トラウトロッドでアジングを試してみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。アジング専用ロッドが登場する以前は、トラウトロッドやバスロッドを使ってアジのルアー釣りを楽しんでいた時代がありました。

近年では、アジング専用ロッドが各メーカーから発売され、アジのルアー釣りに最適な設計が追求されています。しかし、トラウトロッドとアジングロッドには共通点も多く、場面によっては十分にアジングを楽しむことができるのです。
この記事のポイント!
- トラウトロッドとアジングロッドの基本的な違いと特徴
- トラウトロッドでアジングを楽しむ際のメリットとデメリット
- フィールドに合わせた使い分けのポイント
- おすすめのトラウトロッド選びのコツ
トラウトロッドでアジングは実は相性バツグン
- トラウトロッドとアジングロッドの基本的な違いを解説
- アジングロッドが開発される前はトラウトロッドが主流だった
- トラウトロッドでアジングを楽しむメリット
- トラウトロッドでアジングをする際の注意点
- 感度の違いによる合わせのコツ
- フィールドによる使い分けのポイント
トラウトロッドとアジングロッドの基本的な違いを解説
トラウトロッドとアジングロッドには、使用場所による設計思想の違いが存在します。トラウトロッドは管理釣り堀や狭い渓流での使用を前提としており、コンパクトに振っても飛距離を出しやすい設計となっています。
そのため、トラウトロッドは比較的短めで、胴にルアーの重さを乗せられるよう、非常に柔らかく作られているのが特徴です。この柔らかさを重視した設計により、感度はアジングロッドと比べると控えめになっています。
一方、アジングロッドは開けた広い場所での使用を前提としており、ロッドを大きく振ることができるため、長くて硬めの設計となっています。また、海では予期せぬ大物が掛かることも考慮し、対象魚以上の余裕を持った強度が確保されています。
また、アジングロッドは高い感度を追求した設計となっており、これはトラウトロッドとの大きな違いの一つと言えます。バットの強さにおいても、アジングロッドの方が余裕を持った設計となっています。
感度の違いは実際の釣りでも顕著に現れ、同じ竿を持ち替えた直後は、ルアーのリリースポイントが違い過ぎて、タイミングが狂うことがあります。
アジングロッドが開発される前はトラウトロッドが主流だった
アジング専用ロッドが登場する以前は、トラウトロッドやバスロッドを使用してアジのルアー釣りを楽しんでいました。この時代には専用の呼び名もなく、様々なロッドを流用して釣りを行っていました。
アジングが確立されてからは、各メーカーがアジのルアー釣りに最適な設計を追求し始めました。これにより、アジング専用ロッドが次々と開発され、より効率的なアジの釣りが可能になりました。
トラウトロッドを使用していた時代から、アジング専用ロッドの時代への移行には大きな技術革新がありました。特に感度の向上と、アジの特性に合わせた設計の最適化が進められました。
現代のアジングロッドは、かつてのトラウトロッドでは実現できなかった高感度と、アジの繊細なアタリを捉えやすい特性を備えています。
しかし、これはトラウトロッドでアジングができないということではありません。むしろ、トラウトロッドならではの特徴を活かした釣りが可能です。
トラウトロッドでアジングを楽しむメリット
トラウトロッドでアジングを楽しむ最大のメリットは、魚の動きに柔軟に追従する特性です。この特性により、バラシが少なくなる傾向があります。
また、トラウトロッドは規定以上の魚を釣った際に、バットやグリップまでもが曲がり、非常にスリリングなやり取りを楽しむことができます。この独特の竿の曲がりは、アジングロッドでは味わえない醍醐味となっています。
特に管理釣り堀などでは、両方の竿を使い分けることで、それぞれの特性を活かした釣りを楽しむことができます。トラウトロッドの柔らかな特性は、アジの引きを存分に楽しみたい方に適しています。
一方で、飛距離はアジングロッドに比べると不利になりますが、この特性を理解した上で使用することで、十分にアジングを楽しむことができます。
むしろ、飛距離の制限があることで、より緻密な釣りが求められ、技術の向上にもつながる可能性があります。
トラウトロッドでアジングをする際の注意点
トラウトロッドでアジングを行う際の最大の注意点は、感度の違いへの対応です。アジングロッドに比べて感度が控えめなため、アタリの取り方に工夫が必要になります。
特にフォールでのアタリは取りづらくなる傾向があります。これは、トラウトロッドが柔らかい設計であることに起因しています。アジングロッドのように鋭敏なアタリを感じることは難しいため、より注意深くラインを観察する必要があります。
また、トラウトロッドは狭い場所での使用を前提とした設計のため、開けた場所での遠投は苦手とします。このため、遠投が必要な場面では不利になることを念頭に置く必要があります。
バットの強度も対象魚以上の余裕を持たせたアジングロッドと比べると控えめです。予期せぬ大物が掛かった際には、慎重なやり取りが求められます。
ただし、これらの特性を理解した上で使用すれば、十分にアジングを楽しむことができます。むしろ、これらの制限がある中で釣りを楽しむことで、新たな釣りの醍醐味を発見できる可能性もあります。
感度の違いによる合わせのコツ
トラウトロッドでアジングを行う場合、感度の違いを理解した上での合わせが重要になります。トラウトロッドは柔らかい設計のため、アタリが手元に伝わりにくい特性があります。
この特性を補うために、ラインの動きをより注意深く観察する必要があります。特にフォールでのアタリは、ラインの動きや張りの変化を見逃さないようにすることが重要です。
また、合わせのタイミングも通常のアジングロッドとは異なってきます。トラウトロッドの柔らかさを活かし、やや遅めの合わせを意識することで、バラシを減らすことができます。
ティップの柔らかさを活かした合わせは、アジの口切れを防ぐ効果もあります。この特性は、むしろトラウトロッドの利点として捉えることができます。
全体的に感度は劣りますが、慣れてくれば十分にアタリを取ることができるようになります。むしろ、感度の違いを理解することで、より繊細な釣りの技術を身につけることができます。
フィールドによる使い分けのポイント
トラウトロッドの特性を活かせるフィールドを選択することが重要です。特に狭い場所や、近距離での釣りが中心となる場所では、トラウトロッドの特性を存分に活かすことができます。
管理釣り堀での使用は、トラウトロッドの特性を最大限に活かせる場面の一つです。比較的狭い空間でのキャストが中心となるため、飛距離の制限はあまり問題になりません。
一方、開けた場所や遠投が必要な場面では、トラウトロッドの特性が制限となる可能性があります。このような場所では、より慎重なアプローチが必要となります。
場所によっては、アジングロッドとの使い分けも検討する価値があります。両方の特性を理解した上で、状況に応じて使い分けることで、より効果的な釣りが可能になります。
フィールドの特性とトラウトロッドの特性をマッチングさせることで、より楽しい釣りが展開できるでしょう。

トラウトロッドでアジングを始める前に知っておきたい選び方
- ソリッドティップとチューブラーの特徴と使い分け
- 適正な竿の長さと硬さの選び方
- おすすめのトラウトロッド5選とその特徴
- アジング用のセッティング方法
- 専用ロッドとの性能差を理解しよう
- まとめ:トラウトロッドでアジングを楽しむためのポイント総まとめ
ソリッドティップとチューブラーの特徴と使い分け
ソリッドティップは、中空構造のロッドの先端部分だけを中身の詰まった構造にすることで、強度を保ちながら繊細な穂先を実現した設計です。この特徴により、大変曲がりやすく、かつしっかりとした合わせが可能になっています。
チューブラーロッドは、全体が中空の構造となっており、高感度が特徴です。特にアジングロッドでは、キンキンに研ぎ澄まされた感度を持つものが多く見られます。
トラウトロッドの場合、大半がチューブラー構造で、感度不足を補うセッティングとなっています。食い込み重視のソリッドティップで作られたトラウトロッドを選ばなければ、アジングにも対応が可能です。
ソリッドティップは、アジの口切れを防ぎやすく、またバイトを弾くことも少ないという特徴があります。これはアジングにおいて重要な要素となります。
チューブラーは感度重視の釣りに向いており、特にフォールでのアタリを取る際に威力を発揮します。
適正な竿の長さと硬さの選び方
トラウトロッドは5~5フィート後半のロッドを多用するのに対し、アジングロッドは6~7フィート後半のロッドが主流となっています。両方の用途で使用することを考えると、6~7フィート前半のロッドがおすすめです。
硬さについては、アジングではUL~M、トラウトロッドではXUL~Lを多用します。兼用を考える場合は、ULかLのロッドを選択することで、マイクロスプーンから小さいミノーまで対応が可能です。
ロッドの素材は、軽さ、感度、強度のバランスに優れたカーボンがおすすめです。特に、パッツン系よりもメバルロッドに近い、しなやかな特性を持つものが両用に適しています。
トラウトロッドは柔らかさを重視した設計が多いため、感度をそれほど追求できない特徴があります。ただし、管理釣り堀に特化した一部の設計は例外となります。
使用するフィールドに合わせて、適切な長さと硬さを選択することが重要です。
おすすめのトラウトロッド5選とその特徴
ダイワの「TROUT X・N 60UL」は、10,000円を切る価格帯ながら、軽量で使いやすい特徴を持っています。スプーンからミノーまでオールマイティに使用できる設計で、1.0gのジグヘッドもストレスなく扱えます。
シマノの「トラウトライズ S63SUL」は、エントリーモデルながら上位グレードに迫る軽さと使いやすさを実現しています。1~8gの適合ルアーウェイトで、特にミノーやシンペンのようなハードルアーでのアジングに適しています。
ジャッカルの「T-CONNECTION (AREA) TCS-60UL」は、ティップが非常に柔らかく、ルアーの重さを竿に乗せやすい特徴があります。1g前後のスプーンを使用する設計で、ジグ単でのアジングに向いています。
テンリュウの「Rayz RZ632S-L」は、トラウトロッドとしてはハリが強く、アジングロッドに近い仕上がりとなっています。操作性が抜群で、小型のミノーにアクションを付ける釣りに最適です。
がまかつの「ラグゼ ストーリアF 67UL-solid.RF」は、遠くの微小なアタリも手元で感じられる感度抜群のロッドです。6.7フィートの長さを活かして広範囲を探ることが可能で、高い足場からの釣りにも対応できます。
アジング用のセッティング方法
アジング用にセッティングする場合、まずリールのマッチングが重要です。トラウトロッドはバランス的には180~200gのリールが適していると考えられます。
ラインは、トラウトロッドのガイドが小さめに設計されているため、細めのラインを選択する必要があります。3lb前後のラインを使用する場合、ガイドを通る抵抗が大きくなり、飛距離が出にくくなる特徴があります。
アジング用のジグヘッドは、トラウトロッドの特性を考慮して、やや軽めの設定にすることをおすすめします。0.6~0.8gのジグヘッドであれば、ほとんどのトラウトロッドで扱いやすいでしょう。
小径のKガイドが採用されているモデルでも、フットの高さが調整されていればラインの放出がスムーズで、飛距離への影響を最小限に抑えることができます。
トラウトロッドの柔らかさを活かすため、合わせは通常のアジングよりもやや遅めに設定することをおすすめします。
専用ロッドとの性能差を理解しよう
トラウトロッドとアジングロッドの最も大きな違いは、感度と硬さにあります。アジングロッドは全体的に硬く、感度重視の設計となっているのに対し、トラウトロッドは柔らかく、魚の引きを吸収しやすい特徴があります。
このような特性の違いは、特にフォール中のアタリ検知に影響を与えます。トラウトロッドは感度が控えめなため、微細なアタリを検知しにくい傾向にあります。
しかし、柔らかい特性を活かすことで、アジの口切れを防ぎやすく、また魚とのやり取りを楽しむことができます。これは、トラウトロッドならではの魅力と言えます。
飛距離においては、一般的なトラウトロッドはアジングロッドと比べて2割程度劣ります。これは、ロッドの設計思想の違いによるものです。
バットパワーについても、アジングロッドの方が対象魚以上の余裕を持った設計となっています。
まとめ:トラウトロッドでアジングを楽しむためのポイント総まとめ

最後に記事のポイントをまとめます。
- トラウトロッドは管理釣り堀や狭い渓流用に設計された、コンパクトで柔らかい特性を持つ
- アジングロッドは開けた場所での使用を前提とした、長くて硬めの設計が特徴
- トラウトロッドの柔らかさは魚の動きに柔軟に追従し、バラシを減らす効果がある
- 感度はアジングロッド比で劣るため、アタリ取りに工夫が必要
- 適正な竿の長さは6~7フィート前半で、硬さはULかLが推奨される
- ソリッドティップは口切れを防ぎ、チューブラーは感度重視の特性を持つ
- リールは180~200g程度が適正バランス
- 飛距離はアジングロッド比で2割程度劣る
- 高感度モデルでも柔らかさを活かした合わせが重要
- カーボン素材で、しなやかな特性を持つモデルが両用に適している
- 管理釣り堀や近距離での釣りが得意
- 価格帯10,000円前後から選択可能