160m巻くことができ、より太いラインを必要とする状況でも使用できます。
ただし、ジグをシャクる動作に関しては、ベイトリールの特性上、やや扱いにくい面があります。このため、プラグを使用した釣りが主体となるでしょう。
110mmのロングハンドルは、パワフルな巻き上げを可能にしますが、高速ジャーキングなどの激しい動作には向いていない特徴があります。
ヒラメ釣りでの実力と適性を解説
タトゥーラTW300は、ヒラメ釣りで使用される重量級のルアーを扱うのに適した性能を備えています。43mmの大径スプールと固定式マグフォースブレーキの組み合わせにより、重いルアーでも安定したキャストが可能です。
XHギア(8.1:1)モデルでは、1回転あたり109cmという巻き取り長により、素早いリトリーブが可能です。これは、ヒラメのバイトに対する即座の対応を可能にします。
ドラグ力は最大13kg(XHは11kg)を発揮し、大型ヒラメとの対決にも十分な性能を備えています。UTDシステムによりドラグの立ち上がりも滑らかで、突然の引きにも対応できます。
ソルトウォーター対応の設計で、HYPER TOUGH CLUTCHシステムにより、海水環境でも高い耐久性を発揮します。ただし、砂浜での使用時は、砂の侵入に注意が必要です。
PE3号を285m巻けるラインキャパシティは、遠投時やランディングまでの余裕を持たせることができ、ヒラメ釣りにおいて安心感のある仕様となっています。
カスタマイズによる性能向上のポイント
タトゥーラTW300のカスタマイズで最も効果的なのは、ハンドルノブの交換です。標準装備のI型ノブは交換可能で、Sサイズの互換性があります。
クラッチ回りのシム調整は、不具合対策として効果的です。ただし、この作業にはある程度の技術が必要となるため、慎重に行う必要があります。
ベアリングのカスタマイズも可能ですが、標準で7BB+1RBを搭載しており、通常使用では十分な性能を発揮します。追加のベアリングを入れる場合は、回転系の軽量化が期待できます。
ドラグワッシャーの交換やグリスアップは、より滑らかなドラグ性能を得るために効果的です。ただし、最大ドラグ力13kgという基本性能は十分な値となっています。
スプールは超々ジュラルミン製で、これ以上の軽量化は難しいため、カスタマイズの必要性は低いと言えます。
故障しやすい箇所と対策方法
タトゥーラTW300の最も注意すべき故障ポイントは、クラッチ機構です。使用開始から1ヶ月程度で、クラッチの戻りが悪くなるケースが報告されています。
この症状は1日2〜3回程度発生する可能性があり、ハンドルを回すことで一時的に解消されます。ただし、バイトのタイミングと重なると、チャンスを逃す原因となり得ます。
防水性能は高いものの、使用後のメンテナンスは重要です。特に海水での使用後は、真水での洗浄を徹底する必要があります。
ギア周りは高強度真鍮を使用しており、通常使用では問題ありませんが、定期的なグリスアップが推奨されます。特にヘビーデューティーな使用をする場合は、この点に注意が必要です。
長期使用におけるメンテナンス時期の目安は、使用頻度にもよりますが、定期的な点検を行うことで予防的な対応が可能です。

まとめ:シーバス用タトゥーラ300の選び方と活用法
最後に記事のポイントをまとめます。
- ビッグベイト専用機として設計され、3オンス以上のルアーで真価を発揮する
- 43mmの大径スプールとPE3号285mの大容量ラインキャパを実現
- 固定式マグフォースブレーキにより安定したキャスティングが可能
- 最大ドラグ力13kg(XHは11kg)で大物にも対応
- XHモデルは1回転109cmの巻き取り長で高速リトリーブが可能
- 110mmのロングハンドルで重量級ルアーも楽に巻ける
- クラッチの戻り不良に注意が必要
- 軽量ルアーには不向きで、2オンス以下での使用は非推奨
- ソルトウォーター対応だが、使用後のメンテナンスが重要
- 325gの重量は長時間使用時の疲労に影響
- ハンドルノブはSサイズ互換でカスタマイズ可能
- 実売価格25,000円前後でコストパフォーマンスに優れる