エギングは手軽に始められる釣りとして人気ですが、多くの方が「思うように釣れない」という壁にぶつかっています。アオリイカは季節や時間帯、潮の流れによって行動が大きく変化する生き物で、これらの要素を理解することが釣果向上の鍵となります。

中でも「エギの着底待ち」や「ワンパターンな釣り方」から脱却することが重要です。また、フォールスピードの調整やエギのカラーローテーション、シャローエリアと深場での使い分けなど、状況に応じた対応力を身につけることで、確実に釣果を上げることができます。
記事のポイント!
- エギングで釣れない主な原因と具体的な改善方法
- アオリイカの活性が高まる時間帯や条件の見極め方
- 基本的なしゃくり方からフォールまでの正しい使い方
- 状況に応じたエギの選び方とアクションの使い分け
エギングで釣れない原因と解決策を徹底解説!
- 初心者が陥りやすい5つの釣れない原因とは
- アオリイカの活性が高い時間帯を狙うことが重要
- 基本のしゃくり方を見直して釣果アップ
- エギの着底待ちを止めて効率的に探る
- レンジを変えて水深を探ることがコツ
- ワンパターンな釣り方から脱却する方法
初心者が陥りやすい5つの釣れない原因とは
エギングで釣れない最も大きな原因は、イカの居ない場所や時間帯で釣りをしていることです。アオリイカは海の中に万遍なく分布しているわけではなく、特定の場所に集まる習性があります。
場所選びの重要なポイントは「墨跡」の確認です。堤防や漁港などの釣り場で、イカの墨跡が見られる場所は、アオリイカが生息している証拠となります。こういった場所を見つけることで、釣果を上げる確率が高まります。
三つ目の原因は、エギのアタリに気づけていない可能性です。アオリイカのアタリは非常に繊細で、ラインが引き込まれたり、フッと軽くなったりと、様々なパターンがあります。特に風が強い時や、糸フケが出すぎている状態では、アタリを感じ取りにくくなります。
四つ目は、エギのローテーションができていないことです。同じエギを使い続けると、アオリイカに警戒されてしまいます。時間帯や潮の濁り具合、光量によって、効果的なエギの色やサイズは変化するため、状況に応じた使い分けが必要です。
最後に、飛距離の不足が挙げられます。アオリイカは手前のエリアにはあまり寄ってこないことが多く、遠投してエリアを広く探ることが重要です。キャストの練習を重ね、できるだけ遠くまでエギを投げられるようになることで、釣果アップにつながります。
アオリイカの活性が高い時間帯を狙うことが重要
アオリイカの釣果を大きく左右する要素の一つが、時間帯の選択です。特に「朝マズメ」「夕マズメ」と呼ばれる、日の出・日の入り前後の時間帯は、アオリイカの活性が高まる重要な時期となります。
また、潮の動きも釣果に大きな影響を与えます。潮が動くタイミング、特に満潮から干潮、またはその逆の「潮の変わり目」が、アオリイカの活性が高まるポイントです。一方で、潮止まりの時間帯は比較的釣れにくい傾向にあります。
夜間はアオリイカが最も活発に活動する時間帯です。これは夜行性という生態によるもので、以前は「イカ釣りといえば夜」と言われるほど、ナイトエギングが主流でした。ただし、日中でも潮の流れや時合いを見極めることで、十分な釣果を上げることができます。
水温も重要な要素の一つです。アオリイカは20℃~25℃の水温帯で最も効率よくエサを食べる習性があり、この温度帯の時期が釣りやすいとされています。季節で言えば、春と秋がベストシーズンとなります。
また、天候や海況も活性に影響を与えます。波が荒い時やうねりが強い時は、アオリイカの活性が下がる傾向にあります。できるだけ波の穏やかな日を選んで釣行することをお勧めします。
基本のしゃくり方を見直して釣果アップ

しゃくり方の基本は、ロッドを下から上に振り上げる動作と、その際に発生した糸フケを回収するまでの一連の流れです。この動作を丁寧に行うことで、エギに自然な動きを与えることができます。
特に注意すべきは、竿先の動かし方です。エギを投げた後は、ラインが風の抵抗を受けないよう糸フケを取り、エギを着底させることから始めます。この時、竿先を不必要に動かすと、エギが不自然な動きをしてしまい、アオリイカに警戒されてしまいます。
フォールの際は、完全なフリーフォールではなく、適度なテンションをかけることが重要です。これによって、アタリを感知しやすくなり、また、エギの姿勢も安定します。アオリイカはフォール中にエギを抱くことが多いため、この部分の技術向上が釣果に直結します。
しゃくりの回数は、一般的に1~3回程度が基本となります。力任せに激しくシャクることは避け、丁寧なアクションを心がけましょう。水中でエギがどのように動いているかをイメージしながら、自然な動きを演出することが大切です。
また、シャクリの角度も重要です。ロッドの可動域は8時から12時の方向が基本で、エギが遠くにある場合は、この可動域をフルに使った大きめのシャクリが効果的です。近くにある場合は、小さめの動作で十分なアクションを与えることができます。
エギの着底待ちを止めて効率的に探る
着底待ちはエギングの基礎として広く知られていますが、実はこれにこだわりすぎると効率が悪くなる場合があります。着底を待つ時間分、キャスト回数が減ってしまい、チャンスも減ることになります。
中層より上を泳ぐ活性の高いアオリイカは、ボトムで待機している個体よりも反応が良い傾向にあります。特に春の時期は、水深の浅いエリアでも良型が狙えます。エギを完全に着底させず、中層から表層にかけて探ることで、効率的に釣果を上げることができます。
アタリの感知という面でも、着底待ちにはデメリットがあります。海底でじっとしているアオリイカは、エギをその場で抱きかかえることが多く、アタリが分かりづらくなります。一方、表層~中層からのフォールでは、ラインの動きの変化が分かりやすく、アタリを取りやすくなります。
レンジの取り方は、まず水深を把握することから始めます。キャスト後のフリーフォールで、ラインが止まるまでの時間を計測し、その情報を基に探り方を組み立てていきます。針の付いていないメタルジグやオモリを使って、水深やカケ上がり、シモリなどを効率的に探ることもできます。
効率的な探り方の例として、15秒間フォールさせて1回シャクる、というのを1セットとして繰り返す方法があります。反応が無ければ、30秒フォールさせて2回シャクるというように、徐々にレンジを落としながらアクションも変化をつけていきます。カウントやアクションは水深に合わせて調整し、自分なりのパターンを見つけていくことが重要です。
レンジを変えて水深を探ることがコツ
レンジを効果的に変えていくには、まず使用するエギの特性を理解することが重要です。一般的な3号サイズのエギは、1メートル沈むのに約3秒かかります。この基本的な沈降速度を把握した上で、探るレンジを決めていきます。
水深の変化に応じて、フォールの時間を調整していきます。例えば水深4メートルほどの場所では、中層を探るなら2メートル程度、つまり6秒程度のフォールが目安となります。ただし、これは風や潮の影響を受けない理想的な状況での計算です。
実際の釣りでは、風や潮の影響でエギの沈降速度は大きく変化します。特に潮が速い場合や風が強い場合は、エギの沈降速度が遅くなります。このため、状況に応じてフォールタイムを調整する必要があります。
レンジを攻める際は、一定の層だけを探るのではなく、表層から徐々に深場へと探っていくのが効果的です。アオリイカがどの層にいるかを特定できたら、その後はその層を中心に攻めることで、効率的に釣果を上げることができます。
アオリイカの活性が高い時は、エギをしゃくって落とした直後に反応することも多いです。このため、急いで底まで沈めるのではなく、各レンジでしっかりとアピールすることが重要です。特に春のエギングでは、シャローエリアにも良型が潜んでいることがあるので、浅場も丁寧に探ることをお勧めします。
ワンパターンな釣り方から脱却する方法
ワンパターンな釣り方から脱却するには、「ランガン戦略」と「ローテーション戦略」の2つが効果的です。ランガンとは、同じ場所に投げ続けるのではなく、どんどん移動しながら活性の高いアオリイカを探すスタイルです。
特に春のアオリイカは警戒心が強く、違和感を抱くとスレてしまう傾向があります。このため、1投目を大切にし、3投ほどしたら見切りをつけて移動する、というのが効果的な方法です。場所を変えることで、スレていないアオリイカと出会える可能性が高まります。
ローテーション戦略は、エギの種類やカラーを積極的に交換していく方法です。近年のエギは色の違いだけでなく、形状やパーツにも工夫が凝らされており、状況に応じて使い分けることで、より多くのチャンスを作ることができます。
また、シャクリのパターンも固定化せず、状況に応じて変化をつけることが重要です。2段シャクリや3段シャクリなど、様々なバリエーションを持っておくことで、その日のイカの反応に合わせた攻め方ができます。
一つのポイントを粘り過ぎるのも、ワンパターンの一つです。アオリイカは回遊魚なので、いないところをいくら粘っても時間の無駄になってしまいます。潮の流れや地形の変化を読みながら、積極的にポイントを変えていくことが、釣果アップのコツとなります。

エギングで釣れないときの状況別対策法
- 潮の変化を見極めて釣果を出すポイント
- フォールスピードの調整で釣果が変わる理由
- エギのカラーローテーションで活性を引き出す
- 場所を変えながら活性の高いイカを探す
- シャローエリアの攻め方で結果を出す
- 深場での釣り方のコツと注意点
- まとめ:エギングで釣れない人が意識すべきポイント
潮の変化を見極めて釣果を出すポイント
潮の動きはアオリイカの釣果に大きな影響を与える重要な要素です。特に大切なのは「潮の壁」と呼ばれる、潮流の変化が起こる場所を見つけることです。この潮の壁には、ベイトフィッシュが集まりやすく、活性の高いアオリイカが集まる傾向があります。
潮の壁は、地形の変化などによって潮流が障害物にぶつかり、反転流や湧昇流が生まれる場所に形成されます。これらの場所は、誰の目でも分かりやすい潮目として現れることもありますが、多くの場合は目に見えない形で存在しています。
潮の変化を見つけるポイントの一つは、エギやラインが受ける抵抗の変化です。ストラクチャーなどがあり、そこに潮流がぶつかることで湧昇流のような縦の流れが発生している場所では、エギの操作感に違いが出てきます。
高活性なアオリイカは、こういった潮流の変化する場所に集まりやすい傾向があります。潮目ほど大きな変化が見られなくても、ベイトフィッシュが集まりやすい場所には、アオリイカも集まってきます。
潮止まり前後は特に注意が必要で、この時間帯は一般的に釣れにくいとされています。ただし、シャローエリアは潮の動きが悪くなっても常に水が動いているため、高活性なイカがいる可能性が高くなっています。
フォールスピードの調整で釣果が変わる理由
エギのフォールスピードは、アオリイカの反応を大きく左右する要素です。通常の3.5号のエギは1メートル沈むのに約3-4秒かかりますが、この速度は風や潮の影響で大きく変化します。
フォールスピードの調整方法として、ラインテンションの使い分けがあります。完全なフリーフォールではなく、適度なテンションをかけることで、エギの姿勢を安定させることができます。これにより、アタリの感知もしやすくなります。
春シーズンなど、警戒心の強いアオリイカを狙う場合は、シャロータイプやスーパーシャロータイプのエギを使用することで、ゆっくりとしたフォールスピードを実現できます。また、ノーマルタイプのエギでもラインテンションを調整することで、シャロータイプに近い沈降速度を実現することができます。
ロッドを立てたり、横にさびいたりすることで、フォールスピードをさらに細かく調整することも可能です。エギの姿勢も水平に近い状態になり、より自然な動きを演出できます。
風や潮の影響でフォールスピードが極端に変化する場合は、シンカーの使用も検討します。メーカーが設定した最適な沈降角度や速度を維持することで、アオリイカに違和感を与えにくくなります。
エギのカラーローテーションで活性を引き出す

エギのカラーは、時間帯や光量、水の濁り具合によって効果が変化します。同じエギを使い続けると警戒されやすいため、状況に応じて適切にローテーションを行うことが重要です。
基本的な使い分けとして、暗いうちは赤テープ、明るくなるにつれてオレンジ系や金テープなどが効果的とされています。ただし、これはあくまでも基本的な目安であり、その日の状況によって効果的なカラーは変化します。
視認性の良さも重要な要素で、イカが高活性な場合は、エギをしっかりと目で見て判断していると考えられています。そのため、水中でもはっきりと視認できるカラーを選ぶことで、アピール力を高めることができます。
ローテーションを行う際は、反応の良かったカラーを記録しておくことをお勧めします。同じような状況で再び釣行する際の参考になるだけでなく、カラーチェンジのタイミングを判断する材料にもなります。
カラーだけでなく、エギの形状やパーツの違いにも注目します。近年は様々な特徴を持ったエギが開発されており、これらを状況に応じて使い分けることで、より多くのチャンスを作ることができます。
場所を変えながら活性の高いイカを探す
ランガン戦略は、同じ場所に固執せず、積極的に移動しながらアオリイカを探す方法です。特に活性の高いイカは、数投で決着がつくことも多いため、効率的に釣果を上げることができます。
移動の際は、シモリ付近を重点的に探ることで、イカに出会える確率を高めることができます。岸からの払い出しの流れがシモリに当たり、潮の壁ができる場所には、イカが集まりやすい傾向があります。
イカが居付いていない場合は、回遊を待つ必要がありますが、この待ち時間は非効率的です。回遊のタイミングや潮周りを完全に読み切るのは難しいため、積極的にポイントを移動して新しいイカを探す方が効果的です。
場所を選ぶ際は、墨跡の確認が重要です。新しい墨跡がある場所は、最近イカが釣れた証拠であり、何らかの好条件が揃っている可能性が高くなっています。
浅場の攻略も忘れずに行います。水深1メートルを切るような場所や、潮通しの悪いワンドの奥など、一般的なポイントとは異なる場所でも、良型が釣れることがあります。条件にとらわれず、様々な場所を調査することで、自分だけのスペシャルポイントを見つけることができます。
シャローエリアの攻め方で結果を出す
シャローエリアでは、着水と同時に竿を立ててラインに強めのテンションをかけることが基本となります。フリーフォールではすぐにボトムに着底してしまうため、テンションフォールを主体にしつつ、テンポよくエギをしゃくり上げます。
シャローエリアで重要なのは、中層から表層にかけての探り方です。夜間に浅場でエサを追いかけていたイカが、朝まずめの時間帯にまだ居残っている可能性があり、こういったイカは活性が高く釣りやすい傾向にあります。
エギの選択も重要で、シャロータイプやスーパーシャロータイプなど、沈降速度の遅いエギを使用することで、根掛かりを回避しつつアクションの効いた誘いが可能になります。シャローエリアは特に風や波の影響を受けやすいため、状況に応じてエギを使い分けることが大切です。
目視できる範囲での釣りでは、イカの反応を直接確認できる利点があります。サングラスの使用で水面の反射を抑えることで、より効果的な視認が可能になります。
シャローエリアでは、波に合わせてエギがフラフラと揺れる動きも効果的です。特に浅い場所では、波の力を利用してエギを自然に動かすことで、イカが抱きやすい状況を作り出すことができます。
深場での釣り方のコツと注意点
深場での釣りでは、潮の影響を強く受けるため、エギのコントロールが難しくなります。外洋からのウネリの影響で海面が波打っている場合は、強めのテンションをかけすぎるとラインが波に引っ張られ、エギの姿勢が不安定になります。
エギの選択も深場特有の考慮が必要です。潮に馴染ませるために、通常よりもサイズを大きくすることで、潮を受ける面積を増やし、安定した動きを実現できます。例えば3号から3.5号へのサイズアップが効果的です。
深場では完全なフリーフォールは避け、ゼロテンションのフリーフォール気味の誘い方に変更します。これにより、エギの安定性を保ちつつ、アタリの感知もしやすくなります。ただし、完全なフリーフォールは避け、わずかなテンションをかけながらコントロールします。
深場特有の攻め方として、ボトムステイ&ズル引きという手法があります。これは着底後にエギを一定時間静止させ、その後ゆっくりと引きずるように動かす方法です。この技術は根掛かりのリスクはありますが、底付きのイカやコウイカなどに効果的です。
深場での釣りは、EG X-ultimateのような軽量&高感度の竿を使用することで、潮の重みなどの変化を察知しやすくなります。また、ソリッドティップの特性を活かすことで、テンションコントロールが容易になり、エギの姿勢も安定します。

まとめ:エギングで釣れない人が意識すべきポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- 潮の変化を読み取り、潮の壁を見つけることが釣果アップの第一歩
- 朝マズメ・夕マズメの時間帯を積極的に狙うことで釣果率が向上
- 基本的なしゃくり方は、1~3回を目安に丁寧なアクションを心がける
- エギの着底待ちにこだわりすぎず、中層から表層も効果的に探る
- フォールスピードは風や潮の影響を考慮して適切に調整
- エギのカラーやサイズは、状況に応じて積極的にローテーション
- 同じ場所に固執せず、積極的に移動してポイントを探す
- シャローエリアは活性の高いイカが潜む可能性のある重要なポイント
- 深場では潮の影響を考慮したエギの選択とテンションコントロールが重要
- 墨跡の確認や目視による状況判断を積極的に活用
- 水温20~25℃が最も釣りやすい条件
- 根掛かり対策としてシンカーの使用も検討