エギング好きなみなさんは、潮を見る時にいつも小潮を避けていませんか?小潮は潮の動きが弱く、イカの活性も低いため敬遠されがちです。しかし最近の研究や経験から、小潮ならではの攻略法や釣果につながるポイントが分かってきました。

実は小潮には、潮の流れが緩やかで長時間釣りを楽しめる、人気ポイントが空いているなどのメリットがあります。この記事では、小潮の特徴を理解し、効果的なエギングの方法や、狙うべきポイント、タイミングについて詳しく解説していきます。
この記事のポイント!
- 小潮時の海の状態と潮の動きの特徴について理解できる
- 小潮でもアオリイカが釣れるタイミングと攻め方が分かる
- ポイント選びと時間帯の重要性について学べる
- 小潮特有のメリットを活かした釣り方のコツを習得できる
小潮でもエギングで釣果を上げるコツと攻略法
- 小潮の特徴と潮の動きを理解する
- エギングに適した潮回りと時合いのポイント
- 小潮時のアオリイカの行動パターンと習性
- 小潮でエギングをする際の具体的な釣り方
- 潮の流れが弱い時のエギの選び方と使い分け
- 小潮時に効果的なポイント選びのコツ
小潮の特徴と潮の動きを理解する
小潮とは、満潮と干潮の差が最も小さくなる時期を指します。月の引力が要因となり、上弦や下弦の時期に発生します。この時期は潮の動きが緩やかで、海水の流れがあまり強くありません。
潮位の変化も少なく、干満の差が小さい状態が続きます。これにより、潮の流れを読むのが難しくなる面もありますが、逆に魚の居場所を絞り込みやすいというメリットもあります。
実際の潮の動きは、タイドグラフのような滑らかな変化ではなく、「止まる」「下がる」「ちょっと止まる」「めちゃ下がる」といった不規則な動きをすることが分かっています。1、2時間ほとんど動かないこともあります。
水温と塩分濃度(密度)、濁りの差、潮の速さなどが潮目を形成する要因となります。これらの要素は北極と赤道ほど離れていなくても、目の前の海で十分に発生することがあります。
小潮の時期は釣り場が混雑しにくいため、じっくりとポイントを選んで釣りができるという利点があります。また、流れが緩やかなので、釣りやすい時間が長く続くこともあります。
エギングに適した潮回りと時合いのポイント
潮回りについては、若潮あたりから潮の動きが出始め、その後の中潮~大潮にかけてが良い釣果が出やすい傾向にあります。その後、大潮をこえて中潮、小潮に向かって潮が小さくなるにつれ、じわじわと釣果が落ちていく傾向が見られます。
干潮満潮の潮止まり前後1時間が特に重要なポイントとなります。潮止まりは潮の一つの確実な動きであり、その前後には必ず潮の動きが生まれます。これにより、イカの活性が高まる可能性があります。
日没や日の出などのマズメ時に潮止まりが重なると、さらに良い条件となります。光量の変化とベイトの活性化が重なることで、イカの捕食活動が活発になるためです。
水温が16℃以上あることも重要な条件の一つです。また、風向きや天候も考慮に入れる必要があります。例えば曇りの日は朝マヅメの照度変化は少ないものの、朝の高活性が長引く可能性があります。
エギングでは3度のマヅメ、すなわち朝マヅメ、昼マヅメ(潮止まり前後)、夕マヅメが重要な時合いとなります。特に日中の潮止まり前後は第三のマヅメと呼ばれ、見逃せないポイントです。
小潮時のアオリイカの行動パターンと習性
アオリイカの行動は生息海域を変える成長回遊、産卵場を求めての産卵回遊、エサを探す索餌回遊などがあり、その移動には主に海流と潮の動きを利用しています。アオリイカは潮の流れに敏感な生き物であり、小潮時は潮の動きが緩やかなために活性が低くなると考えられてきました。
研究によると、アオリイカの捕食行動は潮の流れが緩んだタイミングで最も活発になることが分かっています。自然界では潮止まり前後がこれに該当し、この時間帯がイカの捕食タイミングとして重要となります。
朝マヅメでは夜間に浅場で捕食していたイカの居残り組が狙えます。また、ワンド入り口は沖に戻るイカの通り道となり、夕マヅメでは捕食のために上がってくるイカを待ち伏せることができます。
イカは沖から潮目が入ってきたり、ベイトフィッシュの群れが次々と動き出したタイミングで捕食活動を活発化させます。潮通しの良さやベイトの存在は、釣り場選びの基本的な要素となります。
イカの生息場所は水温によっても変化します。例えば、ワンドの奥が16℃、入り口の岬周りが18℃だった場合、岬周りの方が良い結果につながりやすいとされています。
小潮でエギングをする際の具体的な釣り方
小潮時のエギングでは、エギの動かし方に工夫が必要です。スローなテンポでのシャクリや、ステイ(止める)時間を長くすることで、イカにアピールすることが効果的です。特に夜間は、ライトを使ってエギを照らすことでイカの注意を引くことができます。
エギの選択も重要です。小潮時は自然な色合いのエギや、光を反射するタイプのエギが効果的とされています。また、シャロータイプのエギで上層からボトムに向けて狙っていくのがベターです。
キャストの方向性も重要で、できる限り潮目(ストラクチャー)に対して「線」で攻められるようにキャストすることがポイントです。これにより、より広い範囲を効率的に攻略することができます。
ポイントを攻める順序も大切です。まずはストラクチャー周りから攻め、手前から狙っていくのが基本となります。貴重なストラクチャーを荒らさないためにも、手前からじっくりと探っていき、当たりがなければ徐々に沖に向かって遠投していくといった工夫が必要です。
朝夕のマズメ時は特に重要な時間帯となります。この時間帯は、イカの捕食活動が活発になるため、この時間帯を狙って釣行すると良い結果が得られやすくなります。
潮の流れが弱い時のエギの選び方と使い分け
小潮時には、軽めのエギを使用するのが基本となります。流れが弱いため、重いエギを使うと不自然な動きになってしまう可能性があります。シャロータイプのエギを使用することで、イカの上層での活動を効果的に狙うことができます。
エギの色選びも重要です。水の透明度や天候に応じて、エギの色を変えることが効果的です。曇りの日や濁りが強い時は派手な色、晴れの日や透明度が高い時は自然な色を選ぶと良いでしょう。
アピール力を高めるために、エギに仮面シンカーを装着することも一つの手段です。これにより、エギの沈下スピードをコントロールしたり、アクションに変化を付けたりすることができます。
夜間の釣行では、発光するタイプのエギや、クリアボディで光を反射するタイプのエギが効果的です。工事現場からの光などを利用して、エギのアピール力を高めることもできます。
潮の動きが弱い時は、エギのアクションもより重要になってきます。シャクリのスピードやリズムを変えることで、イカの反応を引き出すことができます。
小潮時に効果的なポイント選びのコツ
小潮時は、潮通しの良い場所を選ぶことが重要です。具体的には、岬の先端や港内のワンド、防波堤の周辺などが有効なポイントとなります。特にワンドの入り口が深くて潮通しが良い場所は、イカの回遊ルートとなりやすい特徴があります。
水温も重要な要素です。エリアによって水温差があるため、現地で実際に水温を計測することをおすすめします。16℃以上の水温があるポイントを選ぶことで、イカの活性を期待できます。
ベイトフィッシュの存在も見逃せないポイントです。小魚の群れが確認できる場所や、プランクトンが豊富な場所は、イカの餌場となっている可能性が高くなります。
潮目の形成されやすい場所も注目です。潮目には餌となるプランクトンが集まりやすく、それを追って小魚が集まり、さらにそれを追ってイカが集まってくる可能性があります。
クレーンなどの工事現場の光が水面を照らしている部分も、ベイトフィッシュが集まりやすく、イカが補食に来る可能性のある良いポイントとなります。

小潮エギングで確実に釣果を上げる実践テクニック
- マズメ時の潮止まり前後を狙う方法
- 水温と潮目を意識したポイント攻略法
- ワンドや湾内での効果的な釣り方
- 小潮時に使える仕掛けとタックルの選び方
- シャローエリアでの攻め方と注意点
- まとめ:小潮エギングで成功するための重要ポイント
マズメ時の潮止まり前後を狙う方法
マズメ時の潮止まり前後は、小潮時でも良い釣果が期待できる重要なタイミングです。日の出と日没前後の光量変化は、小潮でも魚の活性が高まる時間帯となっています。
朝マヅメでは、夜間に浅場で捕食していたイカの居残り組を狙うことができます。この時間帯は、イカが活発に捕食活動を行う傾向にあります。
夕マヅメは、捕食のために上がってくるイカを待ち伏せするのに適しています。イカは夜行性であり、夕方から夜にかけて活発に活動する習性があります。
時間帯の選定も重要です。日没後の1~2時間がイカの活性が高まる時間帯とされています。潮の上げ下げにマズメが重なるケースでは、特に釣果が期待できます。
潮止まり前後1時間は、潮の変化が確実に起こるタイミングであり、イカのスイッチが入りやすい時間帯です。この時間帯を逃さず、集中して攻めることが重要です。
水温と潮目を意識したポイント攻略法
水温は16℃以上が大前提となります。釣行前にネットなどで釣行予定エリアの水温をチェックし、現地でも実際に水温を計測することをおすすめします。
潮目は餌の宝庫となっています。潮同士の衝突が起きる際、海底からプランクトンや栄養素が巻き上げられ滞留しやすくなります。そこに小型魚が集まり、イカも捕食のために集まってきます。
潮目ができたからといって、すぐにプランクトンが浮上したり魚が集まったりするわけではありません。良い環境が整うには時間がかかるため、しっかりと周囲の状況を観察することが大切です。
潮目に対するキャストは、できる限り「線」で攻められるように工夫することが重要です。移動が可能であれば、自らが移動して「線の釣り」ができる立ち位置を確保することをおすすめします。
水温差のあるポイントでは、より水温の高い場所を選択することで釣果につながりやすくなります。例えば、ワンドの奥が16℃、入り口の岬周りが18℃の場合は、岬周りの方が期待できます。
ワンドや湾内での効果的な釣り方
ワンドや湾内は、小潮時でも様々なタイプのイカを狙える重要なポイントです。特にワンドの入り口が深くて潮通しが良い場所は、イカの通り道として機能します。
潮通しの良いワンド入り口のカケアガリは、イカが足を止めやすい地形変化のポイントとなります。また、ワンド奥に藻場があれば、そこに向かうイカも期待できます。
ワンドには小魚が入り込むことがあり、それを追い込んで捕食するイカも見られます。藻場にこだわらず、様々なタイプの春イカを狙うことができます。
特に朝マヅメは、夜間に浅場で捕食していたイカの居残り組が狙えます。ワンド入り口は沖に戻るイカの通り道になるため、重要なポイントとなります。
夕マヅメでは捕食で上がってくるイカを待ち伏せることができ、カケアガリなどの地形変化や障害物に足を止めるイカも多く見られます。昼マズメでも連続的に釣果が期待できます。
小潮時に使える仕掛けとタックルの選び方
小潮時は潮の流れが弱いため、軽めのサビキ仕掛けや小さめのジグヘッドを使用することをおすすめします。これにより、自然な動きで餌を見せることができます。
エギの色選びも重要です。水の透明度や天候に応じて、エギの色を変えることが効果的です。曇りの日や濁りが強い時は派手な色、晴れの日や透明度が高い時は自然な色を選びます。
仮面シンカーを使用することで、エギのウエイトを調整できます。DAIWAの仮面シンカーはタングステン樹脂でできており、エギのヘッドにフィットしやすい特徴があります。
シャクリの後の「スー」っと安定したゆっくりなフォールのときにヒットすることが多いため、そのような動きを実現できる仕掛けを選ぶことが重要です。
夜間の釣行では、発光するタイプのエギや、クリアボディで光を反射するタイプのエギが効果的です。エギ王LIVEのネオンブライトなどが代表的です。
シャローエリアでの攻め方と注意点
シャローエリアでは、潮の動きが少ない小潮時でも効果的な攻め方があります。水深1~2mのシャローでは、夕マヅメから朝マヅメにかけて捕食行動をとるイカを狙うことができます。
岸寄りの浅場では、エギの存在を把握しやすくするためにも、テンションのかかりやすい仕掛けを選ぶことが重要です。また、根掛かりのリスクも考慮する必要があります。
シャローエリアでは、底質の変化や地形の特徴を把握することが重要です。岩礁帯や海藻の多いエリア、底質が変化する場所などは、イカの好むポイントとなります。
ライトを使用する場合は、水面を照らすことでベイトフィッシュを集めることができます。工事現場からの光など、既存の光源を利用することも効果的です。
アタリがあった場合は、その周辺を重点的に攻めることが重要です。シャローエリアでは、イカが群れで行動することも多いためです。

まとめ:小潮エギングで成功するための重要ポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- 小潮は満潮と干潮の差が最も小さい時期で、上弦や下弦の月の時期に発生する
- 朝夕のマズメ時と潮止まり前後が最も重要な時合いとなる
- 水温16℃以上が釣果への重要な条件となる
- 潮目には餌となるプランクトンが集まりやすく、好ポイントとなる
- ワンドの入り口など、潮通しの良い場所が効果的な釣り場となる
- 軽めの仕掛けを使用し、自然な動きを演出することが重要
- エギの色は水の透明度や天候に応じて選択する
- 夜間は発光タイプやクリアボディのエギが効果的
- シャローエリアでは底質の変化や地形の特徴を把握することが重要
- 潮の流れは不規則であり、1-2時間動かないこともある
- キャストは潮目に対して「線」で攻められる位置取りが重要
- ベイトフィッシュの存在は重要な指標となる