タコ釣りは年間を通して楽しめる釣りですが、特に水温が上がる5月から9月頃が釣果を期待できるシーズンです。中でも6月から8月は新子タコが多く出現し、初心者でも手軽に釣りを楽しめる絶好の時期となります。

タコ釣りには主にタコエギ、タコジグ、タコテンヤといった仕掛けを使用します。漁港や堤防、防波堤などで気軽に始められ、基本的な道具さえ揃えれば誰でも楽しめる釣りです。この記事では、タコ釣りの基本的な知識から実践的なテクニック、注意点まで詳しく解説していきます。
この記事のポイント!
- タコ釣りに最適な時期と時間帯について
- 初心者でも扱いやすい仕掛けの選び方と使用方法
- タコの習性と効果的な釣り場所の見つけ方
- タコ釣りで守るべき漁業権とルールについて
タコ釣りの基本知識と必要な道具を徹底解説
- 気軽に始められるタコ釣りの特徴
- タコ釣りの最適な時期と時間帯
- タコ釣りに必要な基本的な道具
- タコエギの選び方とおすすめ商品
- ラインとリーダーの選び方と結び方
- タコ釣り初心者向けタックルセット
気軽に始められるタコ釣りの特徴
タコ釣りは漁港や堤防、防波堤などで楽しむことができる身近な釣りです。岸壁の隙間や海底の起伏、貝が密集している場所など、タコの隠れ家となる場所を狙って釣ります。
特に漁港は漁師さんが出荷できない小魚などを海に戻すため、タコの餌場となっていることが多く、タコが集まりやすい場所です。
タコは水温が上がる5月から9月頃に活性が高くなり、特に6月から8月は子タコが多く釣れるシーズンとなります。この時期は初心者でも比較的簡単にタコを釣ることができます。
底まで沈めた仕掛けを小刻みに動かしたり、止めたりしながら誘います。タコが仕掛けに興味を示すと、重たい感触や引っかかったような感じが伝わってきます。
タコは賢い生き物で、1度仕掛けから逃げると二度と寄ってこないこともあるため、アタリがあった時の対応が重要になってきます。
タコ釣りの最適な時期と時間帯
タコ釣りは年間を通して楽しめますが、水温が上がる5月から9月頃が最も活性が高くなるシーズンです。特に6月から8月にかけては子タコが多く、もっとも釣れやすい時期となります。
タコは夜行性が強く、日中は岩の隙間などに隠れて生活しています。そのため、朝夕の薄暗い時間帯が最も活発に活動し、釣果も期待できます。
具体的な時間帯としては、夜明け前から少し明るくなる4時から7時頃(6月末頃)と、夕方から日が沈み薄暗くなる6時から8時頃が狙い目です。
雨の日はタコが真水を嫌う性質があるため、活性が下がったり深場に移動したりする傾向があります。特に河口付近や浅い場所は雨水の影響を強く受けるので、釣行を控えめにした方が良いでしょう。
タコは日中でも釣ることは可能ですが、朝夕の時間帯に比べると活性が低くなります。日中に釣る場合は、岩陰や障害物周りなど、タコが隠れそうな場所を重点的に攻めると良いでしょう。
タコ釣りに必要な基本的な道具
タコ釣りに必要な基本的な道具は、タコ専用の竿、リール、ライン、仕掛けです。竿は7フィート程度の専用ロッドがおすすめで、タコの吸盤で張り付く力に対応できるバットパワーが必要です。
リールは3000から4000番クラスのスピニングリールが扱いやすく、PEラインは1から2号程度を100mほど巻けば十分です。初心者の方はスピニングリールから始めることをおすすめします。
仕掛けはタコエギ、タコジグ、タコテンヤなどがあり、初心者の方は扱いやすいタコエギから始めるのが良いでしょう。タコエギは3.5号から4号、オモリは5号から10号程度を使用します。
タコを入れるスカリも必要で、タコは賢い生き物なので小さな穴からでも逃げ出してしまいます。洗濯ネットを併用するなど、逃げ防止の対策も重要です。
基本的な道具が揃えば、あとは仕掛けのロスも考えて予備を用意しておくと安心です。タコ釣りは仕掛けのロスが多い釣りなので、5〜6個は持っておくことをおすすめします。
タコエギの選び方とおすすめ商品
タコエギは値段も200円から1500円とさまざまですが、高価なものが必ずしも良く釣れるわけではありません。初心者の方には手頃な価格のタコエギから始めることをおすすめします。
おすすめはマルシンのオクトパスタップです。色はオレンジ色や赤色が効果的で、比較的手頃な価格で購入できます。ただし、エギの針(黒い部分)と本体(白い部分)の繋ぎ目が剥がれやすいので、瞬間接着剤で補強しておくと良いでしょう。
タコエギには必ずダウンシンカーを付けて使用します。タコは海底にいるため、しっかりと底を取って誘う必要があります。オモリを2個付けることで、より効果的に海底の振動や音を伝えることができます。
タコエギの背中に鳥皮や豚背油を巻き付けたり、銀紙を細く切って装飾すると、より効果的なアピール力が得られます。タコの反応が渋い時でもヒットに繋がりやすくなります。
最近では匂いで誘き寄せるタコライダーというスプレーも販売されていますが、基本的なタコエギの使い方をマスターしてから試してみることをおすすめします。
ラインとリーダーの選び方と結び方
タコ釣りで使用するラインは、PEラインの3〜5号がおすすめです。5号を使用することで仕掛けのロスを少しでも減らすことができます。リーダーについては、実際には必要ない場合も多いです。
PEラインとタコエギを直結する場合の結び方は、簡単で信頼性の高い結び方を選びましょう。仕掛けの脱着が簡単で、直結でも十分な強度が得られます。
ラインを結ぶ際は、タコエギのスナップに直接結ぶのではなく、付属のリングやサルカンを使用すると、仕掛けの取り替えがスムーズになります。
テンションをかけながらしっかりと締め込むことで、結び目の強度が増します。結び目が緩むと、大きなタコが掛かった際にバラす原因となってしまいます。
ラインの状態は定期的にチェックし、傷んでいる部分は新しく結び直すことをおすすめします。特に、障害物の多い場所での釣りでは、ラインの損傷が起こりやすいので注意が必要です。
タコ釣り初心者向けタックルセット
初心者向けのタックルセットとしては、クレイジータコやソルパラクラスの竿(7,000〜9,000円程度)がおすすめです。より本格的な釣りを目指す場合は、アブガルシアのタコスフィールドも選択肢の一つとなります。
リールは4000番クラスのスピニングリールから始めると良いでしょう。遠投性能があり、ライントラブルも少ないため扱いやすいです。すでにバス釣りなどで使用しているベイトリールがある場合は、それを流用することも可能です。
タモ網は必須アイテムで、タコを確実に取り込むために重要です。また、釣れたタコを入れるクーラーボックスも必要です。氷を入れる際は、タコが直接氷に触れないようにビニール袋などで保護することがポイントです。
初心者の方は、まずは基本的なタックルセットで技術を磨いていくことをおすすめします。慣れてきたら、自分の釣りスタイルに合わせて徐々にグレードアップしていけば良いでしょう。

タコ釣りの実践テクニックと注意点
- タコが集まる場所の特徴と見つけ方
- 堤防でのタコ釣り攻略法
- タコエギの使い方と誘い方のコツ
- アタリの取り方と合わせのタイミング
- タコの取り込み方と締め方のポイント
- 漁業権と禁止エリアの確認方法
- まとめ:タコ釣りを楽しむために押さえておくべきポイント
タコが集まる場所の特徴と見つけ方
タコは岩や貝が密集している場所、海底の海草周りや捨て石周りなどに潜んでいることが多いです。特に漁港では、荷揚げ場前、桟橋や浮き生簀、排水口周り、壁際や繋ぎ目などが有力なポイントとなります。
船溜まりや桟橋、浮き生簀周りでは、海底を見て蛸壺やタイヤ、障害物周り、敷石やゴロタ場などタコの隠れ所を探します。タコは意外と足元に大物が隠れていることもあります。
漁港のコーナーやスリットの壁は、タコが沖から港内に入ってくる際の通り道となっています。スリットにはカニを狙うタコが潜んでいることも多いです。
漁港のミオ筋は潮通しが良く、第二、第三のミオ筋がある漁港では大物が期待できます。船が出入りするために人工的に掘られた深い溝周辺も良いポイントです。
イガイやカキが多く付く岸壁の下や、波止の基礎部分、敷石やゴロタ石場なども、カニやエビを狙うタコがいるポイントとなっています。
堤防でのタコ釣り攻略法
堤防でタコ釣りを始める前に、まずは波止際に立って海を観察することが重要です。ロープやブイなどの障害物の位置を確認し、エギのロスを減らすことができます。
岸壁での釣り方は、エギを垂直に落として底を取り、小刻みに動かしながら誘います。壁際から2〜3m前後の底付近も狙い目となります。
エギで波止壁際の敷石をテクトロしながら、5m先にエギを投げて波止と平行にズル引きする方法も効果的です。10m先の駆け上がりも探ってみましょう。
仕掛けを引いてきて引っ掛かりを感じる場所は、障害物があり、タコの住処となっている可能性が高いです。目立ちにくい海中の障害物は、自分だけのポイントになることもあります。
石畳は隙間だらけでエサも多い超一級ポイントですが、根掛かりが多いため、やや上級者向けのポイントとなっています。
タコエギの使い方と誘い方のコツ
タコエギを使う際は、底をしっかりと取ることが重要です。エギを底まで沈めて着底したら、竿先をチョンチョンと動かしてタコを誘います。
エギが砂煙を上げたり、動きが重たくなったりしたら、タコが乗った合図です。この時、慌てて巻き上げず、さらに誘いを入れてしっかりと掛けることが大切です。
エギの誘い方は、最近では大きく誘わず、エギに付いているラトルの音だけを響かせるような優しい誘いが効果的とされています。また、ブレードをチラチラと動かす程度の誘いも有効です。
タコエギの背中に鳥皮や豚背油を巻き付けたり、銀紙を細く切って装飾すると、よりアピール力を高めることができます。タコの反応が渋い時でも効果を発揮します。
止めの誘いも重要で、エギを一定時間静止させることで、タコが警戒せずに近づいてくる可能性が高まります。
アタリの取り方と合わせのタイミング
タコのアタリは、根掛かりしたような重みとして伝わってきます。このとき、ラインに指を掛けてテクトロし、タコの当たりを確実に取ることが大切です。
アタリを感じたら、慌てずにシェイクを入れて、エギをしっかりと追い抱きさせます。その後、ラインのたるみを取り、竿先を海面まで下げて、しっかりと合わせを入れます。
合わせる時は、竿先の位置を8時の位置から11時の位置まで一気に上げることで、確実に掛けることができます。波止際真下でヒットした場合は、進行方向か逆方向に3〜5mほど移動して斜めに合わせを入れると効果的です。
リールを巻く際は、一定の速度で巻き上げることが重要です。ポンピングをしたり、ラインを緩めたりするとバレやすくなってしまいます。
船が波で上下に揺れている場合は、船が最も沈み込んだ状態でこの動作を行うようにタイミングを計ると良いでしょう。
タコの取り込み方と締め方のポイント
タコが針掛かりしたら、リールを一定の速度で巻き上げ、竿先を海面に近づけて一気に抜き上げます。この時、波止などにタコが張り付かないよう注意が必要です。
釣れたタコは直ぐに締めるか、生かしたまま持ち帰る場合は、洗濯ネットに入れてからスカリに入れましょう。スカリには小さな穴も無いか確認が必要です。
タコの締め方は、目と目の間をナイフで刺すのが一般的です。白くなって抵抗しなくなれば締めが完了です。締めた後は、氷に直接触れないようにビニール袋に入れてクーラーボックスで保管します。
茹でる前に一度冷凍すると、滑りが簡単に取れて細胞が崩れ、旨みと甘みが出て美味しい茹蛸ができます。夏場は特に鮮度管理が重要なので、エアーと凍らせたペットボトルを入れて持ち帰ることをお勧めします。
持ち帰ったタコは、塩もみをしてから洗濯機で洗うことで、簡単にヌメリを取ることができます。
漁業権と禁止エリアの確認方法
タコ釣りは第一種共同漁業権の対象となっており、漁業権が設定されている地域では密漁となる可能性があります。必ず各地域の漁業権を確認してから釣行するようにしましょう。
令和2年12月の改正漁業法の施行に伴い、密漁に対する罰則が強化されました。潜水による採捕だけでなく、タコ釣りや磯採集も処罰の対象となる可能性があります。
自分の地域がタコ釣りを行って良い場所かどうかは、各都道府県の漁業権情報で確認することができます。不明な場合は、地域の漁協に確認することをお勧めします。
漁業権が設定されている地域内でも、キャッチアンドリリースであれば楽しむことができる場合もあります。ただし、必ず事前に確認を取ってから行うようにしましょう。
漁師さんの操業の妨げにならないよう、漁港での釣りは特に注意が必要です。漁業活動を優先し、邪魔にならないように気を配ることが大切です。

まとめ:タコ釣りを楽しむために押さえておくべきポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- タコ釣りのベストシーズンは5月〜9月で、特に6月〜8月が最適である
- 朝夕の薄暗い時間帯が最も釣果が期待できる
- タコエギは3.5〜4号、オモリは5〜10号が基本サイズである
- 仕掛けのロスが多いため、5〜6個の予備は必須である
- 漁港の荷揚げ場前、桟橋周り、排水口付近が有力ポイントとなる
- エギは底をしっかり取り、優しく誘うことが重要である
- アタリは根掛かり感として伝わり、慌てず確実に合わせを入れる
- リールは一定速度で巻き上げ、ポンピングは厳禁である
- スカリには必ず洗濯ネットを使用し、タコの逃走を防ぐ
- 漁業権の確認は必須で、地域によって規制が異なる
- 締めは目と目の間を刺し、確実に白変するまで行う
- 鮮度管理には氷を使用し、直接接触は避ける