エギングでアオリイカを狙う上で最も重要な技術の一つがシャクリです。シャクリはエギに生命感を与え、イカを効果的に誘う基本的なアクションですが、上級者と初心者では大きな差が出る部分でもあります。

シャクリには2段シャクリや3段シャクリなどの基本テクニックがあり、それぞれ状況に応じた使い分けが必要です。また、ラインのたるみ具合や手首の使い方、潮の流れに応じたリズム調整など、様々な要素が絡み合って最適なシャクリが実現します。
この記事のポイント!
- 上級者のシャクリの特徴と基本的な考え方
- 効果的なシャクリを実現するための具体的なテクニック
- 状況に応じたシャクリの使い分け方
- シャクリの上達に必要な練習方法とコツ
エギング上級者のシャクリ方で圧倒的な差をつける極意とは
- シャクリにこそ上級者の技術が表れる理由
- 上級者は柔らかい手首の使い方でエギを自在に操る
- ラインのたるみ加減で差が付く上級者テクニック
- エギの位置によって使い分けるシャクリの強弱
- 2段シャクリと3段シャクリの使い分け方
- 潮の流れを読んで変えるシャクリのリズム
シャクリにこそ上級者の技術が表れる理由
シャクリは単純なロッドの上下運動ではありません。アオリイカは高い知能を持ち、エギをしっかりと目で確認して判断していることが分かっています。
エギングの上級者は、この特性を理解した上でシャクリを行っています。シャクリによってエギに自然な動きを与え、イカの捕食本能を刺激することができます。
エギは水中でポンポンと跳ね上がるアクションを見せることで、周囲のイカに存在感をアピールします。このアクションは特に春のエギングで重要で、産卵期の大型イカを狙う際に効果的です。
上級者はシャクリの強さや速さを調整し、イカの活性に合わせた誘いを実現します。力任せの動作ではなく、適切なタイミングと強さでエギを操ることで、より多くのヒットに結びつけています。
また、シャクリはエギを高く跳ね上げることで、海底の障害物を避けながら広範囲のアオリイカにアピールできる利点もあります。
上級者は柔らかい手首の使い方でエギを自在に操る
上級者のシャクリの特徴は、手首の柔軟な使い方にあります。手首を柔らかく使うことで、エギに伝わる力を微調整し、より自然でスムーズな動きを実現しています。
特にエギのダート幅やスピードを調整する際には、手首の動きが重要な役割を果たします。リラックスした状態でシャクることで、エギに自然な動きを与えることができます。
このリラックスした動きにより、ロッド全体がしなやかにしなり、そのしなりがエギの動きを増幅させます。力みすぎず、かつ適度な力を加えることで、効果的なアクションが可能になります。
上級者は、ロッドをムチのように使い、手首の柔軟な動きでエギに自然でキレのある動きを与えます。この技術が、イカを効果的に引き寄せる鍵となっています。
また、手首を弾くように動かすことで、エギが左右に大きくダートし、イカに強烈なアピールを行うことができます。
ラインのたるみ加減で差が付く上級者テクニック
上級者がエギングで実践する重要なポイントの一つが、適切なラインのたるみ加減です。ラインが張りすぎていると、エギの動きが制限され、自然な動きが失われてしまいます。
シャクリの際は、少しラインをたるませた状態から開始することで、より効果的なアクションを生み出すことができます。ただし、たるみすぎるとエギのコントロールが難しくなるため、適度な加減が重要です。
上級者は、7時から12時程度の角度でロッドを動かし、一気に鋭くシャクリを行います。振り上げ後は、ロッドを下げながらリールを巻き、ラインのたるみを調整していきます。
エギングでは、ラインのたるみ具合がアタリの感度にも影響を与えます。適切なたるみを保つことで、イカのアタリを敏感に感じ取ることができます。
特に着底時や誘い時のラインのたるみは重要で、上級者はこの加減を常に意識しながら釣りを行っています。ラインが張りすぎている状態では、エギがイカに違和感を与えてしまう可能性があります。
エギの位置によって使い分けるシャクリの強弱
エギの位置によって、シャクリの強さと角度を変えることが重要です。遠投時は、ラインの角度が寝ているため、エギが上がりにくい特徴があります。
エギが遠くにある場合は、大きめの力でシャクリを行い、エギを十分に跳ね上げる必要があります。一方、手前に来るほどラインの角度が立ってくるため、より小さな力でエギを動かすことができます。
近場では、エギが水面から飛び出すリスクがあるため、シャクリの強さを抑えめにする必要があります。特に水深が浅い場所では、控えめなシャクリで対応することが重要です。
また、エギの位置によってフォールのスピードも変化します。ラインの角度が立っているほど、エギはゆっくりと沈んでいきます。上級者はこの特性を理解し、状況に応じてフォール時間を調整しています。
シャクリの強弱は、水深や潮の流れ、エギの重さなども考慮して決める必要があります。上級者は、これらの要素を総合的に判断しながら、最適な強さでシャクリを行っています。
2段シャクリと3段シャクリの使い分け方
シャクリの基本となるのは2段シャクリですが、状況に応じて1段や3段シャクリも効果的です。シャクリの回数は、水深や対象とするイカの状態によって選択します。
2段シャクリは、一般的なシチュエーションで使用される基本的なテクニックです。1回目のシャクリでエギを跳ね上げ、2回目でさらに高く跳ね上げることで、イカにアピールします。
3段シャクリは、より高くエギを跳ね上げたい場合や、深場での釣りに効果的です。ただし、シャクリの回数が増えるほど、エギが着底するまでの時間も長くなることを意識する必要があります。
1段シャクリは、水深が浅い場所や、イカの活性が低い時に有効です。シンプルな動きでイカを刺激し、抱かせるチャンスを作ります。
シャクリの回数は、その日のイカの反応を見ながら調整していくことが重要です。上級者は、イカの活性や水深に応じて、臨機応変にシャクリの回数を変えています。
潮の流れを読んで変えるシャクリのリズム
潮の流れは、エギの動きに大きな影響を与えます。上級者は、潮の速さや方向を読み、それに合わせてシャクリのリズムを調整しています。
潮の流れが速い場合、エギは潮に流されながら沈んでいくため、通常よりも沈下速度が遅くなります。このような状況では、シャクリの間隔を広げ、エギが適切な水深まで沈むのを待つ必要があります。
一方、潮の流れが遅い場合は、より短い間隔でシャクリを行うことができます。これにより、効率的にポイントを攻めることが可能になります。
上級者は、一定のリズムでシャクリを行うことで、エギに安定した動きを与え、イカを効率的に誘えるようになっています。リズムとタイミングを適切に取ることが、釣果向上の重要なポイントとなります。
シャクリのリズムは、エギを動かすための一貫したパターンを作るために必要です。上級者は一定のリズムでシャクリを行い、エギに安定した動きを与えています。

エギング上級者になるためのシャクリ方実践テクニック
- ショートジャークとの組み合わせで広がる可能性
- 水深に合わせたシャクリ回数の調整方法
- フォールタイムを意識したシャクリの極意
- エギの特性を活かすシャクリテクニック
- 上級者はここを意識!ロッドの使い方
- まとめ:エギング シャクリ方 上級テクニックで釣果アップを目指そう
ショートジャークとの組み合わせで広がる可能性
ショートジャークは、エギが横方向へ跳ねるアクションパターンです。左右へ規則的に鋭く動くエギが、アオリイカの興味を惹きつけることができます。
シャクリよりもラインがたるむ時間が短く、ハイテンポに仕掛けを動かせる特徴があります。特に風が強い日や広範囲を手早く探る時の動かし方に適しています。
やり方は、リールを巻きながら行うふり幅の小さなシャクリというイメージです。8時から10時程度までの角度で、シャクリの時よりも小さくロッドを振り上げます。
このアクションは、1回の上げ下げごとにリールを1巻きし、連続して5回ほど素早く行うのがポイントです。特に高活性な新子が多い夏から秋にかけては非常に効果的です。
また、アマモの上や水深がない場所でも根掛かりしないよう横の動きが活きてくる場面があります。状況に合わせて縦方向と横方向アクションの使い分けを意識することが重要です。
水深に合わせたシャクリ回数の調整方法
水深の浅い場所では、力を込めて何回もシャクリを行うとエギが水面から飛び出してしまう危険性があります。一方、水深の深い場所では複数回シャクリが可能ですが、沈下に掛かる時間は増えていきます。
標準的なエギの沈降速度は、3.5号で1mあたり約3秒程度かかります。ただし、実釣時は潮や風の影響を受けるため、スペック表よりも沈むのに時間がかかるケースがほとんどです。
港内では基本速度から0-1秒、外側では1-2秒、風や潮が気になる日は2秒程度余分に時間がかかると考えて調整します。この沈降速度を把握することで、適切なシャクリ回数を選択できます。
シャクリ1回で1.5m程度跳ね上がると考えると、5カウント程度で着底する計算になります。初回は着底確認を行い、その後はカウントを入れながら、自分のロッド操作でどの程度跳ね上がっているのか確認することが大切です。
明るい時間帯であれば、足元にエギを落として沈むスピードを目で見て確認することも重要な練習となります。実際の動作を見ることで、より正確な感覚を身につけることができます。
フォールタイムを意識したシャクリの極意
フォールは、エギが自分の重さで前傾姿勢になりながら、海底へ向かって沈んでいくアクションです。アオリイカが腕でエギに触るのはこの瞬間が多く、エギングでは最も重要度の高いアクションといえます。
エギは頭を下にして、揺れずにスーッと落ちていきます。この姿勢と揺れない落下はアオリイカが好むアクションで、ラインを張りすぎて頭が上向きになっていたり、途中で引っ張ってエギが揺れるような操作は避けましょう。
コツは巻きやロッドアクションを入れず自然に沈めることですが、イカのタッチやアタリを認識するためにはラインにある程度の張りが必要です。シャクリやジャークの時と同じく少したるみを作りながら、エギの落下に合わせてラインも動くような張り具合を探ることが大切です。
フォール中はラインをスーッと持っていかれる動きが出るので、怪しい動きをしたらシャクリのような動作でアワセを入れます。ラインにたるみを作っているので、大きな動作でアワセるのがポイントです。
着底したエギをイカが抱いて持っていった場合もラインに動きが出ますが、このパターンは次動作のシャクリがアワセになるので、急にヒットすることがあると知っておけば落ち着いて対処ができます。
エギの特性を活かすシャクリテクニック
エギはオモリの形状やヘッドの形によって、得意なアクションが異なります。ダートタイプ・サーチタイプのエギは、上方向への移動距離を抑え、横方向へ跳ねる距離を伸ばした設計になっています。
このタイプのエギは、ジャークとの相性が良く、鋭くキレのある動きを見せます。1回シャクリで跳ね上げて5回ほどジャーク→フォールの繰り返し、このジャーク部分に変化をつけていくのがおすすめです。
一方、フォールタイプは、沈む姿勢にこだわったものや、沈降速度がノーマルよりもスローなモデルです。どちらもフォールを綺麗に、長く見せるというのが特徴なので、アクションはシャクリをメインにして、跳ね上げで落ちる高さを稼ぎましょう。
1回シャクリで跳ね上げ→2段シャクリ→フォールなど、シャクリを連続で行って、フォール時間を長めにとるコンビネーションがおすすめです。エギの特性を理解し、それを活かしたシャクリ方を選択することで、より効果的な誘いが可能になります。
エギを選ぶ際は、その日の釣りスタイルや状況に合わせて、シャクリとの相性も考慮に入れることが重要です。それぞれのエギの特徴を活かすことで、より効率的な釣りが可能になります。
上級者はここを意識!ロッドの使い方
エギングロッドは8フィート程度が標準的で、7フィートクラスは短め、8.6フィート以上は長めの長さです。それぞれの長さによって、シャクリの特性も変わってきます。
長いロッドは、シャクリ1回のふり幅が大きく、ストロークの長いアクションができます。遠くてもエギがしっかり動き、一度で跳ね上がる高さも高いという特徴があります。遠投と高さで広範囲にアピールするような釣り方に向いています。
短いロッドは長いロッドと正反対の特性を持ちます。シャクリ1回のふり幅が小さいかわりに、ロッドの振りはロングロッドほどパワーを必要としません。スピードを出して、ハイテンポに動かしていくシャクリ方に適しています。
ロッドの硬さも重要な要素です。硬いロッドは、エギを鋭く動かすアクションに適しています。一方、柔らかいロッドは、エギをナチュラルに、スローに扱うアクションが得意です。
それぞれの特性を理解し、自分の釣りスタイルに合った道具を選ぶことで、より効果的なシャクリが可能になります。特に初心者の方には、振りやすさを重視して少し柔らかめのロッドがおすすめです。

まとめ:エギング シャクリ方 上級テクニックで釣果アップを目指そう
最後に記事のポイントをまとめます。
- シャクリはエギングの基本アクションであり、上級者の技術が最も表れる部分である
- 手首の柔軟な使用が、自然でキレのあるエギの動きを生む
- 適切なラインのたるみ加減が、効果的なシャクリの鍵となる
- エギの位置や水深によって、シャクリの強さと回数を調整する必要がある
- 2段シャクリを基本としつつ、状況に応じて1段や3段も使い分ける
- 潮の流れを読み、それに合わせたシャクリのリズムを作る
- ショートジャークとの組み合わせで、より多彩な攻め方が可能になる
- フォールタイムを意識し、イカの抱きやすいタイミングを作る
- エギのタイプによって、最適なシャクリ方が異なる
- ロッドの長さと硬さを理解し、適切な使い分けをする
- 水深や潮の影響を考慮したシャクリ回数の調整が重要
- 実践を通じて、自分に合ったシャクリのリズムを見つけることが上達への近道である