エギングでエギの根掛かりに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。特に藻場での釣りでは、カンナに藻が絡まってエギをロストしてしまうことも。そんな悩みを解決する方法として「半傘加工」があります。

半傘加工とは、エギの下側のカンナを内側に曲げたり、取り除いたりする加工方法です。これにより根掛かりを大幅に減らすことができ、藻場でも安心して釣りを楽しめるようになります。今回は実際の加工方法からメリット・デメリット、さらには注意点まで詳しく解説していきます。
記事のポイント!
- 半傘加工の具体的な方法と必要な道具について
- 根掛かり防止効果とフッキング率への影響
- 藻場での使い方とズル引きのテクニック
- 安全な加工方法と処理時の注意点
エギングで半傘加工をする時の基本と効果
- 半傘加工は根掛かり激減のための最終手段
- 半傘加工のメリットは藻場での釣りやすさ
- 半傘の作り方はカンナを内側に曲げること
- フッキング率の低下は気にならないレベル
- アオリイカは上から抱くため釣果は維持できる
- 加工時の怪我に注意が必要なこと
半傘加工は根掛かり激減のための最終手段
エギの半傘加工は、根掛かりを減らすための最後の手段として考えられた方法です。通常のエギでは、特に藻場での釣りで頻繁に根掛かりが発生します。
実際の経験では、半傘加工前は1釣行で7-8個のエギをロストしていた方が、加工後は1-2個程度まで減少したという報告があります。これは非常に大きな改善と言えるでしょう。
ただし、この加工は一度行うと元に戻すことができません。そのため、まずは釣り方やラインの太さを変えるなど、他の対策を試してみることをお勧めします。
また、半傘加工は製品の改造となるため、メーカー保証の対象外となります。加工は自己責任で行う必要があります。
なお、かつては各メーカーから半傘タイプのエギが販売されていましたが、現在はほとんど見かけなくなっています。そのため、自分で加工する必要があるのが現状です。
半傘加工のメリットは藻場での釣りやすさ
半傘加工の最大のメリットは、藻場での釣りがしやすくなることです。通常のエギでは、カンナに藻が絡まりやすく、一度絡まるとイカのアタックが減少してしまいます。
半傘加工を施すと、下側のカンナがないため藻が絡みにくくなります。そのため、藻場の中でもスムーズにエギを動かすことができ、効果的なアクションを維持できます。
特に春のエギングシーズンは藻が多くなる時期です。この時期は半傘加工したエギが真価を発揮します。
また、藻場を攻める際に根掛かりが減ることで、より積極的にボトムを攻めることができるようになります。これにより、これまで避けていた釣り場でも釣りが可能になります。
環境への配慮という点でも、藻を傷つけにくいという利点があります。
半傘の作り方はカンナを内側に曲げること

半傘加工の方法は主に2種類あります。一つは内側に曲げる方法、もう一つは切断する方法です。
内側に曲げる方法では、エギシャープナーやラジオペンチを使用します。カンナの根元部分をしっかりと掴み、後ろ側に曲げていきます。この方法は比較的安全で、エギの重量バランスを崩さないメリットがあります。
カンナを切断する方法は、ニッパーなどで行いますが、切れ端が飛び散る危険があります。また、エギの重量バランスが変わってしまう可能性もあります。
作業時は必ず手袋を着用し、目の保護も忘れずに行いましょう。また、切断した針は適切に処理する必要があります。
作業は必ず陸上で行い、釣り場での加工は避けてください。
フッキング率の低下は気にならないレベル
半傘加工によってカンナの数が減ることで、フッキング率が低下するのではないかという心配があります。しかし、実際にはそれほど影響は見られません。
アオリイカは主に上からエギを抱くため、上部のカンナが残っていれば十分なフッキング率を維持できます。シングルフックのジグヘッドでもイカが掛かることがあるように、針の数が少なくても釣果に大きな影響はありません。
ただし、小型のイカを狙う場合は、通常の全傘タイプの方が安定して釣果が出る可能性があります。2.5号サイズのエギは半傘加工を避けた方が無難とされています。
アオリイカは上から抱くため釣果は維持できる
アオリイカの習性として、エギを上から抱く特徴があります。このため、下部のカンナを無効化しても、釣果への影響は最小限に抑えられます。
特に大型のアオリイカを狙う場合は、半傘加工による影響はほとんどありません。むしろ、根掛かりを気にせず積極的にボトムを攻められることで、チャンスが増える可能性もあります。
また、半傘加工したエギの上部にアワビシートを貼ることで、イカのアタックを上部に誘導することもできます。これにより、さらにフッキング率を向上させることが可能です。
加工時の怪我に注意が必要なこと
半傘加工を行う際は、安全面での注意が必要不可欠です。カンナは非常に鋭利で、不用意に扱うと重大な怪我につながる可能性があります。
作業時は必ず手袋を着用し、カンナを掴む際は根元をしっかりと押さえます。また、作業場所は明るく、安定した場所を選びましょう。
切断方式で加工する場合は、カンナの切れ端が飛び散る可能性があります。透明の袋の中で作業を行うなど、飛散防止の対策を取ることをお勧めします。
加工後のカンナは適切に処理する必要があります。切れ端はテープで包むなどして、安全に廃棄しましょう。
また、加工は必ず陸上で行い、釣り場での作業は避けてください。他の釣り人の安全を考慮する必要があります。

エギングで半傘加工をする時の応用テクニック
- 半傘でも藻場のズル引きが可能になる
- アワビシートとの組み合わせで効果アップ
- カンナの曲げ方で根掛かりのしにくさが変わる
- ラジオペンチとエギシャープナーの使い分け
- 折れたカンナの処理は安全に行うこと
- 高価なエギは半傘加工を慎重に検討すること
- まとめ:エギングの半傘加工は根掛かり対策の切り札
半傘でも藻場のズル引きが可能になる
半傘加工したエギは、砂地でのズル引きが効果的です。通常のエギでは底の切れ藻やゴミが引っかかりやすいところ、半傘エギならスムーズに引くことができます。
ただし、岩礁帯でのズル引きは注意が必要です。障害物を超える際にエギが傾き、横のカンナが引っかかる可能性があるためです。
半傘エギでのズル引きは、一投を無駄にすることなく効率的にベタ底を探ることができます。これにより、通常では攻めづらい場所も攻略可能になります。
実際の使用では、砂地エリアに限定してズル引きを行うことをお勧めします。これにより、エギのロストを防ぎながら効果的な釣りが可能です。
また、ズル引きの際は適度なテンションを保つことで、エギの姿勢を安定させることができます。
アワビシートとの組み合わせで効果アップ
半傘エギにアワビシートを組み合わせることで、さらに効果を高めることができます。アワビシートは、エギのカンナに近い部分に貼ることで効果を発揮します。
アワビシートには様々な種類がありますが、基本的にはブラックとホワイトの2色が主流です。これらは自然なアワビの殻の内側の色を再現しています。
貼り方は非常に簡単で、シールのように貼るだけです。コーティングは必須ではありませんが、好みに応じてケイムラコートなどで保護することも可能です。
アワビシートは、イカの注目を集め、カンナ付近への攻撃を誘発する効果があります。これにより、半傘でもしっかりとフッキングさせることができます。
検証によると、アワビシートに対してイカが強い反応を示すことが確認されています。中には、千切れたアワビシートにイカが群がる様子も観察されています。
カンナの曲げ方で根掛かりのしにくさが変わる

カンナを曲げる際は、根元から徐々に曲げていくことが重要です。急激な力を加えると、カンナが折れてしまう可能性があります。
エギのメーカーによって、カンナの硬さは異なります。特にエギ王シリーズは固めのカンナを採用しているため、慎重な作業が必要です。
曲げ角度は、内側に適度な角度をつけることで、最も効果的な半傘形状を作ることができます。極端な角度は避け、程よい曲がりを心がけます。
カンナを曲げた後は、必要に応じて微調整を行います。エギシャープナーなどを使用して、最適な角度に調整することができます。
また、曲げ作業は一度に行わず、少しずつ進めることで、より綺麗な仕上がりを実現できます。
ラジオペンチとエギシャープナーの使い分け
半傘加工には主にラジオペンチとエギシャープナーが使用されます。どちらの道具を使用するかは、作業の目的や好みによって選択します。
エギシャープナーは、より繊細な作業が可能で、綺麗な仕上がりを実現できます。特に針先の調整機能も備えているため、多目的に使用できる利点があります。
一方、ラジオペンチは手軽に使用できる利点があります。ただし、先端部分が太いものは作業がしづらいため、なるべく細めの製品を選ぶことをお勧めします。
作業時は、道具をしっかりと握り、カンナの根元をしっかりと掴むことが重要です。不安定な持ち方は、怪我や失敗の原因となります。
それぞれの道具の特性を理解し、状況に応じて使い分けることで、より効率的な加工が可能になります。
折れたカンナの処理は安全に行うこと
カンナの処理は安全面で最も注意が必要な工程です。折れたカンナは非常に鋭利で、不適切な処理は怪我の原因となります。
処理方法としては、ガムテープやセロハンテープでカンナを包み、尖った部分が露出しないようにします。これにより、廃棄時の安全性を確保できます。
自治体によってカンナの処分方法が異なる場合があります。地域のルールに従って、適切な方法で処分することが重要です。
作業後は作業場所を丁寧に清掃し、カンナの切れ端が残っていないか確認します。特に小さな切れ端は見落としやすいため、注意が必要です。
また、カンナの処理は必ず陸上で行い、釣り場での処理は避けるようにしましょう。
高価なエギは半傘加工を慎重に検討すること
高価なエギや新製品の場合、半傘加工は慎重に検討する必要があります。一度加工すると元に戻すことができないため、十分な検討が必要です。
特に希少なエギや限定モデルの場合、加工による価値の低下も考慮に入れる必要があります。まずは通常のエギで練習を重ねることをお勧めします。
加工前には、エギの使用頻度や釣り場の状況を考慮します。藻場での使用頻度が高い場合は、半傘加工のメリットが大きくなります。
新品のエギを加工する際は、精神的な抵抗感も大きいものです。この場合、使い込んだエギから徐々に加工を始めることも一つの方法です。
加工のタイミングは、エギの状態や使用状況を見極めて判断することが重要です。

まとめ:エギングの半傘加工は根掛かり対策の切り札
最後に記事のポイントをまとめます。
- 半傘加工は根掛かり対策として極めて効果的
- 加工方法は内側に曲げる方法と切断する方法の2種類
- エギシャープナーやラジオペンチを使用して安全に加工
- アオリイカは上から抱くため、釣果への影響は最小限
- 藻場での釣りやすさが大幅に向上
- 砂地でのズル引きが可能になり攻略範囲が広がる
- アワビシートとの組み合わせで効果をさらに高められる
- 加工時の安全対策が最重要
- 折れたカンナの適切な処理が必須
- 高価なエギは慎重に加工を検討
- 小型イカを狙う場合は通常エギが無難
- 環境への配慮にもつながる改造方法