エギングロッドでアジングを楽しみたいけど、果たして使えるの?そんな疑問を持つ方も多いはずです。エギングとアジングでは対象魚も釣り方も異なりますが、実はエギングロッドでもアジングを楽しむことができます。

ただし、エギングロッドでアジングをする場合は、使える仕掛けに制限があります。例えばジグ単では扱いづらく、フロートリグやキャロライナリグなど、比較的重めの仕掛けを使う必要があります。この記事では、エギングロッドでアジングを楽しむためのポイントや実践的な使い方について詳しく解説していきます。
この記事のポイント!
- エギングロッドとアジングロッドの違いと特徴について
- エギングロッドで使えるアジング用の仕掛けと重さの目安
- フロートリグやキャロライナリグを使った実践的な釣り方
- エギングロッドでアジングを楽しむ際の注意点と限界
エギングロッドでアジングはどこまでできる?適した使い方と限界を解説
- エギングロッドとアジングロッドの基本的な違い
- エギングロッドでジグ単アジングは厳しい理由
- フロートリグならエギングロッドで対応可能
- キャロライナリグもエギングロッドで使える
- メタルジグを使ったアジングテクニック
- エギングロッドで扱えるジグヘッドの重さ
エギングロッドとアジングロッドの基本的な違い
エギングロッドとアジングロッドは、設計思想から大きく異なります。エギングロッドは2.5号から4.0号(約10g~25g)のエギに対応し、アオリイカの強い引きに耐えられる設計になっています。
一方、アジングロッドは0.5gから7gという非常に軽いルアーを使用することを想定しており、繊細なアタリを感知できる高感度な設計が特徴です。
ロッドの長さも大きく異なり、エギングロッドは7~9フィート(約2.1~2.7m)と比較的長めです。アジングロッドは6~7フィートが一般的で、軽量かつ高感度なティップを備えています。
アクションの面では、エギングロッドはミディアムからファーストアクション、アジングロッドはファーストアクションが主流です。この違いは、それぞれの対象魚の特性に合わせた設計となっています。
また、エギングロッドは比較的強めのパワーを持ち、アジングロッドは繊細な作りとなっているため、使用できる仕掛けにも自ずと制限が出てきます。
エギングロッドでジグ単アジングは厳しい理由
エギングロッドでのジグ単アジングが難しい理由は、主にロッドの感度と対応ウェイトの違いにあります。エギングロッドは1g前後の軽量ジグヘッドを扱うには不向きで、「何をしているか分からない」状態になってしまいます。
エギングロッドのMLやMクラスで見ると、適合ルアーウェイトは5g以上が基本です。一方、アジング用のジグヘッドは1g前後が主流で、このギャップが大きな障壁となります。
バイトの感度面でも課題があり、エギングロッドではアジの繊細なバイトを感知しにくく、バイトをはじいてしまう可能性が高くなります。これは、ロッドのパワーが強すぎることが原因です。
また、ジグ単では細かいアクションを付ける必要がありますが、エギングロッドではその繊細な操作が難しく、アジを誘うためのナチュラルな動きを演出しづらいという問題もあります。
エギングロッドでジグ単を使用した場合、アタリを取りにくく、フッキングも難しいため、釣果に直接影響する可能性が高いのです。
フロートリグならエギングロッドで対応可能
フロートリグはエギングロッドとの相性が良く、実践的なアジングが可能です。フロートの重さは4.8~19g+ジグヘッド2g前後となり、トータルで7~20gほどのルアーウェイトとなります。
フロートリグには、フローティング、パラシュート、ダイブの3つのアクションがあります。フローティングは水面直下を攻める時に、パラシュートはゆっくりとした沈降時に、ダイブは深めのレンジを攻める時に効果的です。
フロートリグの操作方法は、リフト&フォールとシェイクが基本となります。エギングロッドの長さを活かして、遠投して広範囲を探ることができるのも大きな利点です。
アルカジックジャパンのシャローフリークシリーズなどは、エギングロッドとの相性が抜群です。フローティングタイプは根掛かりの心配も少なく、潮の流れも分かりやすいメリットがあります。
アジングロッドでは扱いきれない15~20gのヘビーなフロートリグでも、エギングロッドなら問題なく使用できます。むしろエギングロッドの方が適している場合もあります。
キャロライナリグもエギングロッドで使える
キャロライナリグはエギングロッドでも扱いやすい仕掛けの一つです。シンカーウェイトを調整することで、エギングロッドの性能を最大限に活かすことができます。
このリグの特徴は、中通しシンカーとバックスライドするMキャロの2種類から選べる点です。シンカーウェイトは5~15gが一般的で、エギングロッドの対応ウェイト範囲内に収まります。
キャロライナリグの基本的な使い方は、一定層を泳がせる釣り方と、底層付近をスローに誘う釣り方の2通りです。シャクリを2、3回行ってからフォールさせるのが基本的なアクションになります。
このリグはエギングのような操作感覚で扱えるため、エギングロッドユーザーにとって違和感なく使いこなすことができます。特にシャクリ+リトリーブの組み合わせは、エギング経験者なら自然と身についているはずです。
一定層を泳がせる場合は、リアクションバイトを狙うことができ、アップダウンの動きや不規則な動きを付けることで、アジの反応を誘うことができます。
メタルジグを使ったアジングテクニック
メタルジグを使用したアジングは、エギングロッドとの相性が良い釣り方の一つです。3~12gのジグを使用することで、エギングロッドの性能を活かした釣りが可能です。
メタルジグには、フラットタイプとスリムタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。また、サビキを付属させることで、さらにアピール力を高めることができます。
基本的な釣り方は、ただ巻き、リフト&フォール、ジャークの3種類です。水流によってアクションするため、基本的にはただ巻きでも十分な効果が得られます。
メタルジグのもう一つの利点は、アジング以外にもライトショアジギングなど、他の魚種も狙える点です。価格も600円前後と比較的安価で、1本持っておくと重宝します。
特徴的なのは、フリーフォールだけでヒットすることも珍しくないという点です。エギングロッドの長さを活かした遠投と、適度な重さによる操作性の良さが、この釣り方を可能にしています。
エギングロッドで扱えるジグヘッドの重さ
エギングロッドで扱えるジグヘッドの重さは、1.5~2g以上が目安となります。これより軽いジグヘッドでは、キャスト距離が出ず、ルアーのコントロールも難しくなります。
風の影響も受けやすく、1gのジグヘッドではほとんど「何をしているか分からない」状態になってしまいます。特に風が吹いている状況では、まともな釣りにならない可能性が高いです。
3gクラスのジグヘッドであれば、飛距離も出て操作感も普通に分かります。ただし、2gクラスになると操作感がやや曖昧になり、魚なのかボトムなのか判断がつきにくくなる傾向があります。
実際の釣りでは、様々なウェイトを試してみることで、使用しているエギングロッドに最適な重さを見つけることができます。ロッドの特性によって、扱いやすいウェイトは変わってきます。
遠投性能とアクションの両立を考えると、エギングロッドで扱えるジグヘッドの理想的な重さは、2~3g程度となるでしょう。

エギングロッドでアジングを楽しむためのポイント
- アジングに適したエギングロッドの選び方
- エギングロッドで使える仕掛けの種類
- アジングに適したラインとリーダーの選択
- エギングとアジングの釣り方の違い
- 季節によるアジとイカの活性の違い
- まとめ:エギングロッドでアジングを始める前に確認すべきポイント
アジングに適したエギングロッドの選び方
エギングロッドでアジングを楽しむ場合、8フィート台のロッドがバランスが良く使いやすいでしょう。遠投性能と操作性のバランスが取れているためです。
ロッドの硬さは、MLクラスからMクラスが扱いやすいでしょう。これらの硬さであれば、フロートリグやキャロライナリグを使用した際の操作性が良好です。
エギの適合サイズは2.5号から3.5号程度のものが使いやすく、春イカも秋イカも狙えるバランスの取れたロッドとなります。重すぎず軽すぎない、ちょうど良いパワー帯です。
ロッドの重さは軽いほど長時間の釣行で疲れにくくなります。価格と相談しながら、できるだけ軽量なモデルを選ぶと良いでしょう。
価格帯は1万円前後から購入可能で、各メーカーが競い合って開発しているため、エントリークラスでも十分な性能があります。
エギングロッドで使える仕掛けの種類
エギングロッドで使用できる仕掛けは、フロートリグ、キャロライナリグ、メタルジグが代表的です。これらは重さが5g以上あるため、エギングロッドでも扱いやすい特徴があります。
フロートリグは4.8~19gのフロートにジグヘッド2g前後を組み合わせて使用します。水面直下から中層まで幅広い釣りが可能です。
キャロライナリグは中通しシンカーとMキャロの2種類があり、5~15g程度のシンカーを使用します。一定層を攻めることができ、エギング感覚で操作できます。
メタルジグは3~12gの範囲で、サビキを付けることでさらにアピール力を高めることができます。ただ巻きでも効果的な釣りが可能です。
1gほどの軽いジグヘッドは、エギングロッドでは扱いが難しく、風の影響も受けやすいため避けた方が無難です。
アジングに適したラインとリーダーの選択
アジング用のラインは、PEラインが推奨されています。強度が高く、伸縮性が低いため、仕掛けの動きをダイレクトに伝えることができます。
PEラインの号数は0.6号から0.8号が適していますが、状況に応じて選択する必要があります。遠投重視の場合は、より細いラインを選ぶことも検討できます。
リーダーはフロロカーボン製がおすすめです。耐摩耗性が高く、透明度も良いため、魚に警戒されにくい特徴があります。太さは2.5号から4号が一般的です。
リーダーの長さは釣り場の状況に応じて調整が必要ですが、基本的には岩場や障害物の多い場所では太めのリーダーを使用します。
スイベルやスナップの選択も重要で、ラインやリーダーと適合するサイズを選ぶ必要があります。
エギングとアジングの釣り方の違い
エギングとアジングでは、基本的な釣り方が大きく異なります。エギングは主に底層を攻めるのに対し、アジングは表層から中層、底層まで様々な層を攻めます。
エギングはしゃくり動作が基本となりますが、アジングはリグによって異なるアクションを使い分けます。フロートリグではリフト&フォール、キャロライナリグでは一定層を泳がせるなど、状況に応じた使い分けが重要です。
アジは昼行性ですが、夜間の方が釣れやすい特徴があります。特に夏の夜釣りが最も数が釣れる時期となります。
エギングではPE0.8号のリールを2500~3000番台を使用しますが、アジングでは0.4号のPEを使用するなど、タックルにも違いがあります。
潮の流れを読むことは両者とも重要ですが、アジングでは回遊している棚を意識することが、釣果を大きく左右します。
季節によるアジとイカの活性の違い
アジが最も活性が高まるのは7、8、9月の夜釣りです。これは海水温がアジの適温である15℃から25℃の範囲に入るためです。
7、8月は産卵後の餌探し、9月は脂肪を蓄える時期となり、アジが活発に動き回ります。この時期は釣果も上がりやすい傾向にあります。
一方、エギングは春と秋が主なシーズンとなります。秋はアオリイカの孵化後のシーズンで、活発に捕食活動を行う時期です。春は産卵のために接岸する親イカを狙うことができます。
アジとイカでは活性が高まる時期が異なるため、エギングロッドでアジングを楽しむ場合は、それぞれの魚の習性を理解しておく必要があります。
エギングのオフシーズンにアジングを楽しむことで、1本のロッドを効率的に使うことができます。
まとめ:エギングロッドでアジングを始める前に確認すべきポイント

最後に記事のポイントをまとめます。
- エギングロッドはアジング用ジグ単には不向きで、1g前後の軽いジグヘッドは扱いづらい
- フロートリグやキャロライナリグなら、エギングロッドでも十分に対応可能
- 8フィート台のMLクラスからMクラスのロッドが扱いやすい
- エギの適合サイズ2.5~3.5号のロッドが汎用性が高い
- フロートリグは4.8~19g+ジグヘッド2g前後が基本的な重さ
- キャロライナリグは5~15g程度のシンカーを使用
- メタルジグは3~12gの範囲で使用可能
- PEラインは0.6~0.8号、リーダーは2.5~4号が適している
- アジは7~9月の夜釣りが最も活性が高い
- エギングとアジングでは釣り方や仕掛けが大きく異なる
- エギングロッドの長さを活かした遠投と、適度な重さの仕掛けを組み合わせることが重要
- オフシーズン対策としてエギングロッドでアジングを楽しむことが可能