釣り人なら誰もが欲しいと思うロッドホルダー。でも市販品は高額なものが多く、純正品なら5万円以上、一般的な製品でも2万円程度するものがほとんどです。そんな中で注目を集めているのが、イレクターパイプや塩ビパイプを使った自作ロッドホルダーです。

車内での釣り竿の収納に悩む方も多いと思います。この記事では4000円程度で作れる自作ロッドホルダーの作り方から、アシストグリップの取り外し方、クッション材の選び方まで詳しく解説していきます。市販品と同等以上の使い勝手を実現しながら、コストを抑える方法をご紹介します。
この記事のポイント!
- イレクターパイプと塩ビパイプそれぞれの特徴と選び方
- 車種別の取り付け方法と必要な工具・材料
- 市販品との価格差と品質の比較
- 失敗しない自作のポイントとコツ
ロッドホルダー自作の基本知識と必要な材料
- 市販品と自作の費用対効果を比較
- イレクターパイプと塩ビパイプの特徴と選び方
- 必要な工具と材料の詳細リスト
- 100均で揃えられる便利なアイテム
- 材料別の概算費用の目安
- 自作時の重要なポイントと注意点
市販品と自作の費用対効果を比較
市販のロッドホルダーは、純正品で約5万円、一般的な製品で2万円程度する高額な商品です。一方、自作の場合は4000円程度で作ることができます。
市販品の利点は、確実な品質と取り付けの安全性です。特に純正品は8本まで収納できる大容量で、山道のカーブでも安定した性能を発揮します。
しかし自作であっても、適切な材料選びと丁寧な作業で十分な強度と使い勝手を実現できます。車中泊にも対応し、頭上のスペースも確保できる設計が可能です。
材料費の内訳を見ると、イレクターパイプを使用する場合は若干高くなりますが、塩ビパイプを選択することでさらにコストを抑えることができます。
費用対効果を考えると、自作は非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。
イレクターパイプと塩ビパイプの特徴と選び方
イレクターパイプは矢崎化工の製品で、高い強度と豊富な接続パーツが特徴です。直径28mmのパイプを使用するのが一般的です。
塩ビパイプは、イレクターパイプと比べて安価で入手しやすい利点があります。ホームセンターで簡単に購入でき、加工も容易です。
イレクターパイプは組み立てが簡単で、専用のジョイントパーツが豊富にあります。一方、塩ビパイプは鉄ヤスリなどで長さ調整が簡単にできます。
色の選択肢では、イレクターパイプは標準で黒色が選べます。塩ビパイプは通常灰色ですが、黒色のものも入手可能です。
それぞれの特性を理解し、予算と目的に応じて選択することが重要です。
必要な工具と材料の詳細リスト
基本的な材料リストは以下の通りです:
- パイプ(2m)2本
- 継手チーズ 4個
- 45度エルボー 4個
- くねくねクッションワイヤー 8本
- 衣類用ゴム 2m
- 滑り止めシート
工具類は以下が必要になります:
- 糸鋸(100円~500円)
- プラスドライバー
- マイナスドライバー2本
- プラハンマー
- カッターナイフ
選択したパイプの種類によって必要なジョイントパーツは変わってきます。まとめて購入することで送料を節約できます。
100均で揃えられる便利なアイテム
100均のアイテムでも十分な品質のものがあります:
- くねくねクッションワイヤー
- 衣類用ゴム
- 滑り止めシート
- 竿立てラック
これらのアイテムは品質も十分で、コスト削減に大きく貢献します。設置後の使用感も良好です。
ダイソーやセリアには釣具関連の商品も多く、補助的なパーツとして活用できます。
予算を抑えながら機能的なロッドホルダーを作るために、100均アイテムの活用は非常に有効な選択肢です。
材料別の概算費用の目安
イレクターパイプを使用する場合の費用:
- パイプ:約1000円
- ジョイント類:約2000円
- その他部品:約1000円
合計:約4000円
塩ビパイプを使用する場合の費用:
- パイプ:約800円
- 継手類:約1400円
- その他部品:約1000円
合計:約3200円
100均アイテムを活用することで、さらに費用を抑えることができます。品質と価格のバランスを考慮しながら、材料を選択することが重要です。
自作時の重要なポイントと注意点
取り付け位置の選定が重要です。頭上のスペースを確保しつつ、ロッドの出し入れがしやすい位置を考えましょう。
アシストグリップの取り外しは慎重に行う必要があります。無理な力をかけると破損の原因となります。
ロッドの保護には、クッション材の選択と取り付け方が重要です。衝撃や振動から大切なロッドを守るための工夫が必要です。
車種によって取り付け方法や必要な部品が異なる場合があります。事前に十分な確認と計画が必要です。
走行時の安全性を確保するため、しっかりとした固定が必須です。

車種別ロッドホルダー自作の実践ガイド
- アシストグリップ取り外しの手順と注意点
- イレクターパイプでの基本的な組み立て方
- 塩ビパイプを使用した低コストな製作方法
- ロッドの固定方法とクッション材の選び方
- 取り付け位置による利点と欠点
- 車種別の取り付けの違いと対応策
- まとめ:ロッドホルダー自作で失敗しない3つのポイント
アシストグリップ取り外しの手順と注意点
アシストグリップの取り外しは、作業の中で最も苦労する工程の一つです。まずマイナスドライバーを隙間に差し込んで外します。
プラハンマーでドライバーを叩き込むくらいの力が必要になることもあります。ただし、必要以上の力をかけると破損の原因となるため注意が必要です。
アシストグリップを外す際は、下部の引っ掛かり部分を押し込むことで外れやすくなります。この作業は慎重に行う必要があります。
外したアシストグリップの取り付け穴に、ターンナットを設置します。サイズはM6が適合します。
取り外し後の天井の穴は、後々の取り外しも考慮して慎重に作業を進めましょう。
イレクターパイプでの基本的な組み立て方
イレクターパイプでの組み立ては、Φ28mmのパイプを使用します。必要な部品は、パイプ本体とJ-59C、J-129などのジョイントパーツです。
組み立ての基本は、まずアシストグリップを外した箇所にJ-117Lを取り付けることから始まります。このジョイントはあらかじめ穴を開けておく必要があります。
ジョイント同士の間隔は、実測で決めていきます。ジョイントとジョイントの間が815mm、ジョイントにパイプが入る寸法が30mmという具合です。
組み立て時は仮固定してから本締めする方法がおすすめです。位置調整が必要な場合に対応しやすくなります。
完成後の強度を確保するため、各接合部はしっかりと固定することが重要です。
塩ビパイプを使用した低コストな製作方法
塩ビパイプを使用する場合は、2mのパイプ2本と、継手チーズ4個、45度エルボー4個が基本的な材料となります。
塩ビパイプの加工は、糸鋸での切断と鉄ヤスリでの調整で簡単に行えます。切れ味の良い糸鋸を使用することで、正確な加工が可能です。
塩ビパイプは通常灰色ですが、必要に応じて着色することも可能です。ただし、塗装する場合は下地処理が重要です。
取り付け部分は、T字型の継手チーズを加工して作ります。この部分は強度に関わるため、しっかりと固定する必要があります。
長さの微調整が必要な場合は、鉄ヤスリで簡単に調整できます。
ロッドの固定方法とクッション材の選び方
ロッドの固定には、100均で購入できるくねくねクッションワイヤーが効果的です。このワイヤーはロッドの太さに合わせて調整が可能です。
クッションワイヤー自体が動くことを防ぐため、パイプに滑り止めシートを貼ることをおすすめします。
急カーブや段差での揺れ対策として、衣類用のゴムで補助的な固定を行います。ゴムは輪にして使用します。
運転席側のロッドは、車が跳ねた時に落下しないよう、特に念入りに固定する必要があります。
クッション材の選択は、ロッドを傷つけない柔らかさと、適度な固定力のバランスが重要です。
取り付け位置による利点と欠点
取り付け位置は、頭上のスペースを考慮しつつ決定します。特にチャイルドシートの使用を考えている場合は注意が必要です。
天井の中央部に取り付ける場合は、前後のアシストグリップの位置を利用することで、バランスの良い設置が可能です。
サイドに取り付ける場合は、車内空間を圧迫する可能性があるため、車種に応じた検討が必要です。
ロッドの出し入れのしやすさと、収納時の安定性のバランスを考慮して位置を決めましょう。
トノカバーの位置なども考慮に入れて、最適な取り付け位置を決定します。
車種別の取り付けの違いと対応策
車種によってアシストグリップの形状や取り付け方法が異なります。特にワンボックスカーと乗用車では大きく異なることがあります。
NOAHやVOXYなどのミニバンは、天井高が高いため比較的設置が容易です。ただし、サンルーフがある場合は注意が必要です。
軽自動車の場合は、限られたスペースでの設置となるため、コンパクトな設計が求められます。
エブリイワゴンなどの軽バンは、荷室のスペースを活かした設置が可能です。
各車種の特性に合わせて、パーツの選択や取り付け方法を検討する必要があります。

まとめ:ロッドホルダー自作で失敗しない3つのポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- 市販品と同等の品質を4000円程度で実現可能
- イレクターパイプと塩ビパイプは用途に応じて選択
- アシストグリップの取り外しは慎重に実施
- 材料は主にホームセンターと100均で調達可能
- クッション材の選択が使い心地を大きく左右
- 車種に応じた取り付け位置の検討が重要
- 走行時の安全性を考慮した固定方法の採用
- 取り付け前の寸法確認と仮組みが成功の鍵
- 道具は最小限で十分だが品質は重視
- 子育て世代でも使いやすい設計が可能
- 車中泊との併用を考慮した設置位置の選定
- 将来の取り外しを考慮した施工方法の採用