タコ釣りは季節を問わず楽しめる釣りですが、特に水温が上昇する5月から9月は新子タコが活発に動き出すため、初心者でも釣果が期待できるシーズンとなります。堤防や漁港、船など様々な釣り場で楽しめ、それぞれに適した仕掛けと釣り方があります。

タコ釣りの定番仕掛けといえば、タコエギ、テンヤ、タコジグの3種類が主流です。中でも最近はタコエギを使用した釣りが人気で、豚の脂身などのエサを組み合わせることで、より効果的にタコを狙うことができます。
この記事のポイント!
- タコ釣りに使用する3つの基本仕掛けの特徴と使い分け方
- タコエギを最強の仕掛けにするためのエサの選び方と付け方
- 堤防や船など、場所に応じた効果的な仕掛けの使い方
- タックル選びのポイントと、仕掛けロスを防ぐためのテクニック
タコ釣りの仕掛けと道具選びのポイント
- タコ釣りに適した時期と場所
- 初心者でも使いやすいタコエギの特徴
- テンヤとタコジグの使い分け方
- エサの選び方と付け方のコツ
- タコエギにおすすめのカラー選び
- 根掛かり対策と仕掛けロス防止法
タコ釣りに適した時期と場所
タコ釣りのベストシーズンは6月から9月の夏場です。この時期は新子タコが多く、活性も高いため初心者でも比較的簡単に釣ることができます。
釣り場は堤防や漁港、船など様々ですが、特に漁港は漁師が出荷できない小魚を捨てるため、タコの餌場となっていることが多く、狙い目のポイントとなっています。
タコは夜行性が強く、日中は岩の隙間などに潜んで生活しています。そのため、テトラや岩礁、堤防のつなぎ目など、ストラクチャーの多い場所を狙うと効果的です。
朝マズメ(4時~7時頃)や夕マズメ(6時~8時頃)は、タコが活発に活動する時間帯となり、特に釣果が期待できます。
漁業権が設定されている地域もあるため、釣行前には必ず海上保安庁の「海洋状況表示システム」や管轄の漁業組合に確認することが重要です。
初心者でも使いやすいタコエギの特徴
タコエギは通常のイカ釣り用エギとは異なる特徴を持っています。大きな掛け針が2~3本付いており、タコの捕食方法に合わせて針が上向きになっているのが特徴です。
ボディには浮力があり、根がかりしにくい設計になっています。また、振るとカラカラと音(ラトル)が鳴る仕様で、タコを効果的に誘うことができます。
根掛かりの多い場所を攻めることが多く、フグなどの餌取りも多いため、高価なエギを1つ使うよりも、安価なエギを複数用意しておくことをおすすめします。
初心者の方はダイソーエギを改造したものでも十分にタコ釣りを楽しむことができます。ただし、針が弱いため、大きなタコが掛かった際にバレてしまう可能性があります。
タコエギを選ぶ際は、オクトパスタップなどの200円程度の手頃な価格帯のものから始めるのがおすすめです。
テンヤとタコジグの使い分け方
テンヤは木やプラスチックの板にハリとオモリが付いた仕掛けで、カニやイワシなどのエサを括り付けて使用します。エサを使用するため、タコの食いが良く、アタリが長く続くのが特徴です。
タコジグは子ダコを模したルアーが2~4つ連なっているため、広い範囲を探ることができます。主に足元を狙うバーチカルな釣りに適しています。
タコエギとテンヤは投げ釣りに向いており、タコジグは仕掛けを落として狙う垂直釣りに適しています。場所や状況に応じて使い分けることで効果的にタコを狙うことができます。
仕掛けは釣り場の状況に応じて選択します。堤防や沖の広いエリアを探る場合はタコエギやテンヤ、漁港の壁際や岩場の隙間を狙う場合はタコジグが効果的です。
使い分けのコツは、タコの居そうな場所と、その場所にアプローチしやすい仕掛けを選ぶことです。
エサの選び方と付け方のコツ
タコエギに巻くエサは、豚の脂身が最も一般的です。その他、豚バラ肉や鶏皮、サバの切り身なども効果的です。これらは精肉店やスーパーで購入できます。
エサは薄くスライスして巻き過ぎないように注意が必要です。エギに生餌を付けすぎると、かえって釣果が落ちる傾向があります。
生餌は輪ゴム、針金、ラインなどで固定します。また、背側に餌を取り付けられるタイプのタコエギもあり、ワイヤーで挟むことでエサが外れにくくなります。
底をズル引きする場合は、鶏皮を使用したり、肉を厚めに巻いてワイヤーで頑丈に固定すると、エサ持ちが良くなります。
生餌を素手で扱う場合は、食中毒予防のため必ず手を洗い、衛生面に気を付けることが重要です。
タコエギにおすすめのカラー選び
タコエギのカラーは白・黒・赤・黄色をそれぞれ用意しておくと良いでしょう。赤と黒は定番カラーで、タコには赤色が黒く見えるため、エギに気付きやすいとされています。
白や黄色は夜釣りや曇天など、視界が悪い時に効果的です。複数のカラーを持ち歩き、その日の状況に応じて使い分けることで釣果アップが期待できます。
タコエギには背中に鳥皮や豚背油を巻き付けることで、タコの反応が渋い時でも効果を発揮します。また、銀紙を細く切ってデコレーションすることでアピール力を高めることができます。
近年では「タコライダー」という匂いスプレーも販売されており、タコへのアピール力を高める新しい選択肢となっています。
状況に応じて様々なカラーを試すことで、その日のベストカラーを見つけることができます。
根掛かり対策と仕掛けロス防止法
漁港で釣りをする際は、まず波止際に立って海を観察することが重要です。船を係留するためのロープが海底に垂れ下がっていたり、発泡スチロールのブイがロープに繋がれています。
ロープがどの方向に沈んでいるかを確認し、それを回避するだけでエギのロスを大幅に減らすことができます。また、海底の障害物や地形を把握することも重要です。
タコ釣りは根掛かりが多い場所を攻めるため、高価なエギを1つ使うよりも、安価なエギを4~5個用意して釣行時間を長くすることをおすすめします。
初心者の方は、まず波止際や漁港の荷揚げ場前など、比較的根掛かりの少ない場所から始めると良いでしょう。

タコ釣り仕掛けの実践的な使い方と釣果アップのコツ
- 堤防での効果的な探り方
- 船釣りでの仕掛けの使い分け
- タコの掛け方と巻き上げのテクニック
- タックル選びで注意すべきポイント
- 漁業権と釣り場での注意事項
- まとめ:タコ釣り仕掛けで確実に釣果を上げるポイント
堤防での効果的な探り方
堤防でタコを狙う場合、壁際やテトラ周辺の隙間に張り付いているタコと、海底や根周りを漂っているタコの2パターンを狙うことができます。
まずは波止際の足元から探り始めます。意外にも大きなタコが近くに潜んでいることが多いためです。エギを壁際に落として、ゆっくりと竿先で上げ下げを繰り返しながら誘います。
次に5m先の駆け上がりを狙います。エギを投げて底を取り、ゆっくりと竿先を動かしながら誘います。底の変化を感じられる場所は障害物が多く、タコの好ポイントとなっています。
10m以上離れた沖の沈み根も見逃せないポイントです。目視では確認しづらいですが、仕掛けを引いてきた時に引っかかりを感じる場所には、タコが潜んでいる可能性が高くなっています。
漁港では荷揚げ場前が特に狙い目です。漁師さんが出荷できない小魚を捨てるため、タコの絶好のエサ場となっています。
船釣りでの仕掛けの使い分け
船からのタコ釣りでは、タコジグやテンヤを使って深場に潜むタコを狙います。特に冬場は大型のタコを狙うチャンスとなります。
タコジグは2~4つの仕掛けが連なっているため、一度に広い層を探ることができます。ただし、その分根掛かりのリスクも高まるので注意が必要です。
船釣りではPE8号程度の太いラインを使用します。根ずれに強く、タコの重みにも耐えられる強度が必要となるためです。
船上からの釣りでは、タコエギやスッテなどを組み合わせる釣り方が主流となっています。着底後、竿先を揺すってエギを踊らせてタコにアピールします。
オモリを海底から浮かせないようにすることがコツです。タコが抱くと竿先に違和感が出るので、少し待って深く抱き込ませてから大きくアワセを入れます。
タコの掛け方と巻き上げのテクニック
タコがエギに乗った時は、何かに袋が引っかかったような重みを感じます。この時、慌ててリールを巻かず、ラインのテンションを保ったまま軽く竿で引いてみることが重要です。
重たく少しニュッとした感じがあれば、ラインの糸フケを取り、思い切り合わせを入れます。その後、一定のスピードでリールを巻くだけです。
合わせる時は竿先を海面まで下げ、時計の8時の位置から11時の位置まで大きく上げることで、確実に針掛かりさせることができます。
波止際の真下でヒットした場合は、真上に上げるのではなく、進行方向か逆方向に3~5mほど移動して斜めに合わせを入れることで、バラシを減らすことができます。
リールを巻く際はラインを緩めたり、ポンピングをせずに一定の速度で巻き上げることが、タコをバラさないコツとなります。
タックル選びで注意すべきポイント
タコ釣りのタックルは感度よりもパワー重視で選びます。タコの抱きつきと引き上げに耐えられるよう、硬めでしっかりしたロッドが必要です。
ロッドは7フィート程度の長さで、硬めのエギングロッドやシーバスロッド、ショアジギングロッドなどが使用できます。専用ロッドを使用する場合は、メジャークラフトのソルパラ岸蛸モデルなどがおすすめです。
リールは4000番クラスのスピニングリールが扱いやすく、PEラインは3~5号を使用します。5号の方がエギのロスを少なくできる利点があります。
船釣りの場合は、さらに太いPE8号程度のラインを使用します。根ずれや大型タコの重みに耐えられる強度が必要となるためです。
タモ網は必須アイテムです。タコは頭が良く、スカリに小さな穴があると逃げてしまうため、しっかりとした物を選びましょう。
漁業権と釣り場での注意事項
タコ釣りは第一種共同漁業権が設定されている地域では密漁となる可能性があります。釣行前に必ず自身の地域の漁業権を確認する必要があります。
漁港で釣りをする際は、漁師さんの邪魔にならないよう注意が必要です。また、ロープや網が付いている蛸壺には絶対に触れないようにしましょう。
雨の日や雨上がりは、タコが真水を嫌うため活性が下がります。特に河口付近や浅いポイントは雨水の影響を強く受けるので注意が必要です。
釣ったタコは一度冷凍し、塩もみすることでヌメリが簡単に取れます。冷凍することで、茹でた時に柔らかく旨味も出やすくなります。
また小さすぎるタコは釣れてもリリースすることをおすすめします。半月ほどで倍の大きさに成長するため、資源の保護にもつながります。
まとめ:タコ釣り仕掛けで確実に釣果を上げるポイント

最後に記事のポイントをまとめます。
- ベストシーズンは5月~9月で、特に6月~8月は新子タコが活発
- 基本的な仕掛けはタコエギ、テンヤ、タコジグの3種類
- タコエギは豚の脂身などのエサを薄く巻くことで効果アップ
- 堤防や漁港の荷揚げ場前は特に有望なポイント
- タックルは感度よりもパワー重視で選定する
- PEラインは陸からなら3~5号、船なら8号程度を使用
- エサは薄くスライスして巻きすぎないことが重要
- タコが乗ったら慌てずに深く抱き込ませてから合わせを入れる
- リールは一定速度で巻き上げ、ポンピングは厳禁
- 漁業権の確認と漁師への配慮を忘れずに
- 雨の日は活性が下がるので避けた方が無難
- 小タコは将来に期待してリリースを心がける