タコ釣りの置き竿は、手軽に始められる釣り方として人気があります。置き竿は、竿を固定して待つスタイルで、タコが仕掛けを抱いた時にドラッグから糸が出ていく感触で判断できます。基本的な仕掛けさえ整えば、他の釣りをしながらでも楽しむことができる効率的な釣り方です。

タコの活性が高い夏場から秋にかけては、特に置き竿での釣果が期待できます。船上では3本程度の竿を出して釣ることができ、根掛かりの少ないポイントであれば効率的に釣果を上げることができます。また、潮の流れが早い場合でもテンヤを使用することで対応が可能です。
この記事のポイント!
- 置き竿で使用する基本的な仕掛けと道具の選び方
- ドラッグ調整の方法とアタリの取り方
- 根掛かりを防ぐためのテクニックと注意点
- 季節や潮の状況に応じた効果的な釣り方
タコ釣りで置き竿を使う基本テクニック
- 置き竿釣法の特徴と効果的な使い方
- 初心者でも簡単に始められる置き竿の仕掛け
- タコ釣りに最適なロッドとリールの選び方
- オモリの重さと水深による調整方法
- ドラッグ調整のコツと糸ふけの重要性
- タコの活性に合わせた餌の選択
置き竿釣法の特徴と効果的な使い方
置き竿による釣り方は、ドラッグを緩めに設定して竿を固定し、タコが仕掛けを抱いた時の感触を待ちます。基本的な置き竿では、ドラッグをやや緩めに設定し、タコが仕掛けを抱いた時に根掛かりのような感じで糸が少しずつ出ていく様子を確認します。
タコが仕掛けを抱いた後は、グイッと合わせることで掛けることができます。掛かった後は、ドラッグを締めながら巻き上げていきます。この方法は特に潮の流れが早い時などに効果的です。
船釣りの場合、3本程度の竿を出して置き竿をすることで効率的に釣果を上げることができます。また、根掛かりが少ないポイントであれば、置き竿は特に効果的な釣り方となります。
アタリの判断は、タコが仕掛けを抱いた時にドラッグから糸が出ていく感触で行います。この感触を掴むことができれば、確実にタコを掛けることができます。
タコの活性が高い夏場から秋にかけては、置き竿での釣果が特に期待できます。この時期は新子タコが多く、活性も高いため、置き竿での釣果が上がりやすい傾向にあります。
初心者でも簡単に始められる置き竿の仕掛け
タコ釣りの置き竿では、タコテンヤを使用する方法が一般的です。テンヤは木やプラスチックの板にハリとオモリが取り付けられた仕掛けで、エサを巻き付けて使用します。
船釣りでは50号程度の重いテンヤを使用することが多いですが、堤防からの釣りでは15号程度の軽めのテンヤを選びます。テンヤには生餌を付けることができ、アピール力を高めることができます。
エサの選択も重要で、アジやカニ、豚の脂身などが効果的です。特に豚の脂身は白色が目立ってアピール力が高く、タコの反応が良いとされています。エサはタコ糸やワイヤーでしっかりと固定することが大切です。
初心者の方は、まずはカニワームが付いた既製品のタコテンヤから始めるのがおすすめです。エサの準備が不要で、すぐに釣りを始めることができます。
また、タコテンヤの上に集寄と呼ばれる装飾を付けることで、さらにアピール力を高めることができます。ただし、大きすぎる集寄は水の抵抗が強くなり、アタリが分かりにくくなる可能性があります。
タコ釣りに最適なロッドとリールの選び方
タコ釣り用のロッドは、硬めの竿を選ぶことが重要です。船釣りの場合は1.6〜1.8m程度の長さで、50号前後のオモリに対応できる硬さが必要です。
リールは巻き上げ力の強いベイトタイプのジギングリールや両軸リールが適しています。PEラインは2〜3号を150m以上巻き、8号程度のリーダーを1mほど結束します。
堤防釣りの場合は、2m以上の長めのロッドを選び、3000番〜4000番程度のスピニングリールを使用します。遠投や取り回しのしやすさを考慮して選びましょう。
専用ロッドがない場合は、50号以上の重さに対応できる硬めの船竿や、7:3調子や8:2調子の先調子の竿で代用することができます。
ベイトタックルを使用する場合は、遠投性能の良いリールを選び、PEラインの3号前後を100mほど巻くことをお勧めします。
オモリの重さと水深による調整方法
タコテンヤの重さは、釣り場の状況によって適切に選択する必要があります。堤防からの釣りでは10〜15号程度が基本となりますが、潮の流れが速い場合はさらに重いものを選びます。
船釣りの場合は、遊漁船が指定する号数に従うことが重要です。多くの船では、おまつり(絡み)を防ぐために乗船者の使用するテンヤの重さを揃えています。
水深が深い場所や潮の流れが速い場所では、テンヤが底に届いているかどうかの確認が重要です。底に届いていない場合は、さらに重いテンヤに交換する必要があります。
オモリの重さは、タコの活性にも影響を与えます。活性が低い時期は、より軽いテンヤを使用することで、タコが警戒せずに仕掛けに近づきやすくなります。
また、水深によってはテンヤを海底から少し浮かせて釣ることも効果的です。底から20cm程度浮かせることで、根掛かりを防ぎながらタコを誘うことができます。
ドラッグ調整のコツと糸ふけの重要性
置き竿でのタコ釣りでは、ドラッグの調整が非常に重要です。基本的には緩めの設定にして、タコが仕掛けを抱いた時に糸が出ていくようにします。
ドラッグを緩めすぎると、タコのアタリを見逃す可能性があります。逆に締めすぎると、タコが警戒して逃げてしまう可能性があるため、適度な調整が必要です。
仕掛けを投入後は、タコが抱いた時にスムーズに糸が出ていくように、適度な糸ふけを作ることが大切です。糸ふけがないと、タコが警戒して逃げてしまう可能性があります。
アタリがあった場合は、一度糸ふけを取ってから大きくアワセます。掛かったら、徐々にドラッグを締めながら巻き上げていきます。
潮の流れが変わった際は、その都度ドラッグの再調整を行うことで、より確実にアタリを取ることができます。
タコの活性に合わせた餌の選択
タコテンヤに使用するエサは、アジやカニ、豚の脂身など様々なものが効果的です。特に白色のエサは視認性が高く、タコの興味を引きやすい特徴があります。
カニはタコの天然の餌であり、特に高い効果を発揮します。カニは腹側を上にして付けることで、白い部分が目立ちアピール力が高まります。
アジなどの魚を使用する場合は、テンヤからはみ出しすぎない大きさに調整することが重要です。大きすぎるとノリが悪くなる可能性があります。
エサの付け替えは、3投程度で行うことをお勧めします。特に柔らかいエサは劣化が早いため、こまめな交換が必要です。
生餌を使用する場合は、タコ糸やワイヤーでしっかりと固定することが重要です。エサが外れやすい場合は、輪ゴムを使用することでより確実に固定することができます。

置き竿でタコ釣りを成功させるポイント
- 置き竿に適した釣り場の選び方
- 根掛かりを防ぐテクニック
- アタリの見分け方と合わせのタイミング
- 潮の流れと時間帯による釣果の違い
- 置き竿で大物を狙うコツ
- まとめ:タコ釣り置き竿で確実に釣果を上げる方法
置き竿に適した釣り場の選び方
堤防の際や壁際は、タコ釣りの定番ポイントです。エサとなる貝類やカニが多く生息し、タコのエサ場となっています。また、堤防の繋ぎ目や割れ目、スリット部分はタコの格好の住処となります。
堤防から2-3m前後の底付近も狙い目です。これは堤防の基礎部分に敷石が積み上げられていることが多く、タコの隠れ家となっているためです。
沖には岩や捨て石などの障害物が形成されていることがあり、仕掛けを引いた時に引っ掛かりを感じる場所は、タコの住処となっている可能性が高いです。
石畳のエリアはタコが好む隙間が多く、エサも豊富な超一級ポイントとなります。ただし、根掛かりが多いため、経験を積んでから挑戦することをお勧めします。
夕方以降はタコの活性が下がる傾向がありますが、その代わりにクロアナゴが活発になることもあります。
根掛かりを防ぐテクニック
底をゆっくりと引きずりながら竿を動かすことで、根掛かりを防ぎながらタコを誘うことができます。特に船釣りの場合、このテクニックは効果的です。
タコテンヤを海底から20cm程度浮かせることで、根掛かりを大幅に減らすことができます。この方法は特にガリガリ場と呼ばれる障害物の多い場所で有効です。
船の揺れを利用して、竿先を10cm程度の小さい幅で上下させることで、エギやテンヤの動きをコントロールします。この動きは根掛かりを防ぎながらタコを誘う効果があります。
水深の変化や底の取り直し時には特に注意が必要です。急な地形の変化がある場所では、より慎重な竿さばきが求められます。
アタリと根掛かりの区別が難しい場合は、一度糸を緩めてみることで判断できます。タコが付いている場合は、緩めた後も重みが残ります。
アタリの見分け方と合わせのタイミング
タコが仕掛けを抱くと、根掛かりに似た重みを感じます。この時、ドラッグから糸がゆっくりと出ていく感触があります。
竿先に重みや違和感を感じたら、糸フケをとってから大きくアワセを入れます。タコが掛かったら、ドラッグを締めながら一定のスピードで巻き上げます。
タコが岸壁に張り付いた場合は、無理に引き剥がそうとせず、いったん糸を緩めて油断させます。タコが移動を始めた瞬間を狙って一気に引き上げることが効果的です。
アワセは一度だけ大きく入れることが重要です。何度もアワセを入れると、かえってタコが逃げてしまう可能性があります。
上げ際まで気を抜かずに、一定のテンションを保ちながら巻き上げることが大切です。
潮の流れと時間帯による釣果の違い
タコは夜行性が強く、日中は岩の隙間などに隠れて生活しています。そのため、夜間や薄暗い朝夕が特に活発に活動する時間帯となります。
タコは真水を嫌う性質があるため、大雨の日や雨後の釣行は避けた方が無難です。特に河口付近や浅場は雨水の影響を強く受けます。
水温が上がる5月〜9月頃はタコの活性が高まります。特に6月〜8月は子ダコが多く、最も釣れやすい時期となります。
潮の流れが速い場合は、重めのテンヤを使用することでポイントをしっかりと攻めることができます。ただし、ベタ凪で潮の流れがない場合は、エサのアピールが弱くなる傾向があります。
時間帯による釣果の期待度は、夜が最も高く、次いで朝・夕、日中の順となります。
置き竿で大物を狙うコツ
大物狙いには、アジやカニなどの生餌を使用したタコテンヤが効果的です。生餌は人工エサよりもタコの反応が良く、大型のタコを狙いやすいです。
エサの付け替えは3回投げる毎に行うことをお勧めします。特に柔らかいエサは劣化が早いため、こまめな交換が重要です。
タコテンヤは、エサを使用するため、タコとの駆け引きが長く続く傾向があります。これにより、大物が掛かった際の対応時間に余裕ができます。
大型のタコは警戒心が強いため、ドラッグは特に緩めに設定します。また、糸フケを十分にとることで、タコが警戒せずに仕掛けに近づきやすくなります。
天端の広い堤防や、手すりのある場所を選ぶことで、大物が掛かった際の安全な取り込みが可能になります。

まとめ:タコ釣り置き竿で確実に釣果を上げる方法
最後に記事のポイントをまとめます。
- 竿はドラッグを緩めに設定し、タコが糸を引き出せる状態にセット
- テンヤの重さは堤防で10-15号、船で50号前後を基準に選択
- 夜間から早朝が最も釣果が期待できる時間帯
- 梅雨や大雨後は活性が低下するため避ける
- エサは白色の見た目が効果的で、カニや豚の脂身が有効
- 生餌は3投程度で交換し、鮮度を保つ
- 根掛かりの多い場所では底から20cm程度浮かせて釣る
- アタリは根掛かりに似た重みで判断
- 夏場(6-8月)が最も釣れやすい時期
- 大物は警戒心が強いためドラッグを特に緩めに設定
- 堤防の繋ぎ目やスリット部分は好ポイント
- 安全な取り込みのため、手すりのある場所を選ぶ