フカセ釣りを楽しむ上で、撒き餌(コマセ)代はかなりの出費になりますよね。とくに頻繁に釣行する人なら「もっと安く済ませられないかな?」と考えたことがあるはず。実は市販の配合餌を使わなくても、自分で撒き餌を作れば費用を半分以下に抑えることも可能なんです!

今回は、フカセ釣りの撒き餌を格安で自作する方法から、材料の調達先、配合レシピまで徹底解説します。チヌ(クロダイ)やグレ(メジナ)向けの自作コマセの作り方や、100均素材を活用した超格安レシピなど、コスパ重視の釣り人必見の情報が満載です。
記事のポイント!
- 市販の配合餌を使わなくても自作で半額以下に抑えられる具体的な方法
- 米ぬか、牡蠣殻、圧ぺん麦などの基本材料の調達先と価格相場
- チヌとグレそれぞれに適した撒き餌の配合レシピと調整方法
- 100均素材も活用した超格安撒き餌の作り方と実釣での効果
フカセ釣りで撒き餌を安く済ませる自作方法と効果
- 市販の撒き餌と自作の撒き餌では費用が半額以下になる
- 撒き餌自作に必要な基本材料は5種類で十分
- 米ぬかは無料〜格安で入手できるベース材料
- 牡蠣殻石灰はホームセンターで20kgが500〜800円で購入可能
- 圧ぺん麦は農協で20kgが1,000円前後で注文できる
- 集魚効果を高めるためにシィープロテインが最強コスパ
- 撒き餌の配合比率はフィールドや対象魚によって変更すべき
市販の撒き餌と自作の撒き餌では費用が半額以下になる
フカセ釣りで使う撒き餌(コマセ)は、釣行の度にかなりの量を使用するため、釣りにかかる費用の中でも大きな割合を占めています。市販の配合餌は品質が安定していて使いやすい反面、価格が高くなりがちです。調査の結果、一般的な配合餌は3kgで600円程度するものが多いようです。
これに対して自作の撒き餌は、材料を工夫すれば同じ3kgでわずか354円程度で作ることができます。これは市販品の半額以下のコストです。さらに材料をまとめ買いすれば、1回分のコストはさらに下がります。
実際に自作撒き餌で釣りをしている人の報告によると、市販品と遜色ない、あるいはそれ以上の釣果を得ているケースも多いようです。例えば、ある釣り人は自作のコマセでチヌの50cm以上のサイズを釣り上げており、冬場の厳しい条件下でも効果を発揮しています。
自作撒き餌のメリットは価格だけではありません。釣りをする状況や対象魚に合わせて配合を自由に調整できる点も大きな利点です。初心者は市販品から始めて、慣れてきたら自作に挑戦するという段階的なアプローチも良いでしょう。
基本的に撒き餌は「カサ増し」「まとまり」「重さ」「集魚力」などの要素をコントロールするために様々な材料を配合します。自作することで、これらの要素を自分の釣りスタイルに合わせて調整できるようになります。
撒き餌自作に必要な基本材料は5種類で十分
フカセ釣りの撒き餌を自作するなら、基本的に以下の5種類の材料があれば十分です。
- 米ぬか(かさ増し・濁り効果)
- 牡蠣殻石灰(比重アップ・沈下性向上)
- 圧ぺん麦または押し麦(視覚的アピール・エサとり対策)
- パン粉または小麦粉(粘り・まとまり向上)
- オキアミまたはアミエビ(集魚力の核)
これらの基本材料に加えて、集魚力を高めるためのオプション材料として、シィープロテインやグルタミン酸ナトリウム(いわゆるうま味調味料)などを加えることもあります。
米ぬかはカサを増やし、濁りを出すのに効果的です。牡蠣殻石灰は撒き餌の比重を上げて沈みやすくする効果があります。圧ぺん麦は視覚的なアピール効果があり、チヌが特に好むと言われています。パン粉や小麦粉は撒き餌にまとまりを持たせ、遠投性を向上させます。
オキアミやアミエビは集魚力の核となる重要な材料です。これらを適切な配合で混ぜることで、市販品にも負けない効果的な撒き餌が作れます。
初めて自作する場合は、まずこれらの基本材料で試し、その後徐々に自分の釣りスタイルや対象魚に合わせて調整していくのがおすすめです。材料の種類が多すぎると管理も大変になるので、まずは基本をマスターしましょう。
米ぬかは無料〜格安で入手できるベース材料
撒き餌の主要成分である米ぬかは、実はかなり安く、場合によっては無料で入手できる優れた材料です。米ぬかは撒き餌の「かさ増し」と「濁り効果」を担う重要な役割を持っています。
精米所や無人精米機のある場所では、「ご自由にお取りください」と書かれた米ぬか置き場があることも多いです。グーグルマップなどで「精米店」と検索すれば、近くの精米所を見つけられるでしょう。仮に購入する場合でも、15kgで700円程度と非常に安価です。
米ぬかの使い方は簡単で、他の材料と混ぜる前にバッカンに入れ、水を加えて適度な粘り気が出るように調整します。チヌ釣りの場合、濁りが好まれるため米ぬかの割合を多めにするとよいでしょう。一方、グレ釣りでは米ぬかだけでなくパン粉も併用すると効果的です。
保管方法としては、湿気を避けて乾燥した場所に置くのがベストです。大量に手に入れた場合は、使用する分だけ取り出せるように、ビニール袋に小分けにして保存するとよいでしょう。
市販の配合餌に米ぬかを追加することで、コスト削減しながらボリュームアップさせることも可能です。例えば市販品1kgに対して米ぬか1kgを追加すれば、コストをほぼ半減させることができます。
牡蠣殻石灰はホームセンターで20kgが500〜800円で購入可能
撒き餌に重要な比重を与える牡蠣殻石灰(有機石灰)は、ホームセンターの園芸コーナーで簡単に入手できます。20kgあたり500〜800円程度で販売されており、非常にコストパフォーマンスが高い材料です。
購入する際は「牡蠣殻石灰」や「有機石灰」という商品名を探しましょう。名前に「石灰」とありますが、運動場の白線を引くときに使う消石灰とは異なり、単に牡蠣の殻を粉砕したものです。購入する際は必ず「牡蠣殻100%」という表記があるものを選びましょう。肥料が混合されたものは釣りには適しません。
牡蠣殻石灰の主な役割は、撒き餌の比重を上げて沈下速度をコントロールすることです。特にチヌ(クロダイ)釣りでは、撒き餌が底までしっかり届くことが重要なので、牡蠣殻石灰の配合量を調整して理想的な沈下速度を実現します。
さらに、牡蠣殻はヒラヒラと沈んでいく過程で視覚的なアピール効果も持っています。キラキラとした反射が魚の興味を引き、集魚効果を高める効果も期待できます。
配合する際は、他の粉物と一緒に混ぜてから、オキアミなどの水分を含む材料と合わせると均一に混ざりやすくなります。20kgという量は家庭での保管に少し困るかもしれませんが、よく釣りに行く方なら1〜2年は問題なく使えるでしょう。
圧ぺん麦は農協で20kgが1,000円前後で注文できる
フカセ釣りの撒き餌に欠かせない粒状の材料である「圧ぺん麦」(あっぺんむぎ)は、農協(JA)の営農センターで非常に格安に購入できます。通常、釣具店では押し麦が1kgあたり250〜300円程度で販売されていますが、JAでは20kgあたり約1,000〜1,300円程度で入手可能です。これは1kgあたり約50〜65円という驚きの安さです。
圧ぺん麦は、チヌ(クロダイ)が特に好む視覚的アピール効果の高い材料です。沈んでいく際のヒラヒラとした動きが魚の興味を引き、実際に腹を割いてみると大量の麦が入っていることも珍しくありません。
入手方法は、お住まいの地域のJA営農センターに電話して「圧ぺん麦を取り扱っていますか?」と問い合わせるだけです。取り扱いがあれば、価格を確認して注文できます。一般的に1週間程度で入荷するので、その後引き取りに行きましょう。
同様に「圧ぺんコーン」も20kg約920円程度で入手可能です。これらの材料はチヌやグレの集魚に非常に効果的ですが、20kgという量は個人での消費には多すぎる場合もあります。釣り仲間と分けるか、小分けして長期保存するとよいでしょう。
保管の際は室内が推奨されます。特に夏場は虫が寄りやすいので、ゴミ出し用などの大きめのビニール袋で覆っておくと安全です。小分けで購入するなら、「つり用押し麦大粒」などの商品も市販されていますが、コストは上がります。
集魚効果を高めるためにシィープロテインが最強コスパ
撒き餌の集魚力を飛躍的に高めるための秘密兵器として、「シィープロテイン」という液肥がプロの間で密かに注目されています。これは魚のエキスを濃縮した液体で、20kgで約4,500円前後という価格ながら、なんと魚200kg分のエキスが凝縮されています。
シィープロテインの最大の特徴は、その集魚力の高さと経済性です。例えば100ccを使用した場合、魚1kg分のエキスがわずか20円というコストパフォーマンスの高さです。これは一般的な魚粉や削り粉などの集魚材と比べても格段に安価です。
含まれるアミノ酸の中でもアスパラギン酸、グリシン、アラニンはチヌが非常に好む「味」成分であり、アラニン、バリン、リジン、アルギンはチヌが好む「臭い」成分として知られています。原液の状態でのアミノ酸量はアミエビよりも倍以上高いため、入れすぎると餌取りが増えすぎることがあるので注意が必要です。
使用方法としては、コマセを混ぜる水に先に入れて薄め、麦やコーンを漬け込んで使うのが効果的です。直接手で触れると臭いがなかなか取れないので、手袋の使用をおすすめします。
シィープロテインのほかにも「フィッシュアミノ7」や「手造り一番」など類似の液肥もありますが、濃度の違いによって効果も異なります。20kgという大容量ですが、少量ずつ使用するため長期間使えるのも魅力です。
撒き餌の配合比率はフィールドや対象魚によって変更すべき
フカセ釣りの撒き餌は、釣り場の状況や対象魚によって最適な配合比率が変わります。一律の配合で全ての状況に対応することはできないため、状況に合わせた調整が重要です。
例えば、チヌ(クロダイ)とグレ(メジナ)では求められる撒き餌の特性が大きく異なります:
【チヌ向け撒き餌の特徴】
- 比重が高く、海底にコマセを溜める
- 沈みやすい材料(牡蠣殻石灰など)を多めに配合
- トウモロコシなどの粒状物が効果的
【グレ向け撒き餌の特徴】
- 比重を軽くして、表層から中層で拡散させる
- パン粉の割合を多めにして浮力を確保
- 米ぬかで適度な濁りを作る
また、水深によっても配合を変える必要があります。水深が深い場所では比重を高めに、浅い場所では軽めにするなどの調整が効果的です。潮の流れが強い場所では、まとまりの良い配合にして遠投性を高めることも重要です。
季節によっても配合は変化させるべきです。例えば、資料によると春のノッコミでエサ取りが少ない時期はアミエビを多めに、真夏は少々のエサ取りがいてもオキアミを多めに、初秋〜晩秋のエサ取りが多い時期はオキアミの量を調整するといった具体的な配合例が紹介されています。
初めは基本的な配合から始めて、釣果や状況に合わせて少しずつ調整していくのがおすすめです。自分だけのベストな配合を見つけることも、釣りの楽しみの一つです。

フカセ釣りの安い撒き餌でもしっかり釣果を得るコツとポイント
- 自作撒き餌でも市販品と同等以上の釣果が期待できる
- チヌとグレでは求められる撒き餌の特性が異なる
- オキアミやアミエビの配合量で集魚力は大きく変わる
- 100均素材を活用した超格安撒き餌の作り方
- 魚種別におすすめの自作撒き餌配合レシピ
- 季節や水温に合わせた撒き餌配合の調整方法
- まとめ:フカセ釣りの撒き餌は自作で安く済ませつつ高い釣果を実現できる
自作撒き餌でも市販品と同等以上の釣果が期待できる
「自作撒き餌では市販品ほど釣れないのでは?」と心配する方も多いと思いますが、調査の結果、適切に作られた自作撒き餌は市販品と同等、あるいはそれ以上の釣果を得られることがわかっています。
実際に釣り人たちの報告によると、厳寒期の1月中旬に50cmアップのチヌや、3月下旬には45cmのチヌなど、立派な魚体を自作撒き餌で釣り上げた事例が多数あります。これらの魚の腹を割くと多量の麦が入っていたという報告もあり、自作撒き餌がしっかり魚に食べられていることが証明されています。
自作撒き餌が効果的な理由は、基本的な集魚要素さえ抑えれば、市販品と同じ原理で魚を集められるからです。実は市販の配合餌も、もともと釣り人たちが自作で使っていた材料をメーカーが商品化したものにすぎません。
特に重要なのは、自作でもオキアミやアミエビをしっかり配合することです。これらが集魚の核となる成分であり、これに米ぬかや牡蠣殻、パン粉などを適切に配合することで、十分な効果を発揮します。
さらに自作のメリットとして、釣り場の状況や対象魚に合わせて、その場で配合を調整できる柔軟性があります。例えば、エサ取りが多い場合は集魚力を抑えめに、少ない場合は強めにするなど、臨機応変な対応が可能です。
釣りの腕前や経験に合わせて自分好みの撒き餌を作ることで、「この撒き餌で大物が釣れた!」という達成感も味わえるのが自作の醍醐味です。
チヌとグレでは求められる撒き餌の特性が異なる
フカセ釣りの主な対象魚であるチヌ(クロダイ)とグレ(メジナ)は、生態や食性が異なるため、それぞれに適した撒き餌の特性も変わってきます。この違いを理解して撒き餌を調整することが、釣果アップの鍵となります。
【チヌ向け撒き餌の特性】 チヌは主に海底付近で餌を探す魚です。そのため、撒き餌は海底にしっかりと溜まるように比重が重い配合が効果的です。牡蠣殻石灰を多めに配合し、小麦粉やパン粉で適度な粘りを出すことで、底に効くコマセを実現できます。
また、チヌはトウモロコシ(コーン)に強く反応することが知られています。市販の配合餌でもチヌ専用のものにはトウモロコシが配合されていることが多いです。自作する場合も、圧ぺんコーンや押し麦を加えることで視覚的なアピール効果を高められます。
【グレ向け撒き餌の特性】 一方、グレは中層から表層にかけて活動する魚です。そのため、撒き餌は比重を軽くして、水中でふわっと広がるような特性が求められます。米ぬかとパン粉を主体とした配合が効果的で、牡蠣殻などの重い素材は控えめにすると良いでしょう。
グレは濁りに敏感に反応するとされており、パン粉による雲状の広がりが効果的です。シマノのテスターである友松氏も、米ぬかとパン粉を使った格安コマセでグレを数多く釣っていると報告されています。
両魚種とも、オキアミやアミエビの匂いには強く反応しますが、配合量やそれらの状態(砕くか丸ごとか)などは状況に応じて調整するのがベストです。
自作撒き餌の大きな利点は、このように対象魚や釣り場に合わせた細かな調整ができる点にあります。市販品を使う場合でも、チヌ用とグレ用で異なる商品を選ぶことが重要です。
オキアミやアミエビの配合量で集魚力は大きく変わる
フカセ釣りの撒き餌において、オキアミやアミエビは集魚力の核となる最も重要な材料です。これらの配合量や使用方法によって、撒き餌の集魚効果は大きく変化します。
オキアミは比較的高価な材料ですが、集魚効果が高く、特にチヌ釣りでは欠かせません。自作撒き餌では、オキアミ1kgあたり200〜300円程度のコストがかかります。一方、アミエビはさらに強い匂いを持ち、集魚力は高いものの、エサ取りも多く寄せてしまう特徴があります。
季節によって最適な配合量は変わります。例えば:
- 春(ノッコミ時期でエサ取りが少ない):アミエビ1kg
- 初夏(エサ取りがそれほど多くない):アミエビ500g+オキアミ4分の1角
- 真夏(少々のエサ取り):オキアミ1kg
- 初秋(エサ取り多い):オキアミ4分の1角
- 晩秋(フグなどのエサ取り多い):オキアミ無し〜4分の1
- 冬(エサ取りぼちぼち〜少ない):オキアミ5分の1+アミエビ500g
これらはあくまで目安であり、実際の釣り場の状況や対象魚によって調整が必要です。特にエサ取りの多さは釣り場によって大きく異なるため、経験を積みながら最適な配合を見つけていくことが重要です。
オキアミやアミエビを効果的に使うコツとしては、砕きすぎないことがポイントです。ある程度形が残っている方が長時間効果が持続します。また、オキアミの汁を他の材料に吸わせることで、全体に集魚効果を広げることもできます。
集魚効果を求めつつコストを抑えたい場合は、オキアミやアミエビの量を抑え、代わりにシィープロテインなどの液肥を追加することで、バランスの良い撒き餌ができます。
100均素材を活用した超格安撒き餌の作り方
フカセ釣りの撒き餌をさらに安く済ませたい方には、100均ショップの材料を活用する方法があります。ダイソーなどの100均では、撒き餌の材料として使える食材や園芸用品がいくつも販売されており、これらを上手に組み合わせることで超格安の撒き餌が作れます。
【100均で購入できる撒き餌材料】
- 油粕(園芸コーナー):450g、110円
- 強い臭いで集魚効果を高める
- ホームセンターでは10kgで1,000円前後で購入可能
- 小麦粉(てんぷら粉、たこ焼き粉など):300g、110円
- 撒き餌のまとまりを良くする
- 水分を吸収して粘度を上げる効果
- トウモロコシの粒(ポップコーン原料):150g、110円
- チヌ釣りで特に効果的
- スーパーの冷凍コーンでも代用可能
これらの材料に、無料または格安で入手した米ぬかを組み合わせることで、チヌやグレを狙う基本的な撒き餌ができあがります。
【100均材料を使った撒き餌の配合例】
- 米ぬか:2kg(無料〜数十円)
- 油粕:450g(110円)
- 小麦粉:300g(110円)
- トウモロコシ:150g(110円)
- オキアミ:1kg(200〜300円) 合計:約530〜630円で3kg分の撒き餌ができる
この配合例は、市販の集魚剤を使った場合と比べて、半額以下のコストで作ることができます。チヌ向けの場合は、トウモロコシを多めに、グレ向けの場合は米ぬかとパン粉を主体にするなど、対象魚に合わせた調整も可能です。
ただし、100均材料だけでは集魚力が不足する可能性があるため、オキアミやアミエビは別途購入するか、後述する「シィープロテイン」などの液肥を少量添加することで、集魚効果を高めることができます。
さらに安く済ませたい場合は、釣り場の近くで海藻や貝殻を拾って細かく砕いたものを加えるという方法もありますが、地域によっては採取が禁止されている場合もあるので注意が必要です。
魚種別におすすめの自作撒き餌配合レシピ
フカセ釣りで主に狙われる魚種別に、実績のある自作撒き餌の配合レシピを紹介します。これらのレシピは釣り人の実体験に基づくものであり、コストパフォーマンスと釣果のバランスを考慮したものです。
【チヌ(クロダイ)向け配合レシピ】(40cmバッカン6分目・半日分)
- 米ぬか:4,000cc(0円)
- 牡蠣殻石灰:1,200cc(40円)
- 圧ぺん麦:1,200cc(80円)
- パン粉:1kg(250円)
- うまみ調味料:200cc(50円)
- オキアミ:3kg(700円) 合計:1,120円
特徴:比重が高く底に溜まりやすい配合で、チヌの食性に合わせてコーンや麦を多めに配合しています。実際にこの配合で50cmアップのチヌを釣った報告があります。
【グレ(メジナ)向け配合レシピ】
- 米ぬか:4kg(0円)
- パン粉:2kg(500円)
- 小麦粉:200g(50円)
- オキアミ:1kg(300円) 合計:850円
特徴:軽く、水中で拡散しやすい配合です。パン粉の割合を多めにして浮力を確保し、中層に効くようにしています。シマノのテスターも米ぬかとパン粉を主体とした格安配合でグレを釣っています。
【100均素材活用レシピ】(特にコスト重視の場合)
- 米ぬか:2kg(0円)
- ダイソーの油粕:450g(110円)
- ダイソーの小麦粉:300g(110円)
- ダイソーのポップコーン原料:150g(110円)
- オキアミ:500g(150円) 合計:480円
特徴:100均素材を最大限に活用し、コストを抑えた配合です。集魚力は若干劣る可能性がありますが、基本的な要素は押さえており、十分実用的です。
これらのレシピはあくまで基本形であり、釣り場の状況(水深、潮の流れ、エサ取りの多さなど)や季節に応じて調整することをおすすめします。例えば、夏場はエサ取りが多いため集魚力を抑えめに、冬場は活性が低いため集魚力を強めにするなどの調整が効果的です。
自分だけのオリジナル配合を見つけることも、フカセ釣りの楽しみの一つとなるでしょう。
季節や水温に合わせた撒き餌配合の調整方法
フカセ釣りで安い撒き餌を効果的に使いこなすためには、季節や水温に合わせた配合の調整が重要です。同じ配合で一年中対応することは難しく、状況に応じた調整によって釣果が大きく変わります。
【春(水温上昇期・ノッコミ時期)】
- アミエビを多めに配合(例:アミエビ1kg)
- 集魚力を強めにして餌に積極的に寄ってくる魚を狙う
- 比較的エサ取りが少ないため、アミノ酸(うまみ調味料)を多めに配合
- 適度な粘りを出して、底に効かせる
春はチヌのノッコミ時期で、産卵のために接岸してくる時期です。この時期は魚の活性が高まり始めるため、集魚力の強い配合が効果的です。調査によると、この時期は水温16℃前後になり、チヌが活発に摂餌活動を行うようになります。
【夏(高水温期)】
- オキアミを主体に配合(例:オキアミ1kg)
- エサ取りが増えるため、集魚力をやや抑えめに
- 比重を抑えめにして、撒き餌が速く沈まないようにする
- コーンの配合を増やして視覚的アピールを強化
夏場は水温が高く魚の活性が高いですが、同時にフグなどのエサ取りも多くなります。オキアミを主体にした配合で、必要以上に集魚効果を高めないよう注意が必要です。うまみ調味料は控えめにし、必要に応じて調整しましょう。
【秋(水温下降期)】
- オキアミの量を調整(エサ取りの状況に応じて)
- エサ取りが多い場合は集魚力を抑えめに
- 粘りをやや強めにして、底に効くようにする
秋は徐々に水温が下がり、魚の活性も変化します。特に初秋〜晩秋はエサ取りが多い時期でもあるため、オキアミの量を調整して集魚力をコントロールすることが重要です。フグなどのエサ取りが特に多い時期は、オキアミを使わない配合も検討する価値があります。
【冬(低水温期)】
- オキアミとアミエビをバランスよく配合
- 比重を重めにして確実に底に届くようにする
- 牡蠣殻石灰の配合を多めにする
- アミノ酸などを加えて集魚力を高める
冬は水温が低下して魚の活性が落ちるため、確実に底に届いて効果が持続する撒き餌が重要です。牡蠣殻石灰を多めに配合して比重を上げ、集魚力も強めに調整するのが効果的です。エサ取りも減少するため、シィープロテインなどの集魚材も効果的に使えます。
これらの調整は「感覚」という表現もありますが、釣行を重ねることで自分なりの最適な配合を見つけることができるでしょう。

まとめ:フカセ釣りの撒き餌は自作で安く済ませつつ高い釣果を実現できる
最後に記事のポイントをまとめます。
- 市販の配合餌は3kgで約600円するのに対し、自作なら同量で350円前後と半額以下に抑えられる
- 自作撒き餌の基本材料は米ぬか、牡蠣殻石灰、圧ぺん麦、パン粉、オキアミの5種類で十分
- 米ぬかは精米所で無料〜格安で入手でき、撒き餌のベース材料として最適
- 牡蠣殻石灰はホームセンターで20kgが500〜800円で購入でき、比重調整に効果的
- 圧ぺん麦はJAで20kgが1,000円前後で注文でき、市販品の5分の1の価格
- シィープロテインは集魚効果が高く、100ccで20円というコスパの良さが魅力
- チヌとグレでは求められる撒き餌の特性が異なり、対象魚に合わせた配合が重要
- オキアミやアミエビの配合量は季節やエサ取りの状況によって調整すべき
- 100均素材も活用した超格安レシピでも十分な釣果が期待できる
- 自作撒き餌でも50cmアップのチヌなど大物実績がある
- 季節や水温によって配合を調整することで、年間を通じて効果的な撒き餌が作れる
- 自作の醍醐味は自分だけのオリジナル配合を見つける楽しさにもある
フカセ釣りの撒き餌は自作することで大幅にコストダウンしながらも、同等以上の釣果を期待できます。釣行頻度が高い方ほど、その経済的メリットは大きくなるでしょう。ぜひ自分だけのオリジナル撒き餌を作って、コスパ良くフカセ釣りを楽しんでください。