常陸利根川でシーバスを狙う釣り人が増えています。従来はバスフィッシングのメッカとして知られていた霞ヶ浦水系ですが、近年はデイゲームでシーバスが狙えるスポットとして注目を集めています。

利根川水系と霞ヶ浦水系は常陸利根川河口堰によって区切られており、この水門の柔軟運用により、シーバスの遡上ルートが確立されてきました。潮の満ち引きに影響されない淡水域での釣りという特殊性を持ち、ボラやイナッコなどの豊富なベイトフィッシュを追って、シーバスが活発に捕食活動を行っています。
この記事のポイント!
- 常陸利根川の特徴的な地形とシーバスの生息環境について
- 効果的なルアー選択とカラーパターンの使い分け方
- シャロー域での攻略ポイントと注意点
- バスタックルでも対応可能な釣り方のコツ
常陸利根川でシーバスを狙うポイントと攻略法
- 意外と知られていない常陸利根川シーバスの特徴
- 常陸利根川水系で狙えるシーバスの魚影の濃さ
- 逆水門(常陸川水門)周辺の釣り方と注意点
- 潮の干満に頼らないシャロー攻略術
- ベイトフィッシュとの関係性
- シーズン別の釣果パターン
意外と知られていない常陸利根川シーバスの特徴
常陸利根川は、従来バスフィッシングのメジャーフィールドとして知られていた水域です。しかし、約14年前からの常陸利根川水門の柔軟運用により、シーバスの遡上が活発になりました。
この水域の特徴は、潮位変動がほとんどなく、流れもほぼない環境であることです。通常のシーバスフィッシングでは潮の満ち引きを重要視しますが、ここではその必要がありません。
シーバスは岸から10m~15mの比較的浅いエリアに集中して生息しています。この距離帯は水深1mから3m、そして5mへと変化するブレイクラインとなっています。
一般的な河川のシーバスフィッシングとは異なり、流れに頼らない独自の攻略法が必要になります。特に風による水面の変化が、シーバスの捕食スイッチを入れる重要な要素となっています。
日の出から日の入りまでの時間帯が有効で、特に冬場は気温・水温が上がってくる午後から夕まずめがチャンスタイムとなります。
常陸利根川水系で狙えるシーバスの魚影の濃さ
常陸利根川における魚影の濃さは、豊富なベイトフィッシュの存在に起因しています。特にボラやイナッコが主要なベイトとなっています。
ベイトフィッシュの存在は、シーバスの生息を確認する重要な指標となっています。ベイトの反応がない場所では、シーバスが付いている可能性は極めて低くなります。
河口堰の開閉により、徐々にシーバスの遡上数が増加し、新たな生態系が確立されてきました。当初はバス釣り中の外道として釣れる程度でしたが、現在は専門に狙う釣り人も増えています。
特筆すべきは、デイゲームでのルアーフィッシングが効果的である点です。シャローエリアで活発に捕食活動を行うシーバスを、積極的に探って釣ることができます。
河川中心部までは基本的にフラットな地形が続いているため、過度な遠投は不要です。効率的に探るなら、岸際から15m程度の範囲に集中するのが効果的です。
逆水門(常陸川水門)周辺の釣り方と注意点
逆水門(常陸川水門)周辺は特に注意が必要なエリアです。黄色いブイの内側(水門の上流、下流60メートル)は立ち入り禁止区域となっています。
根掛かりでのルアー回収であっても、立ち入り禁止区域への進入は認められていません。水門作業員から注意を受けるケースも報告されています。
水門付近は魚影が濃いポイントとして知られていますが、ルールを守った釣りが不可欠です。過去には釣り人のマナー違反により、アクセスが制限されるようになった釣り場も存在します。
エリアが広大なため、魚を絞り切るのが難しい特徴があります。そのため、一箇所で待つよりも、移動しながら探る方法が効果的です。
この水域では、ウォーキング&キャスティングの手法が有効です。1か所につき2~3回キャストし、数歩進んで次のポイントを攻めるという方法で探ります。
潮の干満に頼らないシャロー攻略術
潮の影響をほとんど受けない常陸利根川では、シャロー域での釣りが中心となります。岸から10~15mの範囲が主要なヒットゾーンです。
シャローには、護岸やその切れ目などの明確な障害物があり、そこにベイトを追い込んで捕食しようとするシーバスが存在します。水面と護岸という「壁」にベイトを追い詰めて捕食する習性を持っています。
キャストは20~30m程度で十分で、15~20m程巻いたら回収して再度キャストするというパターンを繰り返します。60mもの遠投や、45mもの巻き取りは必要ありません。
効率的な攻め方として、数歩進んでキャストを2~3回行い、また数歩進むという方法が推奨されています。これにより、広いエリアを効率よく探ることができます。
ルアーの引き抵抗が少ないものを選ぶことで、テンポよく攻められる利点があります。また、未知の場所での根掛かりのストレスも軽減できます。
ベイトフィッシュとの関係性
常陸利根川のメインベイトは、ボラとイナッコです。この水域には大量のベイトフィッシュが生息しており、シーバスの格好の餌場となっています。
流れのない水域であるため、ベイトフィッシュの存在しないエリアでシーバスを狙っても効果は期待できません。逆にベイトの反応がある場所では、高確率でシーバスが付いています。
ルアーカラーの選択では、ゴールド系が特に効果的です。淡水域では「ゴールド系が強い」という定説通りの結果が出ています。シルバー系も反応はありますが、ゴールド系への反応が圧倒的です。
シーバスはベイトを追って回遊するため、ベイトの動きを観察することが重要です。特に風により水面が波立ち始めると、シーバスの捕食スイッチが入りやすくなります。
ベイトフィッシュの動きと風の条件が揃った時が、最も釣果に期待できるタイミングとなっています。
シーズン別の釣果パターン
12月期の釣果データでは、50cm以上の良型から70cm以上のランカーサイズまで、様々なサイズのシーバスが確認されています。厳寒期でも釣果は途切れていません。
早朝や夕方以外にも、日中のデイゲームで安定した釣果が報告されています。これは一般的な河川のシーバスフィッシングとは異なる特徴です。
冬場は水温の上昇する午後から夕まずめにかけてがチャンスタイムとなります。バス釣りでよく言われる要素と共通しているようです。
興味深いことに、ナイトゲームでは反応が急激に減少する傾向にあります。日の出から日の入りまでの時間帯が最も効果的です。
現在の12月期でも活発な釣果が報告されていますが、シャローエリアにシーバスが留まる期間については不確実な要素があります。

常陸利根川シーバスで使うべき釣具とテクニック
- 初心者でも使いやすいおすすめルアー3選
- ウェイトとレンジ取りのコツ
- デイゲームで効果的なルアーカラー選び
- タックルセッティングの基本
- 地形に合わせた使い分け術
- バスタックルでも対応できるポイント
- まとめ:常陸利根川シーバス攻略の決め手
初心者でも使いやすいおすすめルアー3選
常陸利根川で効果を発揮しているのが、マッチボウ120Fです。この水域でシーバスの反応が非常に良く、弱々しい泳ぎと時に動いているのか分からないような「蠢き」アクションが効果的です。
ライコ132Fはデイゲームのシーバスフィッシングで強い味方となります。大音量のラトルサウンドと、速いリトリーブによって動くファットボディの水押し、そしてベイトに当たった瞬間のフラッとふらつくイレギュラーアクションが特徴的です。
ジナリ65は、アウトメタルシステムによる驚異的な根掛かり回避能力を持っています。カキ瀬やゴロタなどの障害物の多い場所でも安心して使用できます。
浅い水深でありながら様々なものが沈んでいる水域特性を考慮すると、根掛かりしにくいルアーの選択が重要です。これらのルアーは、その条件を満たす優れた選択肢となっています。
レンジ取りの調整が必要な場合は、バイブレーションタイプのルアーも有効です。特にジナリ65は任意のレンジを探ることができる利点があります。
ウェイトとレンジ取りのコツ
常陸利根川の水深は、岸から10mで約3m、15mで約5mという緩やかな傾斜となっています。この地形を意識したウェイト選択が重要です。
ジグヘッドを使用する場合は、3.5g~7gの範囲で根掛かりしにくいウエイトを選択します。強いフックを持つものが推奨されています。
シャローランナーだけでなく、時にはシンキングタイプのルアーも効果を発揮します。特にボトム付近でしか反応がない場合は、シンキングタイプのルアーが有効です。
河川中心部のブレイクまではショアからは届かない距離にあるため、無理な重量増加は不要です。効率的な探り方を優先した重さ設定が望ましいでしょう。
全体的に浅い水深であることを考慮し、軽めのウエイト設定から始めることをお勧めします。
デイゲームで効果的なルアーカラー選び
常陸利根川の独特な濁り水に対応するため、ルアーカラーの選択は重要です。特に「グローチャートパール」カラーへの反応が突出しています。
次いで効果的なのが「ゴールド」の入ったカラーです。濁りの中でもボワッとシルエットが出て、チャートカラーが明滅するグローパールチャートや、フラッシング効果の高いゴールドベースのカラーが好反応を示しています。
「S・G・R」や「ゴージャス90」といった特定カラーの効果も確認されています。特に「ゴージャス90」は、ピンクヘッドとピンクベリーのアピール力で、朝まずめや夕まずめ、強い濁りの入った状況下でも効果を発揮します。
ベイトライクなリアル系カラーよりも、シーバスに強烈にアピールするカラーが効果的です。これは霞ヶ浦水系の特殊な環境に適応した結果と言えます。
カラー選択の基本は「ゴージャス90」「S・G・R」の2色を押さえておくことから始めると良いでしょう。
タックルセッティングの基本
常陸利根川のシーバスは海で釣るシーバスより引きが強いという特徴があります。ベイトタックルを使用する場合は、フロロカーボンライン16LBで対応可能です。
リーダーは40LBの太さを入れることで、大型のシーバスにも対応できます。ルアーの動きは若干悪くなりますが、掛けた魚を確実に取り込むために必要な措置となります。
ロッドは、デイゲームでシーバスを狙うことを考慮し、操作性の良いものを選択します。岸からのアプローチでは、軽めのタックルでも十分に対応できます。
リールのギア比は、ローギア、ハイギアどちらでも対応可能です。ストレスの少ない巻き取り速度で探ることができます。
岸からの釣りでは、20~30mのキャストで十分なため、極端な飛距離を追求する必要はありません。
地形に合わせた使い分け術
常陸利根川の特徴的な地形は、岸から緩やかに深くなっていく構造です。岸から10mで水深3m、15mで水深5mという緩やかなスロープ状になっています。
シャローエリアでは、水面と護岸という「壁」を利用してベイトを追い込むシーバスの習性があります。この特性を活かし、シャローランナータイプのルアーが効果的です。
河川中心部はフラットな地形が続きますが、ショアからは届かない距離にあります。そのため、無理な遠投は避け、効率的な探り方を心がけます。
水深の変化に応じて、フローティングルアーからシンキングルアーまで、状況に応じた使い分けが可能です。特にシャロー域では、フローティングタイプが有効です。
地形変化の少ない場所では、バイブレーションやジグヘッドといったアクション重視のルアーも効果を発揮します。
バスタックルでも対応できるポイント
常陸利根川では、バスタックルを流用したシーバスフィッシングも可能です。特にフローティングミノーは、シャロー攻略に効果的です。
バスロッドは、シーバスとの対応において十分な性能を発揮します。ただし、シーバス専用タックルと比べると、フックの掛かりやすさや魚とのやり取りに若干の違いがあります。
ルアーの選択においては、バス用のフローティングタイプが使いやすいポイントです。シンキングが多いソルト用ルアーと比べ、シャローでの使用に適しています。
リトリーブスピードは、ストレスのかからない範囲で設定可能です。食わせのスピードは、何匹かヒットを重ねることで自然と掴めてきます。
バスタックル使用時は、リーダーの強度に特に注意を払う必要があります。

まとめ:常陸利根川シーバス攻略の決め手
最後に記事のポイントをまとめます。
- 常陸利根川は潮の満ち引きに影響されない特殊な環境である
- 岸から10~15mの範囲がメインのヒットゾーンとなる
- ベイトフィッシュの存在が釣果を左右する重要な要素である
- 日の出から日の入りまでがタイムレンジとして有効
- グローチャートパールとゴールド系カラーが特に効果的
- 16LBのフロロカーボンラインと40LBリーダーが基本セッティング
- ウォーキング&キャスティングによる探り釣りが効率的
- バスタックルでも十分な対応が可能
- 水門周辺の立ち入り禁止区域には絶対に入らない
- マッチボウ120F、ライコ132F、ジナリ65が特に効果的なルアー
- 風による水面の変化がシーバスの捕食スイッチとなる
- 根掛かりを考慮したルアー選択が重要