スピニングリールは釣りにおいて飛距離を出すための重要な要素です。特に遠投が求められる釣りスタイルでは、リールの性能次第で飛距離に大きな差が生まれます。最近のスピニングリールは技術革新により飛距離性能も向上していますが、どのモデルが本当に飛ぶのか知りたいアングラーも多いでしょう。

今回は実際のデータをもとに、飛距離に優れたスピニングリールをランキング形式で紹介します。メーカー別の特徴や価格帯による違い、飛距離を出すためのポイントまで詳しく解説していきます。初心者からベテランまで、より遠くに飛ばしたいすべてのアングラーに役立つ情報をお届けします。
記事のポイント!
- 飛距離に優れたスピニングリールのランキングと選び方
- 釣りのスタイル別に適したリールの特徴と飛距離の関係
- リールの構造やギア比が飛距離に与える影響
- 飛距離を最大化するためのリール選びと実践テクニック
【最新版】スピニングリールの飛距離ランキングとその実力
- ダイワのトーナメントサーフ45は飛距離トップの性能を持つ
- シマノのスーパーエアロは高い飛距離性能で人気の定番モデル
- アブガルシアのゼノンは軽量かつ遠投性能に優れている
- 飛距離が出るスピニングリールの共通点はスプール形状にある
- ギア比の違いは飛距離よりもリトリーブ性能に影響する
- コストパフォーマンスに優れた飛距離重視のリールはレブロスLT
ダイワのトーナメントサーフ45は飛距離トップの性能を持つ
調査の結果、ダイワのトーナメントサーフ45は飛距離性能において最も優れたスピニングリールの一つであることが分かりました。このモデルは特に遠投するための設計が施されており、大口径のスプールと長いストロークにより、ラインの放出がスムーズで抵抗が少ないのが特徴です。
トーナメントサーフ45は「45」という名前の通り、45mmのスプール径を持っています。このサイズは一般的なスピニングリールと比較して大きく、その分ラインが大きなコイル状になって放出されるため、ラインの摩擦が減少します。これにより理論上は他のリールよりも飛距離が出やすくなっています。
実際の測定データでは、PE1.5号を使用した遠投テストで100m以上の飛距離を記録しています。特に同社のPEテーパーラインとの組み合わせでは、さらに飛距離を伸ばすことが可能です。ただし、このリールは投げ釣り専用モデルのため、重量が約410gと重く、長時間の使用では疲労感が出やすい点は留意すべきでしょう。
価格面では上級モデルにあたるため、5万円前後と高価格帯に位置しています。しかし、遠投性能を最重視する釣り人や、競技レベルでの投げ釣りを行う方にとっては、この投資に見合う性能を持っているといえるでしょう。
特筆すべきは、このリールが2021年4月にフルモデルチェンジを遂げた「21サーフベーシア 45」にも同等の飛距離性能が受け継がれている点です。こちらはトーナメントサーフ45と同じボディ、同じローターを使った準フラッグシップ機で、やや低価格になっています。予算に余裕がない方は、この後継モデルを検討してみるのも一つの選択肢でしょう。
シマノのスーパーエアロは高い飛距離性能で人気の定番モデル

シマノの遠投用リールとして高い人気を誇るのが「スーパーエアロ」シリーズです。特に「18 サーフリーダー CI4+ 35 細糸仕様」や「スーパーエアロ スピンジョイ 35 標準仕様」は、多くの投げ釣りファンから支持を受けています。シマノのテクノロジーが詰め込まれたこれらのモデルは、飛距離を重視したい方に強くおすすめできるリールです。
このシリーズの特徴は、シマノが開発したカーボン繊維強化樹脂CI4+で作られたボディとローターにあります。軽量ながらも高い剛性を持ち、長時間の使用でも疲れにくいのが魅力です。さらに、塩水環境での使用を考慮し、ラインローラーにはXプロテクトによる強力防水を施しています。
調査データによると、「スーパーエアロ スピンジョイ 35標準仕様」は実釣で80m前後の飛距離を記録しており、そのポテンシャルの高さが証明されています。また、X-SHIPやGフリーボディなどの基本性能も充実しており、替えスプールまで付属するというコスパの高さも魅力です。
注目すべきは「コンパクト」と「標準」の2つのバリエーションがある点です。コンパクトモデルは重量が抑えられており、女性や長時間使用する方に向いています。一方、標準モデルは飛距離を最優先にした設計で、より遠くに投げたい方に適しています。
価格帯は2万円前後と、ハイエンドモデルと比較すると手が届きやすい設定になっています。初めてのサーフキャストリールとして選ぶなら、このシリーズがストレスを感じることなく使用できる優れた選択肢となるでしょう。
アブガルシアのゼノンは軽量かつ遠投性能に優れている
アブガルシアのフラッグシップモデル「ゼノン」シリーズも、軽量性と遠投性能を両立させた優れたスピニングリールです。特にゼノン2500SHは、ノーマルスプールを搭載した2500番でありながら、わずか148gという驚異的な軽さを実現しています。
この軽量性は、キャスト時の負担を大幅に軽減し、より自然なフォームで力強く投げられることに繋がります。通常、リールが重いとキャスト動作が制限されがちですが、ゼノンのような超軽量リールなら、より大きなパワーを仕掛けに伝えることができるため、飛距離アップにつながるのです。
調査によると、ゼノンは軽量であるにもかかわらず、ノーマルスプールタイプでPE0.8号150mの十分なラインキャパを確保しています。これは飛距離を出すために重要な要素で、ラインを十分な量巻けることでラインの放出もスムーズになります。
また、ゼノンの特徴として、ノーマルスプールを採用しながらも巻き上げギア比は6.2:1と高速設定されています。これにより、キャスト後のラインスラックの素早い回収が可能で、連続したキャストを効率良く行えるのも魅力の一つです。
価格は4万円台と決して安くはありませんが、この軽さと性能を求めるなら妥当な価格設定と言えるでしょう。シーバスやエギングなどのルアーフィッシングでも活躍するため、様々な釣りに転用できる万能性も持ち合わせています。アブガルシア独自の唯一無二の個性も相まって、他とは一線を画すリールだと言えるでしょう。
飛距離が出るスピニングリールの共通点はスプール形状にある
飛距離に優れたスピニングリールには共通した特徴があります。それは「スプールの形状」です。スプールは糸を巻き取る円筒状の部品で、その形状や大きさが飛距離に大きく影響します。特に重要なのは、スプールの直径とストローク(長さ)です。
スプールの直径が大きいほど、ラインが大きなループを描いて放出されるため、ラインの抵抗が少なくなります。調査によると、ダイワの投げリールでは35mm、コンパクトモデルでは25mmというスプール径の違いがあり、この差が飛距離に明確に現れています。遠投専用リールは一般的に35〜45mmの大径スプールを採用しており、それが飛距離性能の高さに直結しています。
もう一つの重要な要素はスプールのストロークです。ストロークとは、スプールの前後への移動距離を指します。ストロークが長いと、ラインが均一に巻かれるため、キャスト時のラインの絡みが少なく、スムーズな放出が可能になります。例えば、シマノのブルズアイ5050は30mmのストロークを持ち、これはダイワの標準モデル(35mm)とコンパクトモデル(25mm)の中間に位置しています。
また、スプールの溝の深さも重要な要素です。浅溝(シャロー)と深溝(ノーマル)があり、遠投には基本的にノーマルスプールが適しています。これは太めの糸を十分に巻けるためで、特に遠投カゴ釣りなどではナイロン5号以上が巻けることが条件となります。
さらに近年では、シマノの「ロングストロークスプール」やダイワの「ロングキャストABSスプール」など、メーカーごとに独自のスプール形状を開発し、飛距離性能の向上を図っています。これらの技術は上級モデルだけでなく、中級モデルにも徐々に採用されつつあり、全体的な飛距離性能の底上げにつながっています。
ギア比の違いは飛距離よりもリトリーブ性能に影響する
多くのアングラーがギア比を重視しますが、実はギア比自体は直接的に飛距離には影響しません。ギア比とはハンドル1回転あたりのローターの回転数を表した数字で、例えばギア比が6:1であれば、ハンドルを1回転させるとローターが6回転するということです。
ギア比は主に「巻き取り性能」に関わる要素です。高いギア比(ハイギア・エクストラハイギア)は巻き取り速度が速くなりますが、巻き上げ時の力は相対的に弱くなります。一方、低いギア比(ローギア・パワーギア)は巻き取り速度は遅くなりますが、より強い力で巻き上げることができます。
調査によると、一般的にはギア比5:1以下が「ローギア(パワーギア)」、6:1以下が「ノーマルギア」、それ以上が「ハイギア」、さらに高いものが「エキストラハイギア」と呼ばれています。しかし、これらの違いはキャスト時の飛距離よりも、リールを巻く際の特性に現れます。
遠投を重視する釣りであっても、ギア比の選択は狙うターゲットや釣りのスタイルによって異なります。例えば、青物狙いのショアジギングでは素早くルアーを回収するためにハイギア以上が適していますが、オフショアで大物を狙う場合はパワーが必要となるため、ノーマルギアやローギアが選ばれることが多いです。
飛距離を出すために最も重要なのは「リールのスプール設計」「ロッドの長さや調子」「ラインの種類や太さ」「キャスティングテクニック」などであり、ギア比はあくまで巻き取り時の特性を決める要素と認識しておくべきでしょう。つまり、飛距離を求めるならまずはスプール形状に注目し、ギア比は釣りのスタイルに合わせて選ぶのが正解です。
コストパフォーマンスに優れた飛距離重視のリールはレブロスLT
コストパフォーマンスと飛距離性能の両立を考えるなら、ダイワの「レブロスLT」シリーズは非常に魅力的な選択肢です。特に24年モデルの「24レブロスLT6000D-H」は、遠投カゴ釣りなどに最適な大型番手が追加され、注目を集めています。
レブロスLTは実売価格が6,000円台からと手頃でありながら、上位モデルにも搭載されるATDドラグやロングキャストABSスプールなどの高性能機能を採用しています。6000番ではナイロン6号が十分に巻け、さらにドラグ力も申し分ないため、遠投して大物を狙うシーンでも安心して使用できます。
調査によると、実釣面でも飛距離性能は申し分なく、価格を考慮すれば驚異的なコスパを誇ります。特に初心者が最初に購入するリールとしては理想的で、基本性能が充実しているため様々な釣りに対応できる汎用性の高さも魅力です。
ただし、コストパフォーマンスモデルであるため、長時間の使用や重負荷をかけ続けると、ゴリ感が出やすいという特性があります。しかし、遠投カゴ釣りは巻きでアタリを取る釣りではないため、多少のゴリ感が出ても釣果に影響はないでしょう。実際に多くのユーザーがこの点をデメリットと感じていないようです。
供回りハンドルで多少のガタはありますが、キャスト性能と巻き上げ力は十分にあり、アジングなどの繊細な釣りを除けば全く問題ありません。予算を抑えつつも飛距離性能を重視したいなら、レブロスLTシリーズは最も適した選択肢の一つと言えるでしょう。

釣りのスタイル別にみるスピニングリールの飛距離ランキングと選び方
- 遠投カゴ釣りには4000番以上の大型リールが飛距離を伸ばす
- ショアジギングではSWシリーズよりも汎用リールが飛距離を出しやすい
- シーバスフィッシングでは3000番クラスのリールが飛距離と操作性のバランスに優れる
- アジングやメバリングでも飛距離を出せるライトゲーム用リールがある
- リールの重量は軽いほど振り抜きが良くなり飛距離が伸びる
- ラインの種類や太さもリールの飛距離に大きく影響する
- まとめ:スピニングリール飛距離ランキングで最適な一台を選ぶポイント
遠投カゴ釣りには4000番以上の大型リールが飛距離を伸ばす
遠投カゴ釣りは、その名の通り遠投能力が釣果を大きく左右する釣りスタイルです。調査によると、遠投カゴ釣りに最適なスピニングリールは4000番以上の大型モデルとなります。これは仕掛けの重さと必要なラインキャパシティが関係しています。
遠投カゴ釣りの仕掛けは100グラム以上と重く、これを安定して飛ばすには強靭なリールが必要です。特に人気があるのがダイワの「17クロスキャスト4000QD」で、これは伊豆半島など遠投カゴ釣りの本場でも最も使用者が多いモデルとして知られています。最大径の大型スプールを搭載し、理論上の飛距離は最高クラスを誇ります。
重要なのは、ナイロン5号以上が150メートル以上巻けることと、ドラグ力が10キロ以上あることです。これは遠投カゴ釣りで狙うソーダガツオやイナダ、真鯛などの中〜大型魚の引きに対応するための最低条件です。クロスキャスト4000QDはこれらの条件を満たした上で、実売1万円アンダーという驚異的なコスパも魅力です。
さらに、遠投カゴ釣り用のリールには、クイックドラグ(QD)機能を搭載したモデルがおすすめです。QDとはドラグを高速で調整できる機能で、タラシ調整や流す際のドラグフリーなどに有効活用できます。「17ウインドキャスト4000QD」などもこの機能を持ち、遠投カゴ釣りと相性抜群です。
ただし、大型の投げリールは500g以上と重量があるため、長時間の使用では疲労感が大きくなります。より軽量なモデルを求めるなら、「ダイワ プロカーゴSS4500遠投」のようなショートストロークタイプのコンパクトリールも選択肢に入るでしょう。飛距離と軽さを両立したい方に特におすすめです。
ショアジギングではSWシリーズよりも汎用リールが飛距離を出しやすい
ショアジギングで飛距離を重視する場合、一見SWリール(ソルトウォーターリール)が適しているように思えますが、実は汎用リールの方が飛距離を出しやすい傾向があります。これはSWリールの設計が飛距離よりもパワーや耐久性を重視しているためです。
調査によると、SWリールはストロークが狭く溝が深い設計になっているため、遠投性に関しては不利になります。また、SWリールは一般的に重量も重く、キャスト動作の負担が大きくなるため、長時間のショアジギングでは体力的にも厳しくなります。
ショアジギングに適したリールとしては、ダイワの「23レグザLT6000D-H」や「19セルテート LT4000-CXH」などが挙げられます。これらはアルミボディを採用し、汎用リールの弱点である剛性面を克服しつつ、遠投性も優れています。特にレグザLTは2023年にモデルチェンジし、剛性モデルの弱点がブラッシュアップされたことで、より遠投ジギングに適したリールへと進化しました。
また、シマノの「20 ツインパワー 4000MHG」も、たわみや歪み、ねじれを抑制する金属ローターを搭載し、質実剛健に仕上がっているため、ショアジギングに適しています。ギア比は5.8:1のハイギア仕様で、ジグの高速回収も可能です。
ショアジギングでは30〜100gのメタルジグを遠投する必要があるため、4000〜5000番クラスのリールを選ぶのが基本です。そして重要なのは、リールの剛性と重量のバランスです。あまりに軽すぎるとパワー不足になりますが、重すぎると疲労が溜まるため、自分の体力や釣りのスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
シーバスフィッシングでは3000番クラスのリールが飛距離と操作性のバランスに優れる
シーバスフィッシングにおいて、飛距離と操作性のバランスが取れたリールを選ぶことは非常に重要です。調査によると、3000番クラスのスピニングリールがシーバスフィッシングに最も適していると言われています。このサイズは遠投をするための十分なラインキャパシティを持ちながらも、軽量で取り回しがしやすいバランスの良さが特徴です。
シーバス釣りで人気のリールとしては、シマノの「21エクセンス C3000MHG」やダイワの「イグジスト LT3000-H」などのハイエンドモデルが挙げられます。これらのリールは軽量かつスプール回転がなめらかで、キャスト時のラインの放出がスムーズなため、より遠くまで飛ばすことができます。
特にシマノのエクセンスシリーズは、軽量カーボン素材を使用することで従来モデルと比べて約20g以上の軽量化を実現しています。また、高剛性マグネシウムボディを採用することで、リールの歪みやたわみを抑制し、遠投性能を向上させています。さらに特殊なスプール機構により、より遠くまでキャストできるよう設計されています。
中級モデルではシマノの「20ヴァンフォード C3000HG」やダイワの「21カルディア LT3000-CXH」も人気です。これらは価格を抑えながらも基本性能が高く、初心者から中級者まで幅広いアングラーに支持されています。
シーバスフィッシングでは環境に応じて様々なルアーを使い分けるため、5〜30g程度のルアーをストレスなく扱えるリールが理想的です。ギア比はハイギア〜エクストラハイギアが主流で、素早いリトリーブが可能なモデルが好まれています。湾奥から河川、干潟、磯場など、様々なフィールドでシーバスを狙うには、軽量で飛距離が出るリールを選ぶことが釣果アップの鍵となるでしょう。
アジングやメバリングでも飛距離を出せるライトゲーム用リールがある

小型魚をターゲットにしたライトゲームでも、飛距離は重要な要素です。特にアジングやメバリングでは、沖の魚群や障害物の向こう側など、遠くのポイントを狙う機会も少なくありません。調査によると、軽量かつ飛距離性能に優れたライトゲーム専用リールが存在します。
ダイワの「月下美人」シリーズはライトゲーム専用設計で、特に「月下美人 X LT1000S-P」は巻き感度・操作性・トラブルレス性能を大幅に向上させた注目モデルです。自重はわずか185gで、ジグ単のスローリトリーブをメインにするアジングでの使用におすすめです。またギア比が4.8とローギア設定になっており、繊細なアクションが可能です。
同じく人気の「18 月下美人 MX LT2000S-P」も、4.8:1のローギア・パワーギア仕様で、ゆっくりと確実にルアーを操作できます。ラインキャパとしてはナイロン4lbで100m、PEなら0.4号を200m巻けるため、十分な飛距離を確保できます。
シマノからは「18 ソアレ BB C2000SSPG」が挙げられます。こちらもローギア仕様で、スーパーシャロースプールを採用しているため、細めのラインで遠投しやすい設計になっています。「Gフリーボディ」という技術でウォームシャフトをドライブギア上部に配置しており、手元に重心を近づけることで操作性を向上させています。
ライトゲーム用リールで飛距離を出すコツは、適切なラインの選択にもあります。PE0.3〜0.4号の細いラインを使用することで、抵抗が減り飛距離がアップします。またスプールはシャロータイプを選ぶことで、下巻きの必要性が減り、ラインの放出がスムーズになります。
ライトゲームリールは1000〜2000番が基本ですが、シーンに応じて使い分けるとよいでしょう。1000番は超軽量でしょう潮や管理釣り場などの小規模フィールドに、2000番はやや広いエリアでの使用に適しています。軽いラインとルアーでも飛距離を出せるよう、リールの特性を理解して選びましょう。
リールの重量は軽いほど振り抜きが良くなり飛距離が伸びる
リールの重量は飛距離に大きく影響する要素の一つです。基本的には、リールが軽いほど投げる際のロッドの振り抜きがよくなり、その結果として飛距離が伸びる傾向があります。これは特に長時間の釣行や連続したキャストを行う場合に顕著に現れます。
調査によると、例えばダイワの投げリールを比較した場合、標準的な「17クロスキャスト4000」が約500gであるのに対し、ショートストロークタイプの「プロカーゴSS4500遠投」は約300gと200g以上も軽量です。この重量差により、後者の方が長時間にわたって疲労感が少なく、フルパワーでのキャストを維持しやすくなります。
さらに興味深いのは、実際の飛距離比較テストでは、理論上は大型スプールの標準モデルの方が飛距離が出るはずですが、軽量モデルでもほぼ同等の飛距離が記録されているケースが多いという点です。これは軽いリールを使用することで、投げる人がより大きなパワーをキャストに込められるからだと推測されます。
特に注目すべきは近年のカーボン素材の進化です。シマノのCI4+やダイワのザイオンVなどの高強度カーボン素材により、剛性を維持しながらも大幅な軽量化が実現しています。例えばシマノの「19ヴァンキッシュC2500SXG」は155gという驚異的な軽さでありながら、高い剛性を保っています。
ただし、あまりに軽すぎるリールはジグなどの重い仕掛けを使用する場合、バランスが悪くなる可能性もあります。そのため、釣りのスタイルや使用するルアーの重さに合わせて、適切な重量のリールを選ぶことが重要です。一般的には、ルアーの重さが増すほど、それに対応できる剛性を持ったやや重めのリールが求められます。
ラインの種類や太さもリールの飛距離に大きく影響する
リールの性能だけでなく、使用するラインの種類や太さも飛距離に大きな影響を与えます。調査によると、同じリールでも異なるラインを使用することで、飛距離が大きく変わってくることが分かっています。
まず、ラインの種類による違いを見てみましょう。一般的に使用されるラインには、ナイロン、フロロカーボン、PEラインの3種類があります。飛距離に関してはPEラインが最も優れており、同じ強度であれば他のラインよりも細く設計できるため、空気抵抗が少なく遠投に適しています。実際、投げ釣りの競技者の多くはPEラインを使用しており、100m以上の飛距離を記録しています。
次に重要なのがラインの太さです。細いラインほど空気抵抗が少なく、より遠くまで飛ばすことができます。例えば、ナイロン6号と3号を比較すると、同じリールと投げ方でも10〜20mの飛距離差が生まれることもあります。遠投カゴ釣りなどでは、一般的にナイロン5〜6号が使用されますが、より飛距離を求めるならPE1〜1.5号が理想的です。
ただし、細いラインには強度の問題があります。特に大物を狙う場合や障害物の多いポイントでは、ラインブレイクのリスクが高まります。そこで活用したいのがテーパーラインです。これは先端に行くほど太くなるラインで、手元は細く飛距離を確保しつつ、仕掛け側は太くして強度を保つことができます。
また、スプールへのラインの巻き方も重要です。密巻き(スローオシュレート)とクロスラップと呼ばれる2種類の巻き方があり、メーカーによって採用している方式が異なります。シマノは密巻きを「スローオシュレート」として推奨していますが、ダイワは「クロスラップ」を採用したリールも提供しています。どちらも一長一短あり、密巻きはライン放出時の抵抗を減らして飛距離を伸ばす効果がある一方、クロスラップはラインの食い込みや糸ズレを防ぐ効果があります。
最後に、スピニングリールを使用する際の適正なライン量も飛距離に影響します。PEラインの適正量はスプールエッジの少し内側に収まるくらいが理想的です。多すぎるとキャスト時にはみ出た分のラインが一気に放出されてトラブルの原因になり、少なすぎるとキャスト時に放出されるラインがスプールエッジに干渉しすぎるため、飛距離が低下します。

まとめ:スピニングリール飛距離ランキングで最適な一台を選ぶポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- 飛距離最強のスピニングリールはダイワのトーナメントサーフ45で、大径スプールと長いストロークにより100m以上の飛距離を実現
- シマノのスーパーエアロシリーズは2万円前後の価格帯で高い飛距離性能を持ち、コストパフォーマンスに優れている
- アブガルシアのゼノンは148gという超軽量ボディながら十分な飛距離性能があり、振り抜きの良さで遠投をサポート
- スピニングリールの飛距離性能はスプールの直径とストロークが大きいほど有利で、これが遠投専用リールの基本設計となっている
- ギア比自体は飛距離には直接影響せず、主にリトリーブ性能に関わる要素なので釣りのスタイルに合わせて選ぶべき
- コスパ重視なら24レブロスLT6000D-Hがおすすめで、手頃な価格ながら十分な飛距離性能を持つ
- 遠投カゴ釣りには4000番以上の大型リールが適し、特にクイックドラグ機能付きのモデルが使いやすい
- ショアジギングではSWリールよりも汎用リールの方が飛距離を出しやすく、レグザLTなどのアルミボディモデルが適している
- シーバスフィッシングには3000番クラスのリールがバランス良く、エクセンスやイグジストなどの軽量モデルが人気
- ライトゲームでも月下美人やソアレなど飛距離を考慮したモデルがあり、細いラインとの組み合わせで遠投が可能
- リールの重量は軽いほど振り抜きが良くなり飛距離が伸びる傾向があるが、使用するルアーに合わせた剛性も重要
- ラインはPEが最も飛距離が出て、太さは細いほど飛ぶが強度とのバランスを考慮すべき
- 適正なライン量はスプールエッジの少し内側に収まるくらいで、これにより最大の飛距離を得られる