「ジグ単では届かないポイントにアジがいる」「軽いジグヘッドを遠くに飛ばしたい」そんな悩みを抱えているアジンガーの方は多いのではないでしょうか。実は、ガン玉を使ったスプリットショットリグという仕掛けが、これらの問題を一気に解決してくれる可能性があります。ガン玉は本来エサ釣り用のオモリですが、アジングにおいても非常に有効な道具として注目を集めています。
この記事では、インターネット上に散らばるアジング情報を収集・分析し、ガン玉を使ったアジングの基本から実践テクニック、注意点まで網羅的に解説していきます。初心者の方でもすぐに実践できる内容から、経験者が見落としがちなポイントまで、独自の視点で詳しくお伝えします。
この記事のポイント |
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✓ ガン玉を使ったスプリットショットリグの基本構造と効果 |
✓ ゴム張りガン玉を選ぶべき理由とおすすめの重さ設定 |
✓ ガン玉アジング特有のアクションとフッキングのコツ |
✓ 自作ジグヘッドでコストを抑える方法 |
ガン玉を使ったアジングの基本構造と効果的な使い方
- ガン玉アジングとはスプリットショットリグのこと
- ガン玉を使うメリットは飛距離と軽量リグの両立
- ガン玉の選び方はゴム張りタイプが鉄則
- ガン玉とジグヘッドの重さのバランスが釣果を左右する
- ガン玉の取り付け位置は30~70cmが基本
- ガン玉アジングに適したロッドとラインの選び方
ガン玉アジングとはスプリットショットリグのこと
ガン玉を使ったアジングは、正式には「スプリットショットリグ」と呼ばれる仕掛けのことを指します。このリグの構造は非常にシンプルで、ジグヘッドやノーシンカーフックの手前(リールから見て上側)30~70cmの位置にガン玉を取り付けるだけという手軽さが特徴です。
元々スプリットショットリグはバス釣りなどでも使われる仕掛けですが、アジングにおいても非常に有効であることが多くのアングラーによって実証されています。一般的には、ジグヘッド単体(ジグ単)では届かない距離を攻めたい時や、より軽いジグヘッドでスローに誘いたい時に使用されることが多いようです。
スプリットショットリグはジグヘッドの上に別のオモリ(スプリットシンカー)をセットし、仕掛けの重量を増やすことで遠投力をアップさせるのがスプリットショットリグ。
この引用からも分かるように、スプリットショットリグの主な目的は「遠投力の向上」です。しかし、実際にはそれだけではなく、後述するようにさまざまなメリットが存在します。キャロライナリグやフロートリグと比較すると、ジグ単に近い感覚で釣りができるという点も大きな特徴といえるでしょう。
仕掛けの作り方も非常に簡単で、釣り場でジグ単からすぐに変更できるのも魅力の一つです。特にガン玉タイプのシンカーを使えば、ラインを切ることなくその場で取り付けられるため、状況に応じた素早い対応が可能になります。この手軽さが、ガン玉アジングが多くのアングラーに支持される理由の一つとなっているのです。
📊 スプリットショットリグの基本構造
構成要素 | 位置 | 役割 |
---|---|---|
ガン玉(シンカー) | ジグヘッドから30~70cm上 | 飛距離の確保、レンジキープ |
リーダー部分 | ガン玉とジグヘッドの間 | ワームをゆっくり沈下・漂わせる |
ジグヘッド/ノーシンカー | 仕掛けの先端 | ワームの取り付け、フッキング |
ワーム | ジグヘッドに装着 | アジへのアピール、食わせ |
ガン玉を使うメリットは飛距離と軽量リグの両立
ガン玉を使ったスプリットショットリグの最大のメリットは、飛距離を確保しながら軽量ジグヘッドを使えるという点にあります。通常、0.2~0.4g程度の軽量ジグヘッドは、単体ではほとんど飛距離が出ません。特に風が吹いている状況では、キャスト自体が困難になることもあります。
しかし、ガン玉を追加することでリグ全体の重量が増し、飛距離が飛躍的に伸びるのです。例えば、0.6gのガン玉と0.2gのジグヘッドを組み合わせれば、トータルで0.8gのリグとなり、1g前後のジグ単と同等かそれ以上の飛距離が期待できます。しかも、ジグヘッド自体は軽量なので、フォールスピードはゆっくりとしたものになります。
私はアミパターンでジグ単0.5gでも食わない時に、・0.2gをジグヘッド単体でキャストしても飛ばない、・操作感が分からない、・(特に)横風に弱い、などのデメリットがあったときにスプリットショットリグを導入したのですが、デメリットを克服し数釣りをすることができました
この体験談が示すように、特にアミパターン(アジがプランクトンを捕食している状況)では、スプリットショットリグの効果が顕著に現れるようです。アミパターンでは、ワームをゆっくりと漂わせることが重要になりますが、軽量ジグヘッド単体では風に流されてしまい、思うようにコントロールできないことが多いのです。
さらに、ガン玉が先行して沈むことで、その後ろのジグヘッド部分がゆらゆらと漂うような動きを演出できます。これは通常のジグヘッド単体では得られない独特の動きであり、低活性時のアジに口を使わせる大きな武器となります。特に冬から春にかけてのプランクトンパターンでは、この漂わせる動きが絶大な効果を発揮するとされています。
また、レンジキープ力が高いこともメリットの一つです。ジグヘッド単体よりも重いガン玉が手前にあることで、リーリング時にワームが浮き上がりにくくなり、狙ったレンジを長くトレースできるようになります。これにより、アジのヒットゾーンをより効率的に探ることが可能になるわけです。
✅ ガン玉アジングの主なメリット
- ✓ 軽量ジグヘッド(0.4g以下)でも十分な飛距離が出せる
- ✓ ゆっくりとしたフォール速度でアジに食わせの間を与えられる
- ✓ 表層から中層をじっくり攻略できる
- ✓ 風が強い状況でもキャストしやすい
- ✓ レンジキープ力が高く、狙ったタナを長くトレースできる
- ✓ ワームを漂わせる独特の動きを演出できる
- ✓ ジグ単からの変更が簡単で現場での対応力が高い
ガン玉の選び方はゴム張りタイプが鉄則
ガン玉を選ぶ際に最も重要なポイントは、必ず「ゴム張り」タイプを選ぶということです。通常のガン玉は、鉛に割れ目が入っているだけのシンプルな構造ですが、ゴム張りタイプは割れ目の内側にゴムが貼られており、ラインへのダメージを大幅に軽減してくれます。
アジングで使用するラインは非常に細く、特にエステルラインは0.25号(1.3lb程度)といった極細のものを使用することが一般的です。このような細いラインに通常のガン玉を挟み込むと、鉛の鋭いエッジでラインが傷つき、最悪の場合ラインブレイクにつながる可能性があります。
ガン玉には、丸い鉛に溝が開いたタイプと、内側にゴムが張ってあるタイプの2種類があります。ゴムが無いタイプだと、ラインに傷が付きやすいです。ラインブレイクに繋がってしまうので、ゴム張りタイプを使用するようにしましょう。
この指摘は非常に重要です。ラインブレイクは単に魚を逃すだけでなく、環境への配慮という観点からも避けるべき事態です。ゴム張りタイプのガン玉は通常のものより若干価格が高くなりますが、ラインの安全性を考えれば必要な投資といえるでしょう。
また、ゴム張りガン玉は取り付けた後の位置ずれも少ないという利点があります。通常のガン玉の場合、キャストや巻き取りの際にラインに沿って動いてしまうことがありますが、ゴムの摩擦力により位置が固定されやすくなります。これにより、意図したリグのバランスを保ちやすくなるのです。
市販されているゴム張りガン玉には、フジワラの「ゴムコートガン玉」やヤマワ産業の「ゴム張りスタートセット」などがあります。カラー付きのものもあり、視認性を高めたい場合には有効かもしれません。重さのラインナップも豊富で、B号から6B号まで幅広く揃っているため、状況に応じて使い分けることができます。
🎯 ゴム張りガン玉の主要製品比較
メーカー | 製品名 | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|---|
フジワラ | ゴムコートガン玉 | カラーバリエーションあり | 約270円 |
ヤマワ産業 | ゴム張りスタートセット | サイズ別ケース付き | セット価格 |
デュエル | ガン玉セット | バラツキが少ない | 約300円 |
ガン玉とジグヘッドの重さのバランスが釣果を左右する
スプリットショットリグにおいて、ガン玉とジグヘッドの重さのバランスは非常に重要な要素です。一般的には、ガン玉の方をジグヘッドより重くするのが基本とされています。これにより、ガン玉が先に沈んでいき、その後ろでジグヘッドがゆっくりと追従する動きを作り出せるからです。
具体的な重さの組み合わせについては、多くの実践例が報告されています。例えば、0.6gのガン玉に0.2~0.4gのジグヘッドを組み合わせるパターンは、港湾部の常夜灯周りなど比較的浅い場所で効果的とされています。また、より深い場所や潮の流れが速い状況では、2.6gのガン玉に1gのジグヘッドといった重めの組み合わせも使われるようです。
ガン玉(0.6g)に対しジグ単(0.2~0.4g)にすることでスプリットシンカーより後ろのリグのフォールスピードがゆっくりとなり「食わせの間」を作ることができます
この「食わせの間」という概念が、スプリットショットリグの本質を表しています。ガン玉が重く、ジグヘッドが軽いほど、フォール中のワームの動きがゆっくりとなり、アジが吸い込むタイミングを長く作ることができるのです。
ただし、極端に差をつけすぎると、今度は操作感が失われたり、アクションが伝わりにくくなったりする可能性があります。おそらく、ガン玉とジグヘッドの重量比は2:1から3:1程度が扱いやすい範囲ではないかと推測されます。最終的には、自分がよく通うフィールドの水深や潮の流れ、アジの活性などを考慮して、最適なバランスを見つけていく必要があるでしょう。
また、ノーシンカーフック(針だけでオモリがないもの)とガン玉を組み合わせるパターンもあります。この場合、ワームの自然な動きを最大限に活かすことができ、超低活性時のボトム攻略に効果的とされています。ガン玉だけが底に着いた状態で、ノーシンカーワームが絶妙に浮いた状態を作り出せるのです。
📋 状況別ガン玉とジグヘッドの組み合わせ例
状況 | ガン玉 | ジグヘッド | 狙うレンジ | 期待される効果 |
---|---|---|---|---|
港湾浅場・常夜灯周り | 0.6g(B号) | 0.2~0.4g | 表層~中層 | アミパターン対応 |
中規模漁港・中層狙い | 1.3~1.5g(3B~5B号) | 0.5~0.8g | 中層~深層 | レンジキープ重視 |
潮流が速い場所 | 2.6g(6B号) | 1.0g | 深層 | 流れに負けない重量 |
超低活性・ボトム攻略 | 1.0~1.5g | ノーシンカー | ボトム | 漂わせ特化 |
ガン玉の取り付け位置は30~70cmが基本
ガン玉を取り付ける位置、つまりジグヘッドからガン玉までの距離も、リグの性能に大きく影響する要素です。一般的には30cmから70cm程度が基本とされていますが、これは状況によって調整する必要があります。
距離が短い(30cm程度)場合、ガン玉とジグヘッドの一体感が強くなり、操作性が向上します。アクションもダイレクトに伝わりやすく、キビキビとした動きを演出できます。一方で、ワームが独立して漂う時間は短くなるため、食わせの間は少なくなる傾向があります。
逆に距離が長い(70cm程度)場合、ガン玉とジグヘッドの独立性が高まり、ワームがゆっくりと漂う時間が長くなります。これにより食わせの間が増え、低活性のアジに口を使わせやすくなります。ただし、操作感は若干鈍くなり、アタリの感知が難しくなる可能性があります。
スプリットリグはジグヘッドの手前70〜30cmに錘を付けます。
この幅を持たせた設定は、現場での微調整を前提としていると考えられます。実際の釣りでは、最初は50cm程度から始めて、アジの反応を見ながら調整していくのが賢明でしょう。アタリはあるがフッキングしない場合は距離を短くする、アタリ自体が少ない場合は距離を長くするといった対応が考えられます。
また、使用するロッドの長さも考慮すべき要素です。短いロッド(5~6ft)では、あまり長い距離を取るとキャスト時に扱いにくくなる可能性があります。逆に長いロッド(7~8ft)では、ある程度距離を取っても問題なく扱えるでしょう。自分のタックルバランスに合わせた調整が重要です。
さらに、潮の流れの速さも影響します。流れが速い場所では、距離を短めにすることでリグ全体のコントロールがしやすくなります。逆に流れが緩い場所では、距離を長めに取ってワームをしっかり漂わせる方が効果的かもしれません。
ガン玉アジングに適したロッドとラインの選び方
ガン玉を使ったスプリットショットリグを効果的に使うには、適切なタックル選びも重要です。ロッドについては、基本的にジグ単用のアジングロッドで対応可能とされています。ただし、使用するガン玉の重さによっては、やや強めのロッドの方が扱いやすい場合もあります。
0.6~1.5g程度のスプリットリグであれば、UL(ウルトラライト)クラスのジグ単用ロッドで十分対応できます。しかし、2g以上の重めのリグを使う場合は、L(ライト)クラスやML(ミディアムライト)クラスのロッドの方が、キャストもアクションもしやすくなるでしょう。
私は、ジグ単タックルでそのままスプリットショットリグを使っていることが多いです(潮流の速さでもセッティングは変わってきますが私は港湾シャロー帯(満潮時4m以下)常夜灯周りで使っています)・ロッド:18月下美人mx510ul-s ・リール:18レガリス1000s
この実例から、港湾部での軽量スプリットリグであれば、ジグ単用タックルで十分に対応できることが分かります。ロッドの長さについては、遠投を重視するなら7ft前後、取り回しを重視するなら6ft前後が使いやすいと一般的には言われています。
ラインに関しては、エステルラインとの相性が良いとされています。エステルラインは伸びが少なく感度が高いため、ガン玉を通してもアタリを捉えやすいのです。号数は0.2~0.3号程度が一般的で、リーダーにはフロロカーボンの0.8~1号を使用するパターンが多いようです。
ただし、エステルラインは強度が低いため、ガン玉の取り付けには十分注意が必要です。だからこそ、前述したゴム張りガン玉の使用が推奨されるわけです。また、ラインが細いほど風の影響を受けにくくなり、スプリットリグの本来の性能を発揮しやすくなります。
PEラインを使用する選択肢もありますが、PEは伸びが少ない反面、風に弱いという特性があります。スプリットリグの利点の一つである「軽量リグでの遠投」を活かすには、風の影響が少ないエステルラインの方が適していると考えられます。ただし、大型のアジや根の荒い場所を狙う場合は、PEラインの高い強度が有利になることもあるでしょう。
🎣 ガン玉アジング推奨タックル例
タックル要素 | 軽量リグ向け(~1.5g) | 中重量リグ向け(1.5~3g) |
---|---|---|
ロッド | UL、5.5~6.5ft | L~ML、6.5~7.5ft |
リール | 1000~2000番 | 2000~2500番 |
ライン | エステル0.2~0.25号 | エステル0.3~0.4号 |
リーダー | フロロ0.8~1号、50~100cm | フロロ1~1.5号、50~100cm |
ガン玉アジングの実践テクニックと注意すべきポイント
- ガン玉アジングのアクションは大きめが正解
- フッキングは通常より強めに合わせる必要がある
- ガン玉リグとキャロライナリグの違いを理解する
- ノーシンカー+ガン玉の組み合わせで食わせ力アップ
- 月下美人など専用シンカーを使う選択肢もある
- ガン玉を使った自作ジグヘッドでコスト削減
- まとめ:ガン玉アジングで釣果を伸ばすための重要ポイント
ガン玉アジングのアクションは大きめが正解
スプリットショットリグを使う際、アクションは通常のジグ単より大きめに行う必要があるというのが多くのアングラーの共通認識です。これは、ガン玉が手前にあることで、細かいロッドアクションがワームまで伝わりにくくなるためです。
ジグ単の場合、軽くトゥイッチを入れるだけでもワームが反応しますが、スプリットリグではガン玉の慣性が働くため、小さなアクションではガン玉だけが動いて、肝心のワームは動いていない状態になりがちです。そのため、リフト幅を大きくしたり、リーリングのスピードを少し速めたりする必要があります。
アクションは少し大きめに。ジグヘッド単体より、少し大きめのアクションを心がけてください。細かくアクションしても、ワームは動かずガン玉だけが動いている状態となります。
この指摘は非常に重要です。特にフォール中のアクションでは、ガン玉がジグヘッドより下にくるため、ロッドを煽ってもアクションが伝わりにくくなります。したがって、フォール中にアクションを加える場合は、ガン玉がある程度動いてから、追従するようにワームが動くことをイメージする必要があります。
基本的なアクションパターンとしては、リフト&フォールが効果的です。リールを1~2回転巻いて、3~5カウント程度止める動作を繰り返します。この際、トゥイッチなどの鋭いアクションは避けた方が良いでしょう。トゥイッチを入れるとレンジがズレたり、ライントラブルの原因にもなります。
また、ただ巻きの場合も、ジグ単より少し速めのスピードが効果的なケースが多いようです。遅すぎるとガン玉の重みでワームが立ってしまい、不自然な姿勢になる可能性があります。ガン玉が水中で安定して泳ぐスピードを見つけることが、効果的なただ巻きのコツといえるでしょう。
💡 スプリットリグのアクション例
- ✓ リフト&フォール:リール1~2回転→3~5カウント停止を繰り返す
- ✓ スローただ巻き:ジグ単より若干速めのスピードで一定に巻く
- ✓ ドリフト:キャスト後テンションを張ったまま流れに任せる
- ✓ 放置:ボトムまで沈めてラインを張り、潮流でワームを漂わせる
- ✓ 大きめリフト:ロッドを肩から腰くらいまで大きく動かす
フッキングは通常より強めに合わせる必要がある
スプリットショットリグの使用で最も注意が必要なのがフッキングです。ガン玉が手前にあることでラインがくの字に折れるため、通常のジグ単と同じ感覚でアワセを入れても、針先まで力が伝わりにくいという問題があります。
実際に、アタリがあって合わせを入れたつもりなのに、ガン玉だけが動いてフッキングしていなかったという経験をした方は多いでしょう。これを防ぐには、ジグ単より大きく、かつ速いアワセを入れる必要があります。ただし、アジは口が弱い魚なので、力を入れすぎると口切れを起こす危険性もあります。
フッキングは大きく。図のように、ラインがガン玉を頂点に折れてしまうため、ワームまでのラインが直線になっていません。そのためいつものように合わせても、しっかりとフッキングが決まらないのです。スプリットリグを使用した際は、少し大きく合わせることが必要となることだけ、意識しておきましょう。
この問題に対する解決策として、いくつかのアプローチが提案されています。一つは、アワセのタイミングを少し遅らせることです。アタリを感じてから一呼吸置いてからアワセを入れることで、アジがしっかりとワームを咥え込んでからフッキングできる可能性が高まります。
もう一つの方法は、「巻きアワセ」です。ロッドを大きく煽るのではなく、リールをスピーディに巻いて針を掛ける方法です。特に低活性時の「荷重感度系のアタリ」、つまり抜けアタリやぐっと重くなるタイプのアタリの場合は、巻きアワセが効果的とされています。
また、使用するフックの鋭さも重要です。針先が鋭いフックを使用すれば、少ない力でも貫通しやすくなり、フッキング率が向上します。土肥富のレンジクロスフックなど、アジング専用に設計された鋭いフックを使用することで、スプリットリグのフッキング問題をある程度カバーできるでしょう。
⚠️ スプリットリグのフッキング対策
対策 | 内容 | 期待される効果 |
---|---|---|
大きめのアワセ | ジグ単の1.5~2倍の動作 | ガン玉による力のロスを補う |
遅めのタイミング | アタリから一呼吸置く | アジの咥え込みを待つ |
巻きアワセ | リールを速く巻いて掛ける | 荷重感度系アタリに有効 |
鋭いフック使用 | レンジクロスフック等 | 少ない力で貫通させる |
ティップ送り | ロッドを前に送ってから合わせる | 食い込み時間を確保 |
ガン玉リグとキャロライナリグの違いを理解する
スプリットショットリグと混同されやすいのがキャロライナリグです。どちらもジグヘッドの手前にシンカーを配置するという点では共通していますが、実は構造と使用目的が異なります。この違いを理解することで、状況に応じた使い分けが可能になります。
最も大きな違いは、シンカーが固定式か誘導式かという点です。スプリットショットリグのガン玉は、ラインに固定されて動きません。一方、キャロライナリグのシンカーは、ラインを通す穴が開いており、シンカーがライン上を自由に動く構造になっています。
キャロライナリグはバックスライド(手前から向こう側に向かって斜めに沈み込む)のに対しスプリットショットリグはジグ単に近いイメージで釣ることができます
この引用が示すように、沈下の仕方も大きく異なります。キャロライナリグは比重の軽いシンカーを使うことが多く、スローフォールしながらバックスライド(手前に向かって沈む)します。これに対し、スプリットショットリグは比重の高いガン玉を使うため、ほぼ真下に沈んでいきます。
飛距離の面では、キャロライナリグの方が優位です。専用のキャロシンカーは5~20g程度と重く、空気抵抗も少ない形状に設計されているため、遠投性能に優れています。一方、スプリットリグは飛距離よりも、ジグ単に近い操作感と手軽さが特徴といえます。
感度についても違いがあります。キャロライナリグは誘導式のため、アタリがダイレクトに伝わりやすいという利点があります。スプリットリグは固定式なので感度は若干劣りますが、近年のロッドの高性能化により、実用上は大きな問題にはならないレベルまで改善されているようです。
おそらく、使い分けの基準としては、遠投が必要な広大なサーフや沖堤防ではキャロライナリグ、港湾部や中規模漁港ではスプリットリグという選択が合理的でしょう。また、キャロライナリグは事前にリグを組む必要がありますが、スプリットリグはその場で簡単に作れるという機動力の差も重要なポイントです。
📊 スプリットリグとキャロライナリグの比較
項目 | スプリットリグ | キャロライナリグ |
---|---|---|
シンカー構造 | 固定式(ガン玉) | 誘導式(専用シンカー) |
重量 | 0.5~3g程度 | 3~20g程度 |
飛距離 | 中距離(20~40m) | 遠距離(40~80m) |
沈下方向 | ほぼ真下 | バックスライド |
操作感 | ジグ単に近い | やや鈍い |
仕掛け作成 | 現場で簡単 | 事前準備が必要 |
適した場所 | 港湾、小規模漁港 | サーフ、沖堤防 |
ノーシンカー+ガン玉の組み合わせで食わせ力アップ
スプリットショットリグの応用として、ジグヘッドの代わりにノーシンカーフック(針のみ)を使うパターンがあります。これは特に超低活性時や、ボトム付近をじっくり攻めたい時に効果を発揮する方法です。
ノーシンカーフックは文字通りオモリがついていないため、ワームが水中で最も自然に動きます。ガン玉が底に着いた状態で、ノーシンカーワームが絶妙に浮いた状態を作り出せるのが最大の特徴です。この「底から少し浮いた状態」は、産卵後の体力を消耗したアジなど、動きの鈍い個体に対して非常に有効だとされています。
僕のエリアでは、水温が下がり切るとアジの活性がさがり、ボトムにへばりついてしまいます。そこで活躍するのが、ノーシンカーのワームを使ったスプリットリグ。これをボトムに放置すると、ノーシンカーワームが絶妙に浮いた状態となり、放置した数秒後にアジが喰ってくるのです。
この「放置戦術」は、アクティブに動き回る必要がない点で、初心者にも取り組みやすい方法といえます。キャストしてボトムまで沈め、ラインを張った状態で待つだけ。潮の流れがワームを微妙に動かし、それがアジを誘うというシンプルな仕組みです。
ノーシンカーフックを使う際は、フックのサイズ選びが重要です。アジのサイズに対して大きすぎるフックは違和感を与え、小さすぎるとフッキングが決まりません。一般的には、15~20cmクラスのアジなら#6~#8程度、豆アジなら#10~#12程度が適切でしょう。
また、ノーシンカーリグではワームの選択も重要度が増します。浮力の高いワーム、例えばレインズのアジリンガーのようなリブの深いワームは、ノーシンカーでも立ち泳ぎするように姿勢を保ちやすく、アピール力が高まります。逆に、細身でしなやかなワームは、より繊細な動きを演出できるでしょう。
ノーシンカー+ガン玉の組み合わせは、ジグヘッド使用時よりもさらに吸い込みが良くなるという報告もあります。これは、オモリの重みがフック部分にないため、アジがワームを吸い込む際の抵抗が少ないことが理由と考えられます。特にアミパターンなど、捕食対象が小さい状況では、この吸い込みの良さが釣果に直結するかもしれません。
🎯 ノーシンカー+ガン玉リグの使い所
- ✓ 産卵後の低活性アジ(2~4月)
- ✓ 夏の高水温期でボトムに沈んだアジ(7~9月)
- ✓ 冬の超低水温期(12~2月)
- ✓ 流れが緩く、放置戦術が有効な港湾部
- ✓ アタリはあるがフッキングしない時
- ✓ 食い渋りが激しく、最も自然な動きが求められる時
月下美人など専用シンカーを使う選択肢もある
ガン玉以外に、アジング専用のスプリットシンカーも各メーカーから発売されています。代表的なものとしては、ダイワの「月下美人 アジングシンカー」やアルカジックジャパンの「スプリットシンカー」などがあります。これらは通常のガン玉とは異なる特徴を持っています。
専用シンカーの最大の利点は、脱着が容易で繰り返し使えるという点です。多くの製品はウキ止めゴムのようなストッパーでシンカーを固定する方式を採用しており、ガン玉のように挟み込む必要がありません。そのため、シンカー自体が変形したり劣化したりしにくく、長期間使用できます。
ウキ止めタイプ:ウキ釣りをしたことある人は「からまん棒」と言えばイメージがつきやすいかもしれません。二つのゴムをラインに通し、シンカーをセットして挟み込むように取り付けるタイプですね。仕掛けを作るときにジグヘッドを結び直す必要がありますが、ゴムが劣化するまでは繰り返し使えるのでコスパは最強です。
また、専用シンカーは形状が工夫されていることが多く、ガン玉より空気抵抗が少なく飛距離が出やすいものもあります。タングステン素材を使用した製品もあり、鉛製のガン玉と同じ重さでもよりコンパクトで、水の抵抗を受けにくいという利点があります。
ただし、価格面ではガン玉に劣ります。ガン玉は安価で大量に入手できますが、専用シンカーは1個あたりの単価が高くなりがちです。根掛かりなどでロストするリスクを考えると、一概にどちらが良いとは言えません。おそらく、よく通うホームグラウンドで使うなら専用シンカー、初めて行く場所や根掛かりが多い場所ではガン玉という使い分けが賢明でしょう。
また、専用シンカーの中には「ワンタッチシンカーロック」のように、ラインを切らずに取り付けられる製品もあります。これはガン玉と同じ手軽さを持ちながら、専用設計の利点も享受できるという、両者の良いとこ取りをした製品といえます。ただし、固定力については製品ごとに差があるようなので、実際に使ってみて判断する必要があるでしょう。
🛠️ 専用シンカーの主要製品
メーカー | 製品名 | タイプ | 素材 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
ダイワ | 月下美人 アジングシンカー | ウキ止め式 | タングステン | 高比重で小型 |
ダイワ | 月下美人 ワンタッチシンカーロック | 挟み込み式 | 鉛 | 脱着が容易 |
アルカジックジャパン | スプリットシンカー | ウキ止め式 | 鉛 | コスパ良好 |
ガン玉を使った自作ジグヘッドでコスト削減
ここまでスプリットリグについて解説してきましたが、実はガン玉を使ってジグヘッド自体を自作するという方法もあります。これは厳密にはスプリットリグとは異なりますが、ガン玉の活用法として知っておくと便利です。
自作ジグヘッドの作り方は非常にシンプルです。ジグヘッド用のフック(レンジクロスフックなど)を用意し、その軸にガン玉を挟み込むだけ。好みでガン玉を瞬間接着剤で固定すれば完成です。慣れれば1個あたり数秒で作れるとされています。
自作ジグヘッドは希望のウエイトのガン玉を使って作るので希望の重さやウエイト設定が創り出せます。また針のサイズも私の場合で3種類、他にメバリング用の針を使ったり気に入った針で作れます。さらに市販品より値段が安くロストした際の補充も簡単
この方法の最大のメリットはコストパフォーマンスです。市販のジグヘッドは1個あたり70円程度ですが、自作なら針代とガン玉代を合わせても50円以下、場合によっては30円程度で作れるとされています。頻繁にアジングに行く方や、ロストが多い根掛かりの多い場所で釣る方には、かなりの節約になるでしょう。
また、自分の好みの針と好みの重さを自由に組み合わせられるという利点もあります。市販品では、気に入った針の形状でも、欲しい重さのラインナップがないということがありますが、自作ならその問題は解消されます。システマチックにジグヘッドを揃えられるわけです。
さらに、在庫管理も楽になります。市販品は5個単位で販売されることが多いですが、自作なら必要な数だけ作れます。2個ロストしたら2個補充という具合に、常にケースを満タンの状態に保てるのです。
ただし、自作ジグヘッドにもデメリットはあります。ヘッド形状が不揃いになりがちで、市販品のような精密な重心設計は期待できません。また、作る手間もかかります。時間をお金で買うと考えれば、市販品を使う方が合理的という見方もできるでしょう。おそらく、自作に向いているのは、作る作業自体を楽しめる方や、道具に対するこだわりが強い方でしょう。
💰 自作ジグヘッドのコスト比較
項目 | 市販ジグヘッド | 自作ジグヘッド |
---|---|---|
1個あたり単価 | 約70円 | 約30~50円 |
針の選択肢 | 製品に依存 | 自由に選択可 |
重さの選択肢 | 製品ラインナップに依存 | 自由に設定可 |
作成時間 | 不要 | 1個数秒~数十秒 |
形状の精度 | 高い | やや劣る |
在庫管理 | 5個単位 | 1個単位で調整可 |
まとめ:ガン玉アジングで釣果を伸ばすための重要ポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- ガン玉を使ったアジングとは、スプリットショットリグという仕掛けのことである
- ガン玉を追加することで、軽量ジグヘッドでも十分な飛距離が確保できる
- ガン玉は必ずゴム張りタイプを選び、ラインへのダメージを防ぐべきである
- ガン玉はジグヘッドより重くし、2:1から3:1程度の重量比が扱いやすい
- ガン玉の取り付け位置は30~70cmが基本だが、状況に応じて調整する
- 基本的にジグ単用のタックルで対応可能だが、重いリグではワンランク上のロッドが扱いやすい
- エステルラインとの相性が良く、0.2~0.3号程度が一般的である
- アクションはジグ単より大きめに行い、ガン玉を通してワームまで動きを伝える
- フッキングも大きめに行う必要があり、巻きアワセも効果的である
- キャロライナリグとは構造が異なり、スプリットリグはより手軽で操作感がジグ単に近い
- ノーシンカーフック+ガン玉の組み合わせは、超低活性時のボトム攻略に有効である
- 月下美人などの専用シンカーは繰り返し使えてコスパが良いが、価格は高めである
- ガン玉を使って自作ジグヘッドを作れば、大幅なコスト削減が可能である
- 状況に応じてガン玉の重さや取り付け位置を変えることで、より効果的な釣りができる
- スプリットリグの弱点である感度の低さは、近年の高性能ロッドである程度カバーされている
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 【コラム】スプリットショットリグ(アジング)のススメ|ぐっちあっきー
- 【アジング】スプリットリグが超釣れる!仕掛け&使い方の要点をご紹介 | 【TSURI HACK】
- 淡路島:ガン玉釣果 &ガルプでアジング♪ | 淡路島 ― 四国・フィッシングリポート
- アジングの仕掛け9種類とその特徴を解説!|おだやかなる釣りの時間
- アジングの市販ジグヘッドと自作ジグヘッドについて | 投げて巻けば釣れっでろ?
- スプリットリグ | アジング – ClearBlue –
- アジングにおけるスプリットショットリグの利点と使い方 弱点も解説! | アジング専門/アジンガーのたまりば
- 私のモノづくり | アジング – ClearBlue –
- アジングやメバリング、ライトソルトゲーム全般で、ジグヘッドを自作している方に… – Yahoo!知恵袋
- アジングのジグヘッドを自分で作ると幸せになれた話 | ジグタン☆ワーク アジング日記
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